2026年2月20日に発売の『Styx: Blades of Greed(スタイックス:ブレード・オブ・グリード)』のメディアレビューが公開されMetacriticのメタスコアが集計されました。このページではMetacriticへ寄稿された『Styx: Blades of Greed』に対する海外ゲームメディアのレビューを翻訳してまとめています。
メタスコアは70代半ばで、評価としては賛否が真っ二つに割れるタイプの作品です。「純粋なステルスゲーム」としての骨太な手触りと圧巻のマップデザインを絶賛する声がある一方で、戦闘の粗さや技術的な不安定さを厳しく指摘する声も同じくらい多く見られます。購入の参考になれば幸いです。
皮肉屋のゴブリンが帰ってきた、ただし粗削りなまま
この『Styx: Blades of Greed』は、9年ぶりのシリーズ最新作として「見つかったら終わり」の緊張感を貫いた正真正銘のステルスゲームです。近年の『Assassin’s Creed』のように戦闘でゴリ押しできるタイプではなく、『Thief』や『Dishonored』の系譜に連なる古典的なステルスの手触りがしっかりと残っています。
巨大な立体マップをグラップリングフックやグライダーで縦横無尽に駆け回る探索はかなり気持ちいいですし、敵の食事に毒を盛ったりシャンデリアを落としたりといった環境を使ったクリエイティブな暗殺は、このゲームならではの楽しさだと思います。主人公スタイックスの皮肉たっぷりなブラックユーモアも、ダークファンタジーの世界観にぴったりハマっていますね。
ただ、手放しで褒められるかというと、そうでもありません。敵に見つかったときの近接戦闘がとにかくぎこちない。ロックオンの仕様が直感的ではなく、回避もモタつくので、戦闘になった時点でかなりのストレスです。フレームレートの低下やクラッシュといった技術的な問題も散見されますし、全体マップがないせいでサブクエストの探索がかなり面倒になっている部分もあります。良い素材を持っているのに、詰めの甘さが足を引っ張っている印象ですね。
「図書館で防犯ブザーを鳴らす」ような緊張感

このゲーム最大の魅力は、なんといっても純粋なステルス体験にあります。主人公のスタイックスは非常に脆く、敵に見つかることはあるレビュアーの言葉を借りれば「図書館で車の防犯ブザーを鳴らすようなもの」。正面から戦って勝てる相手はほぼいません。
だからこそ、敵の巡回ルートをじっくり観察して、通気口や屋根裏、いわば「中世における換気ダクト」をくぐり抜けて進む隠密行動が最高に楽しいんです。L3ボタンのクイックセーブが推奨されていて、「部屋に入る。セーブ。机の下に隠れる。セーブ。護衛が視線を外すのを待つ。セーブ」というリズムでトライ&エラーを繰り返すのが基本サイクル。失敗しても高所に逃げたりクローンで陽動したりと立て直しが効くので、理不尽さはそこまで感じません。
『Dark Souls』の病み村が霞むほどの高低差

用意されている3つの巨大マップ「The Wall」「Turquoise Dawn」「Akenash」は、どれも驚くほどの高低差を持っています。あるレビュアーはこの垂直性を「『Dark Souls』の病み村をサハラ砂漠のように見せる」と表現しているくらい。
グラップリングフックやグライダーを手に入れると行動範囲が一気に広がって、以前は通れなかった場所にアクセスできるようになるメトロイドヴァニア的な探索の喜びがあります。決まったルートが存在しないので、屋根の上から攻めるのか、地下通路を使うのか、同じ目的地でもまったく違うアプローチが可能です。
毒殺にシャンデリア落下、暗殺の引き出しが豊富

