2025年9月25日に発売の『Hades II』のメディアレビューが公開されMetacriticのメタスコアが集計されました。このページではMetacriticへ寄稿された『Hades II』に対する海外ゲームメディアのレビューを翻訳してまとめています。
メタスコアは90代半ばと、ほぼ満点に近い驚異的な評価となっています。前作の完成度をさらに超える正統進化の続編として、各メディアから圧倒的な支持を受けている一本です。購入の参考になれば幸いです。
冥界の王女が紡ぐ、「死んで覚える」の最高到達点
この『Hades II』は、前作で確立されたローグライトの金字塔をさらに磨き上げ、すべてのスケールを「三乗」にまで引き上げた怪物的な続編です。主人公メリノエの物語は前作のザグレウスよりもはるかに重厚で、生まれた時から家族を奪われた彼女の宿命は、プレイを続ける強烈なモチベーションになっています。マナ管理を軸にした魔術的な戦闘、2つの進行ルートによる圧倒的なボリューム、そして行動と連動するインタラクティブな音楽――どれをとっても最高峰の完成度だと思います。
ただ、前作のシステムを「拡張」しているのは間違いないんですが、ジャンルそのものを再定義するほどの革新性があるかと言われると、そこはちょっと微妙かもしれません。一部のエリアがやや冗長に感じられる場面もあります。とはいえ、それらの小さな引っかかりを差し引いても、本作がローグライトの頂点に君臨する作品であることは疑いようがないですね。
「冷徹な計算」で敵を処理する、魔女ならではの戦い方が気持ちいい
前作のザグレウスは敵陣に突っ込んで火力で蹂躙する「突進型」のアクションでしたが、メリノエはまったく違います。マナを消費して放つ「Ω技」や、敵の動きを封じる「魔陣」を駆使する戦術的な戦い方が求められます。「盲目的な怒りではなく、冷徹な計算で敵を処理する」というレビュアーの表現がまさにぴったりで、位置取りやタイミングを考えながら冷静に敵を倒していく手触りは、前作とはまったく別の中毒性がありますね。
武器のバリエーションも豊富で、高速近接の姉妹刀「リムとオロス」、魔法主体の杖「デスキュラ」、投擲系の「イグニウム」や爆弾系の「ラヴァール」など、それぞれがまったく違った操作感を持っているのがすごいです。しかもこれらの武器は「アスペクト」で性能が変わり、たとえば杖をタナトスのアスペクトにすると前作の死の化身が使っていた大鎌に変形したりします。ここに神々から授かる「功徳」が加わることで、ビルドの組み合わせは実質的に無限。「ローグライクのマタタビ」というレビュアーの表現がぴったりの、本当にやめどきが見つからない中毒性です。
2つのルートが生んだ、「飽きさせない」ための最適解
本作の大きな特徴のひとつが、地下のタルタロスと地上のオリンパスという2つの進行ルートの存在です。それぞれに固有のボス、敵、ストーリーラインが用意されていて、実質的にゲームのボリュームが倍増しています。
これが何より嬉しいのは、ローグライト特有の「同じルートを何度も繰り返す疲れ」を見事に解消してくれること。片方のルートで手強いボスに詰まったら、もう一方に切り替えて気分転換とリソース稼ぎができます。前作がジャンルの公式を「二乗」したとすれば、本作はそれを「三乗」にしたという評価は伊達じゃないですね。
メリノエという主人公の「重さ」が、物語を力強く引っ張る
前作のザグレウスが「反抗期の家出少年」だったのに対して、メリノエは赤子の頃に時のタイタン・クロノスによって家族を奪われ、その奪還を宿命として背負って育てられた冥界の王女です。「すでに持っている家族を拒絶する」ザグレウスの物語よりも、「最初から家族を持ったことがない」メリノエの物語のほうがずっと切実で、感情移入しやすいという声が多いですね。
道中で出会う神々のキャラクターデザインも独創的で、月明かりを纏い青白い馬に跨るセレーネ、車椅子に乗りヨークシャー訛りで話すヘファイストス、白斑の肌を持つヘスティアなど、神話を踏まえつつも現代的で多様性のある解釈が光っています。「王女メリノエ自身が神話の呪文でこの傑作に命を吹き込んだかのようだ」というレビュアーの一文が、本作の雰囲気をよく伝えていると思います。
ボスを倒すとBGMが変わる、「手作りの狂気」
Darren Korbによる音楽も特筆すべきポイントです。特定のボス戦で敵のバンドメンバー(ドラマーなど)を倒すと、BGMからベースやボーカルのパートが消えていくという仕掛けがあって、最終的にはアカペラ状態で戦闘が進行します。深層へ進むにつれてセイレーンの歌声が近づいてくる演出なんかも含めて、ゲームプレイと音楽がシームレスに連動するこだわりは、ちょっと他のゲームでは味わえない体験ですね。
