PS5独占タイトル『Saros』、発売2週間で約30万本を販売。「出だしは鈍いが興味深い」とアナリスト評価。難易度と遊びやすさのバランスが取れたシステムでプレイヤーエンゲージメントは好調。
PlayStation 5専用タイトルとして期待されていた新作『Saros』が、発売から2週間で約30万本の売上にとどまり、アナリストからは「出だしは鈍いものの興味深い」という評価を受けています。売上は1,000万ドルを超えているものの、アナリティクス企業のAlinea Analyticsは本作を「ニッチなゲーム」と位置付けており、ソニー傘下のHousemarqueが以前手掛けた『Returnal』よりもやや売上が伸び悩んでいるとのことです。
大作がひしめく市場での苦戦
アナリストのリース・エリオット氏は、『Returnal』が2021年の発売時に好調だったのは、当時はPS5向けの独占タイトルが少なかったため、「発売初期のPS5ユーザーが新作を定価で購入し、プレイするゲームを渇望していた」ことが要因と分析しています。一方で、『Saros』は『Crimson Desert』、『Pragmata』、『Resident Evil Requiem』といった大作が立て続けに発売された後に出たため、市場での競争が激しく、埋もれてしまった可能性を指摘しています。エリオット氏は、『Saros』自体は素晴らしいゲームであり、もっと良い数字を出すべきだとしながらも、3D弾幕系ゲーム、特に高価格帯で、知名度の高いIPやスタジオのブランド力がないと、今の市場では売れにくいと述べています。
プレイヤーのエンゲージメントは好調
売上こそ伸び悩んでいるものの、『Saros』を購入したプレイヤーのエンゲージメントは非常に高いことがデータから伺えます。アーリーアクセスが開始された4月29日には約4万3000人のデイリーアクティブユーザー(DAU)を記録し、本発売日の4月30日には8万3000人に急増、5月2日には約14万2000人とピークを迎えました。発売後のDAUも堅調で、最初の10日間は11万5000人から14万人の間で推移し、10万人を下回ったのは一度だけ(5月11日の9万6000人)とのことです。このデータは、一度ゲームを始めたプレイヤーが、長くゲームを楽しんでいることを示しており、ゲーム自体の魅力は高いと評価できるでしょう。
遊びやすさへの配慮
『Saros』は、『Returnal』で得たフィードバックを活かし、遊びやすさにも配慮しています。『Returnal』は難易度の高さで知られていましたが、『Saros』ではオートセーブ機能や複数のセーブスロットが導入されています。クリエイティブディレクターのグレゴリー・ルーデン氏は、IGNのインタビューで「『Returnal』から学んだ教訓は、私たちが作ったものを多くの人々が愛してくれたことだ。しかし、もっと多くのプレイヤーが『Returnal』をもっと深く楽しみたいと思っていたというフィードバックも受けた。だから、『Saros』ではその能力を提供することに注力した。難易度を薄めることなく、挑戦的なゲームではありつつも、難易度を調整する能力も提供している」と語っています。これにより、コアな弾幕シューティングファンだけでなく、より多くのプレイヤーがゲームを楽しめるよう工夫されているようです。
PS5独占の意義とPC版リリースの可能性
エリオット氏は、『Saros』が単体で採算を取るのは難しいかもしれないとしつつも、PS5の独占タイトルとしての役割を強調しています。「独占タイトルは本体を売り、過去の世代からの慣性によって残りの部分が埋められる。実際のPlayStationの収益はサードパーティの発売タイトルやレガシーなサードパーティのライブサービスから生まれる」と述べ、独占タイトルはPS5本体の販売促進という重要な役割を担っていると指摘しています。また、『Returnal』のように『Saros』もPC版がリリースされるのかという点については、ソニーが再びPS5独占に注力しているとの報道もあり、現時点ではPC版リリースの兆候はありません。元PlayStation役員の吉田修平氏は、AAAタイトルの巨額な開発費を回収するにはPC版でのリリースが不可欠であるとの見解を示しており、今後のソニーの戦略が注目されます。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 発売から2週間の販売本数 | 約30万本 |
| 売上 | 1,000万ドル超 |