2026年2月に発売の『The Sims 4: Royalty & Legacy』のメディアレビューが公開されMetacriticのメタスコアが集計されました。このページではMetacriticへ寄稿された『The Sims 4: Royalty & Legacy』に対する海外ゲームメディアのレビューを翻訳してまとめています。
スコアは70代半ばで、評価としては賛否がきれいに分かれる結果となりました。王朝システムや大舞踏会でのスキャンダル暴露といった宮廷ドラマ要素は確かに楽しいものの、過去パックからのシステム流用感や貴族キャリアの単調さなど、気になる点も同じくらいあるようです。購入の参考になれば幸いです。
華やかな宮廷劇の裏に、ちょっとした物足りなさが見え隠れする
この『The Sims 4: Royalty & Legacy』は、一族の権力闘争や秘密の暴露といったドロドロの宮廷ドラマを楽しめる拡張パックです。新しいワールド「オンダリオン」の美しさや、世代を超えた愛憎劇を自分の手で作り出せる王朝システムは確かに魅力的ですね。
ただ、スコアが示すように評価はかなり割れています。ダイナスティの仕組みが過去パックのクラブ機能に似ていたり、貴族キャリアが拍子抜けするほど簡単だったりと、長年のシリーズファンほど新鮮味を感じにくい作りになっているかもしれません。良いところと惜しいところが同じくらいある、そんな拡張パックです。
王朝システムと大舞踏会が生み出す、止まらないドラマ
目玉の王朝(ダイナスティ)システムは、過去数年で最も強力な追加要素の1つと言われています。紋章や一族の価値観をカスタマイズして、「完璧な後継者」と「一族の厄介者」を自然と生み出していく流れがとても面白い。掟を破ったシムが追放者になると家族全体に悪運が降りかかるなんていう仕掛けもあって、行動一つひとつに緊張感が出てきます。
『ゲーム・オブ・スローンズ』のような権力闘争から『ダック・ダイナスティ』のような型破りな一族まで自由に作れるとのこと。自由度はかなり高いようですね。
大舞踏会でのスキャンダル暴露も見どころで、秘密を暴露した瞬間に周囲のシムたちの頭上に一斉に吹き出しが現れて、対象者の評価がガクッと落ちるのはなかなか気持ちいい体験だそうです。
美しすぎる新ワールド「オンダリオン」
新ワールド「オンダリオン」は、これまでのパックの中でも最高傑作の1つと評されています。イタリア風のベラコルド、海賊の歴史を持つポルトガル風のヴェルデマール、西アフリカの文化を取り入れたダンベレというまったく異なる3つの地区で構成されていて、景観の多様さと美しさは文句なし。
新しい区画タイプ「バックルーム」も面白くて、昼間は図書館やジムとして使えるのに、夜になると照明が落ちて隠れ家風のナイトクラブに切り替わるという仕掛けになっています。
シリーズファンにとっては嬉しいことに、モンティ家やキャップ家といった象徴的なライバル一族が復活し、ゴス家やランドグラーブ家にもダイナスティが設定されました。過去の拡張パックに散らばっていたキャラクターの家系図がようやく正しく繋がり、「シリーズ史上最大のクロスオーバー」としてファンを喜ばせています。
おとぎ話的なギミックとCASのこだわり
CAS(キャラクタークリエイト)や建築アイテムにも光るものがあります。特筆すべきはドレスの「コルセット」で、着用するとシムの姿勢やバストの形状まで物理的に変化するというこだわりが絶賛されています。秘密の通路は通路間のテレポートができるだけでなく、「ウフフなこと」や「死」の場所としても機能するという多目的ぶり。
さらに、キスすると王子様になるカエルの恋人や、抜くと貴族になれる石に刺さった剣、真実を映す魔法の鏡など、おとぎ話的なギミックも豊富に用意されています。「夫が廊下で飲み物を作っている間に、ルームメイトのカエルの恋人が私が死神とキスしているのを目撃した」なんていう、シムズらしいカオスが日常的に起こるようですね。
ただ、手放しでは喜べないところも多い
「どこかで見たことがある」感が拭えない
最も厳しい批判を浴びているのが、新システムの多くが過去パックの焼き直しだという点です。ダイナスティは『Get Together』のクラブ機能を少し変えただけ、スキャンダルは『For Rent』の秘密システムとほぼ同じ、貴族の社会的地位は『Get Famous』のセレブシステムの置き換え…と、ベテランプレイヤーからは辛辣な声が上がっています。
建築アイテムのモデリングも既存パックからの流用が目立つそうで、長く遊んでいるほど「あれ、これ前にも見たような…」という既視感を覚えてしまうかもしれません。
貴族キャリアが簡単すぎて達成感がない
権力の頂点を目指すはずの貴族キャリアですが、玉座を買って家に置くだけで即座に就けてしまうのはさすがに拍子抜けです。特別な試練もなく毎日高収入が得られるので、ゲーム的なやりごたえが完全に抜けています。
しかも仕事内容の多くがラビットホール(画面外処理)で、学校の視察や領地訪問もシムが建物に消えるのを外で見ているだけ。「何もしなくてもドアや窓からお金が入ってくる。現実でもこうならいいのに」というレビュアーのコメントが、この物足りなさを端的に表していますね。
子供向けアイテムの少なさは惜しい
きらびやかなドレスや王冠が豊富に用意されている一方で、乳児や幼児向けの衣装がほとんどないのは大きな見落としです。「継承」をテーマにしたパックなのに、次の世代を担う子供たちを王子や王女に着飾らせることができないのは、ちょっと不自然な気がしますね。衣装の柄やパターンの種類が限られているという不満も挙がっています。
「どんな貴族を期待するか」で評価が真っ二つに割れる
テーマの方向性:中世ファンタジーか現代の貴族か
