2026年2月19日に発売の『パラノマサイト FILE38 伊勢人魚物語』のメディアレビューが公開されMetacriticのメタスコアが集計されました。このページではMetacriticへ寄稿された『パラノマサイト FILE38 伊勢人魚物語』に対する海外ゲームメディアのレビューを翻訳してまとめています。
全体的に好意的な評価が集まっており、メタスコアは80代半ばの良作ラインに着地しています。伊勢志摩の伝承を練り込んだ重厚なミステリーが光る一方、操作性や序盤のテンポには辛口な声も。購入の参考になれば幸いです。
伊勢の海に沈む、極上のミステリー体験
この『パラノマサイト FILE38 伊勢人魚物語』は、前作『パラノマサイト FILE23 本所七不思議』のミステリー体験をさらに進化させた続編です。伊勢志摩の海女文化と人魚伝説を土台にした物語は、複数の登場人物の視点を行き来しながら真相を紐解いていく、かなり骨太な構成になっています。
スコアは80代半ばで、全体的には「良作」という評価ですね。ストーリーテリングの巧みさやメタフィクション的な仕掛けには絶賛の声が多い一方、Switch版の操作性やトゥルーエンドへの導線には厳しい指摘もあります。手放しで神ゲーとは言えませんが、ミステリー好きなら間違いなく刺さる一本だと思います。
「編み込まれた物語」がとにかく秀逸

本作で最も評価されているのは、非線形のストーリーテリングです。複数の主人公の視点を切り替えながら進めていくんですが、あるルートで手に入れた情報が別のルートの鍵になるという構造がミステリーと完璧に噛み合っています。「編み込まれた視点とストーリーの糸のねじれた大きな物語」なんて表現をしているレビュアーもいるくらいで、この仕組みが生む達成感はかなりのものかもしれません。
「回想」というシステムも好評で、ストーリーチャート上で過去のタイムラインにジャンプして、別の視点から出来事に介入できます。自力でパズルのピースをはめていく感覚は、あるレビュアーが言うように「映画『ナイブズ・アウト』レベルの勝利の満足感」を味わえるとのこと。
伊勢志摩の空気をまるごと詰め込んだ世界観

舞台となる架空の離島「亀島」は、伊勢湾に浮かぶ実在の神島がモデルになっています。島民全員が顔見知りという閉鎖的なコミュニティの中で、海女文化や人魚の伝説がゲームの仕組みそのものに深く組み込まれているのが見事です。
ゲーム内の「資料」は単なるおまけテキストではなく、謎解きに直結する手がかりとして設計されています。読み込めば読み込むほど面白くなる。「私がビデオゲームを愛する理由はこれだ」と語るレビュアーもいて、刺さる人には本当に刺さる作品ですね。
360度見回せる探索システムも印象的で、実写風のリアルな背景とアニメ的に誇張されたキャラクターのコントラストが「不気味の谷」のような奇妙な魅力を生んでいます。背後にキャラクターが忍び寄るようなホラー演出もシームレスに組み込まれていて、油断できません。
UIそのものが仕掛けになっている