従来のアンバー(透明化やクローン生成)に加えて、新リソースクォーツによる能力が追加されたのも大きなポイントです。敵を操るマインドコントロール、時間を遅らせるタイムシフトなど、ステルスの選択肢がかなり広がっています。
敵のフルーツバスケットに毒を盛る、天井のシャンデリアを落として重装備の敵を潰す、巡回ルートに酸の地雷を仕掛けて死体ごと溶かす――こういった環境を活かした暗殺が非常に楽しいですね。自分の嘔吐物を吐きかけて暖炉の火を消すなんていう、なんとも下品なアクションまで用意されています。
ただし、粗さが目立つ部分もかなりあります
戦闘に回ったら地獄が待っている
ステルスゲームなので戦闘が弱いのは意図的ではあるんですが、それにしても正面戦闘のシステムがあまりにも雑です。最大の問題はロックオンの仕様で、敵を画面の真正面に正確に捉えないと機能しません。乱戦になるとロックオンに手間取っている間に一方的に殴られるケースが頻発します。
ダガーで攻撃しても敵が怯む挙動がないので、操作感もかなり硬直的。壁登りやパルクール中のアニメーションにも引っ掛かりが多く、狭い場所ではカメラワークが暴れて逃走経路を見失うこともしばしば。PC版ではキーボード&マウスとの相性がかなり悪いようで、コントローラーの使用が強く推奨されています。
マップがないのに広すぎる問題
これだけ巨大で入り組んだ立体マップなのに、全体マップ機能がないのはかなり不親切だと思います。頼れるのは簡易的なコンパスだけ。メインクエストを追いかけるぶんにはなんとかなりますが、サブクエストのアイテムを探したり、前のエリアに戻ったりする必要が出てくると途端に「今どこにいるの?」状態になります。
さらに、グライダーなどの便利な移動ツールが手に入るのがゲーム後半というのも惜しい。序盤の探索がどうしても窮屈に感じてしまいます。
技術面のバグとパフォーマンス不安
中規模予算のAAタイトルということもあってか、フレームレートの低下やクラッシュが複数報告されています。Steam Deckではグラフィック設定を最低にしても広いエリアで20fps台まで落ち込むとのこと。死体が壁に埋まったり、テクスチャのロードが追いつかなかったりと、品質管理の甘さを指摘する声も少なくありません。Act 2の空戦パートでは著しいグラフィックの低下も報告されていますね。
前作を遊んでいないと置いてきぼり
物語は前作『Styx: Shards of Darkness』(2017年)の結末から直接続いているんですが、新規プレイヤー向けの説明がほとんどありません。9年前の作品の続きをいきなり始められても、登場人物の関係性や専門用語がさっぱりわからないという声がかなり多いです。スタイックス自身のボイスアクティングは高く評価されていますが、サブキャラクターの演技やカットシーンの演出はチープだという指摘もあります。
敵AIは賢いのか、間抜けなのか
敵AIの評価は見事に分かれています。
物音に敏感に反応して隠れ場所の裏まで複数人で捜索してきたり、視覚を持たず足音だけで追ってくる虫型の敵がいたりと、手強いステルス相手として緊張感を生んでいるという意見があります。ノーマル難易度でも油断できない存在感があるようです。
その一方で、特定の安全地帯に逃げ込むとすぐに警戒を解いて元のルートに戻ってしまうなど、パターン化が容易で単調だと感じる声もあります。絶対に見つからないはずの物陰で急に察知されたり、逆に目の前の死体を見落としたりと、挙動の一貫性のなさが気になるようですね。
メディアレビュー紹介
高評価
Try Hard Guides (pc) — 100
本作はステルスゲームのマスターピースだ!The Wallのような作り込まれた巨大なマップで、テーブルの下を這い、屋根をパルクールで駆け抜ける真のゴブリン暗殺者体験が完璧に味わえる。視界の判定は極めてリアルで、敵を引きずりながらの静かな暗殺は最高に滑らかだ。ステルスゲーマーの渇望を完璧に満たす傑作である。
→ レビューを読むDualShockers (pc) — 85
ステルスジャンルに新たな息吹を吹き込む熱狂の復活劇だ!ミッション主導からオープンワールドへと進化し、クォーツがもたらすマインドコントロールなどの新能力が無限の創造性を解き放つ。最高のツールであるグライダーの入手が遅い点や唐突な物語の幕開けは惜しいが、試行錯誤を促す絶妙な難易度が最高の中毒性を生む!
→ レビューを読むPC Gamer (pc) — 82
口汚い主人公は相変わらずだが、ゲーム体験は圧倒的だ!フックショットやパラシュートを駆使し、驚異的な高低差に満ちたThe WallやTurquoise Dawnを探索する喜びは計り知れない。厄介な野生生物の存在は少々興醒めだが、メトロイドヴァニア的探索と純粋なステルスの融合が見事に結実した傑作である。
→ レビューを読む
低評価
SteamDeckHQ (pc) — 50
野心ばかりが肥大化し、シリーズの長所を完全に殺してしまった。アニメーションの硬直や入力遅延により移動の爽快感は皆無で、不安定なAIが理不尽な発見判定を引き起こす。Steam Deckでのパフォーマンスも致命的で、深刻なフレーム低下と度重なるクラッシュが待ち受ける。洗練を欠いたフラストレーションの塊だ。
→ レビューを読むGamingBolt (playstation-5) — 70
クリエイティブな暗殺は健在だが、不自然極まりない敵AIが世界観を削ぐ。隠れ場所から理不尽に引きずり出されたかと思えば、少し位置をずらすだけで見逃される挙動は滑稽だ。また、序盤の過酷な素材不足に加え、探索の要となるグラップリングフックなどの解禁が遅すぎる点も、プレイの自由度を不当に縛り付けている。
→ レビューを読むGameMAG (playstation-5) — 70
サンドボックス型ステルスは光るものがあるが、低予算ゆえの粗雑さが随所で悪目立ちする。飛行船の不格好なアニメーションや無残な出来栄えの昆虫ボス戦、そして大量のバグ群は、まるで未完成のアーリーアクセス版を遊ばされているかのようだ。品質管理の甘さが本作のポテンシャルを完全に台無しにしている。
→ レビューを読む
まとめると
- 見つかったら即死レベルの純粋なステルスゲームで、『Thief』や『Dishonored』が好きな人には刺さる
- 3つの巨大マップは驚異的な高低差を持ち、グラップリングフックやグライダーを使った立体的な探索が楽しい
- クォーツとアンバーによる多彩な能力で、環境を活かしたクリエイティブな暗殺が可能
- 主人公スタイックスのブラックユーモアたっぷりなキャラクター性は魅力的
- 正面戦闘のシステムが非常にぎこちなく、ロックオンの仕様にストレスが溜まる
- 全体マップがなく、広大な立体マップでの探索やバックトラッキングが面倒
- フレームレート低下やクラッシュなど技術的な不安定さが目立つ
- 前作未プレイだとストーリーについていけない可能性が高い
- 敵AIの挙動には賢さと間抜けさが混在しており、評価が分かれている
- 便利な移動ツールの解放が遅く、序盤の自由度が制限されている
製品情報
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| タイトル | Styx: Blades of Greed(スタイックス:ブレード・オブ・グリード) |
| ジャンル | ステルスアクション / イマーシブ・シム |
| 発売日 | 2026年2月20日 |
| 対応機種 | PC / PlayStation 5 / Xbox Series X |
| プレイ人数 | 1人 |