このパックの評価が最も分かれるのが、描かれる「貴族」の方向性です。『ブリジャートン家』のような社交界のドラマとして見れば、現代的な世界観とよくマッチしていて美しいという声があります。パステルピンクの家具や藤のツルを使った「コテージコア」な建築も好意的に受け止められています。
一方で、過去作『The Sims Medieval』のような巨大な城やダークな中世ファンタジーを期待していた層からは、「スケールが小さい」「現代社会での王室なんて、形骸化した存在をシミュレートする意義が薄い」と失望の声が目立ちます。あるレビュアーは「イギリスの現実の王室が教えてくれたことがあるとすれば、それは現代社会における無関係さの教訓にすぎない」と皮肉っていました。どちらかといえば否定派の声が強い印象です。
既存パック所持者ほど辛口になるコスパ問題
拡張パックのフルプライスという価格設定も議論の的になっています。あまりシリーズを拡張してこなかったプレイヤーにとっては、クラブ機能や名声機能のいいとこ取りができるお得なパックだと絶賛されています。しかし、すでに『Get Together』や『For Rent』などの関連パックを持っているコアプレイヤーからすれば、「持っているシステムを見た目だけ変えて定価で売りつけられている」と感じてしまうようです。
剣術スキルの成長が遅すぎる問題
新スキル「剣術」のトレーニングダミーでの練習や剣術トーナメントでの決闘は、テーマに合った楽しい要素として一定の評価を得ています。ただし、シムがすぐに疲労困憊して練習を拒否するため、低レベル帯のスキル上げが非常に退屈で時間がかかるという不満も。アクション自体も単調で、昇進や変化を起こすために「現実時間で何時間も」反復操作を繰り返さなければならないのは少々つらいところです。
メディアレビュー紹介
高評価
Screen Rant (pc) — 90
「ダイナスティシステム」が家族関係や名声を極限まで高める、ここ数年で最高の拡張パックだ。ゴシップやゆすり、秘密の暴露によるドラマは『ブリジャートン家』のファンも驚くほどスリリングである。魔法の鏡や石に刺さった剣、隠し通路といったアイテムも素晴らしく、完璧なプリンセスファンタジーを堪能できる。
→ レビューを読むKeenGamer (pc) — 90
美しき新ワールド「Ondarion」を舞台に王冠を巡る権力闘争が楽しめる、野心的で魅力的な傑作だ!高報酬の「貴族キャリア」や、剣術トーナメント、豪華絢爛な大舞踏会などの新要素がプレイヤーを王族の生活へと没入させる。複雑に見えるダイナスティ構築も驚くほどスムーズで、無限の物語を生み出す神拡張である。
→ レビューを読むGameliner (pc) — 80
家族ゲームプレイに深みと緊張感をもたらす「ダイナスティ」は長年シリーズに欠けていた物語性を復活させる傑作システムだ!ゴス家などの象徴的な家族の伝承が遂に修復された点も熱い。新エリア「Ondarion」の多様性も素晴らしいが、貴族キャリアの難易度が低すぎる点や、若年層向けの衣装不足は少々惜しい。
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低評価
KonsoliFIN (pc) — 60
美しい衣装やスキャンダルの要素は楽しいものの、全体的に物足りなさが残る。玉座を買うだけで就ける「貴族キャリア」は単調でお金が手に入るだけであり、ダイナスティ機能も過去のクラブ機能の焼き直しに過ぎない。ペットをダイナスティに組み込めないという『シムズ』らしからぬ仕様の欠落も非常に不可解である。
→ レビューを読むScreenHub (pc) — 60
現代の王族というテーマ自体が中途半端であり、『The Sims Medieval』のような重厚なファンタジーを期待すると肩透かしを食う。ダイナスティの価値観システムや大舞踏会でのスキャンダル暴露は面白いが、貴族キャリアの多くがラビットホール(姿が見えなくなる仕様)なのは重大な機会損失である。
→ レビューを読むSIFTER (pc) — 65
新エリアの建築や衣装は非常に美しいが、拡張パックとしての価値があるかは疑問だ。スキャンダルは『For Rent』の秘密機能、ダイナスティは『Get Together』のクラブ機能の表面的なリスキンに過ぎない。進行も遅すぎ、カエルにキスできる仕様とドレスの精密な描写だけが唯一の救いである。
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まとめると
- 王朝(ダイナスティ)システムは一族の権力闘争や追放といったドラマを生み出す強力な仕組み
- 大舞踏会でのスキャンダル暴露は手触りが良く、宮廷劇ファンにはたまらない
- 新ワールド「オンダリオン」は3つの文化圏を融合した美しい景観で、シリーズ屈指の完成度
- シリーズの世界観がようやく統合され、象徴的な一族やキャラクターの家系図が正しく繋がった
- CASのコルセット表現や秘密の通路、おとぎ話的ギミックは芸が細かい
- ダイナスティやスキャンダルは過去パックの既存機能の焼き直し感が否めない
- 貴族キャリアは玉座を買うだけで就けてしまい、ゲーム的な手応えがほぼない
- ラビットホール依存で、統治者として直接介入できる場面が少ない
- 「継承」がテーマなのに子供・幼児向けアイテムがほとんど用意されていない
- 中世ファンタジーを期待すると方向性の違いに肩透かしを食う
- 既存パック所持者ほどコストパフォーマンスに疑問を感じやすい
製品情報
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| タイトル | The Sims 4: Royalty & Legacy |
| ジャンル | ライフシミュレーション(拡張パック) |
| 発売日 | 2026年2月 |
| 対応機種 | PC |