前作で高評価を得たメタフィクション的な仕掛けも健在です。資料やシステムUIそのものが伏線やプレイヤーへの問いかけとして機能するので、「ビデオゲームとは何かという概念をもてあそぶ」ような驚きが随所に散りばめられています。前作のホラー路線から一転して、愛や喪失、罪悪感にフォーカスした感情描写が前面に出ており、「ミステリーと感情の酔いしれるような醸造」という表現がぴったりかもしれません。
ちょっと注意点があります
Switch版の操作がかなり煩雑
最も目立つ不満は操作性です。もともとタッチスクリーン向けに設計されているため、Switchのドックモード(TVモード)でプレイすると、キャラクターの顔にカーソルを合わせてAボタンを押すという操作が非常に煩わしくなります。長い会話シーンでは「苦痛」とまで言われていますね。Switch 2でのマウス操作にも非対応で、一部のクリック判定がシビアすぎてフラグが立たないバグのような挙動も報告されています。
序盤のテンポが重い
序盤の数時間は、伊勢の伝説や神話、専門用語の説明が怒涛のように押し寄せてきます。「情報の猛攻」「ほとんど苦痛なレベル」という声もあり、物語が本格的に動き出すまでの忍耐が求められるのは覚悟しておいたほうがいいかもしれません。終盤の怒涛の展開と比べるとテンポの差が大きいですね。
トゥルーエンドへの道が険しすぎる
トゥルーエンドに到達するための条件がかなり不親切で、視覚的なヒントがほぼありません。同じヒントが2回提示されるだけで、プレイヤーは総当たりで全チャプターを探し回ることになります。また、テキスト入力で推理する場面では一字一句正確なつづりを要求されるため、正解がわかっていてもシステムに弾かれてテンポを削がれることも。
好みが分かれるポイント
ボイスがないのは良いのか悪いのか
本作にはキャラクターボイスが収録されていません。「感動的なシーンでは声優の演技がほしかった」という声がある一方で、多くのレビュアーはテキストベースだからこその良さを主張しています。自分のペースで読み進められること、BGMや効果音が声の代わりに感情を伝えてくれること。ボイスなしでもちゃんと成立しているという評価が多数派ですね。
海女のダイビングミニゲーム、必要?
海を泳いで海洋生物を採取するダイビングミニゲームについても意見が割れています。重厚な本編の息抜きとして好意的に捉える声がある一方、「ストーリーから浮いている」「12時間のプレイのうち1時間弱しか使わないのにシステムとして中途半端」という指摘も。ただし、後半でこのミニゲームに対するプレイヤーの認識を見事に裏切るメタ的な仕掛けがあるらしく、そこまでたどり着けば印象が変わるかもしれません。
メディアレビュー紹介
高評価メディア
Digitally Downloaded (pc) — 100
前作を見事に継承した、ページをめくる手が止まらなくなる文学的傑作である。日本の「人魚」伝説や伊勢志摩の地域伝承を深く掘り下げ、複雑に交差するタイムラインが謎解きの快感を極限まで高めている。360度カメラでの調査や、深い考察を求める難解なパズルも秀逸で、間違いなく最高峰のホラーミステリーだ。
→ レビューを読むNoisy Pixel (pc) — 95
前作よりもさらに深く、暗い淵へとプレイヤーを引きずり込む傑作である。伊勢志摩の海女文化に根ざした呪いの描写が秀逸で、複雑なタイムライン操作とバッドエンドからの試行錯誤が圧倒的な没入感を生む。語り部の再登場や、音声を用いずテキストと秀逸なBGMに語らせる演出が、プレイヤーの想像力を極限まで刺激してやまない。
→ レビューを読むVooks (pc) — 90
視点が複雑に交錯する非線形のストーリーテリングが完璧に機能した驚異的な作品だ。亀島を舞台に、トモカヅキの伝承や海女ダイビングの要素が謎解きに深く絡み合う。UIやミニゲームまでもが物語の演出として極限まで活用されており、睡眠時間を削ってでものめり込んでしまうほどの凄まじい引力を持っている傑作である。
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低評価メディア
Console Creatures (pc) — 90
物語自体は優れているが、前作の恐怖体験を期待すると完全に肩透かしを食う。舞台が亀島に移ったことで、ホラーから展開の遅いミステリーへとトーンが急変しており強烈な違和感を覚える。海女のミニゲームは悪くないものの、純粋な恐怖とテンポを求めるプレイヤーには、この冗長な進行がただの苦痛にしか感じられないだろう。
→ レビューを読むPocket Tactics (pc) — 90
世界観の構築に力を入れるあまり、序盤の展開が驚くほど遅く、プレイヤーに苦痛すら与える作りだ。日本の神話や伝承、用語などの膨大な情報が容赦なく押し寄せるため、テンポの良さを求める者には耐え難い。真の魅力が開花するまでに長大な忍耐を強いるこの構成は、手放しで賞賛できるものでは決してない。
→ レビューを読むSiliconera (pc) — 90
本作の最大の欠陥は、未回収のまま放置された無数の伏線だ。真の結末を見なければ物語は完結しないが、そこへ至る視覚的なヒントが一切存在しない。海をくまなく探索し、全会話を尽くしても同じヒントが繰り返されるのみである。プレイヤーを理不尽に迷子にさせるこの不親切な導線には、強い憤りを覚えざるを得ない。
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まとめると
- 複数視点を切り替えて真相を紐解く非線形ストーリーテリングが最大の魅力
- 伊勢志摩の海女文化・人魚伝説をゲームの仕組みに深く組み込んだ世界観が秀逸
- メタフィクション的な仕掛けやUI演出に前作を超える驚きがある
- 前作のホラー路線から感情描写重視の「超常現象アドベンチャー」に進化
- Switch版のドックモードでの操作性に大きな課題あり
- 序盤のテンポが非常に遅く、情報量の多さに圧倒される
- トゥルーエンドへの導線がほぼノーヒントで理不尽
- ボイス未収録やダイビングミニゲームの是非は好みが分かれる
製品情報
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| タイトル | パラノマサイト FILE38 伊勢人魚物語 |
| ジャンル | 青春群像伝奇ミステリー |
| 発売日 | 2026年2月19日(Steam版は2026年2月20日) |
| 対応機種 | Nintendo Switch / Steam / iOS / Android |
| 開発・発売元 | スクウェア・エニックス |
| CERO | C(15歳以上対象) |
| 販売形態 | ダウンロード専売 |