ちょっと気になるところもあります
一部エリアのテンポがもたつく
探索要素の増加に伴ってダンジョンの各エリアが広くなっているんですが、一部のゾーンは通り抜けるのに不必要に長く感じられる構造になっています。ローグライトの醍醐味であるテンポの良いランの進行が、ところどころで阻害される場面があるのは少し残念。前作のサクサク進む部屋移動のテンポが好きだった人は、ちょっと気になるかもしれません。
前作を超える「革新」はあるのか
前作『Hades』はローグライトというジャンル全体を再定義するほどの衝撃がありました。本作はそのシステムを最高峰の完成度でスケールアップさせていますが、ゲームの根本的な枠組み自体は前作に強く依存しているのも事実です。「すべてのパーツが新しくなっているのに、なぜか前作とまったく同じに感じられる」――あるレビュアーが語った「テセウスの船」の比喩が印象的で、前作ほどの構造的なインパクトまでは持ち合わせていないという指摘は一理あると思います。
「情報量が多すぎる?」それとも「丁寧な導線?」
本作では魔札、掌握、大釜でのクラフト、素材採集ツール、予言リストなど、前作以上に多くのシステムが導入されています。この情報量に対する受け止め方がレビュアーの間で分かれていますね。
肯定的な意見としては、「目標リストに沿って少しずつ自然に導入されるので混乱しない」という声があります。一方で、「序盤から多様なシステムが密集して提示されるため、複雑すぎて圧倒されてしまう」という指摘も。情報量に対する許容度は人によるところが大きいかもしれません。
さらに戦闘面では、前作の爽快な突進型アクションに慣れたプレイヤーにとって、マナの回復を待ったり魔陣を設置したりする「待ち」の時間が最初は戸惑うかもしれません。ただ、「メリノエのように考える」ことができるようになると評価が一変するという声が大勢を占めていて、単なる前作の焼き直しを避けて本作独自のアイデンティティを確立することに成功していると高く評価されています。
メディアレビュー紹介
高評価
Loot Level Chill — 100
主人公メリノエとして時のタイタン・クロノスに挑む本作は、死を愛することから始まる傑作だ。神々の恩恵(Boon)やアルカナカードが織りなすビルド構築の奥深さは無限の可能性を秘めている。息を呑むほど美しいアートワークと声優陣の熱演が彩る冥界の探索は、まさに魔法のようにプレイヤーを魅了してやまない!
→ レビューを読むNoisy Pixel — 100
前作の成功に安住せず、魔力を駆使するオメガ攻撃や夜の武具(Nocturnal Arms)という新システムで独自のアイデンティティを確立した比類なき続編だ。アルカナやクラフト要素による成長の実感は圧倒的で、透明性のあるボスの攻撃予兆も見事。ローグライトの金字塔をさらに高く打ち立てた歴史的な名作である!
→ レビューを読むEurogamer — 100
血の気の多いザグレウスとは対照的に、ヘカテに育てられたメリノエの知的で戦略的な戦闘スタイルが最高にクールだ。マナを消費するオメガ攻撃やタロットがもたらす戦術性は前作を凌駕する。地下のクロノス討伐に加え、オリンポス山への別ルートまで用意され、底無しに広がる冥界の探索はまさに魔法のような体験である。
→ レビューを読む
低評価
GAMINGbible — 100
前作で愛着を持ったザグレウスやタナトスらがクロノスに封印され、彼らとの関係性を深められない点は容認しがたい喪失感をもたらす。新たな拠点「交差点」は用意されているものの、前作のハデス邸で培われた家族的な温もりは奪われてしまった。完璧な戦闘システムの裏で、かつての仲間を失った空虚さは拭いきれない。
→ レビューを読むTheGamer — 100
神の恩恵を組み合わせる奥深い戦闘や、メリノエの重厚な物語は確かに見事だ。しかし、前作がローグライトというジャンルそのものを再定義したほどの革新性と比較すると、本作は既存の枠組みの拡張に留まっている。武器や呪文が複雑化しているものの、前作が与えた根源的な衝撃や新鮮味を欠いている点は明確な弱点だ。
→ レビューを読むEurogamer — 100
メリノエの魔術師という設定ゆえか、序盤の打たれ弱さはストレスの温床だ。ザグレウスのような爽快な突撃を期待すると、マナ管理やオメガ攻撃のチャージ時間にフラストレーションが溜まる。別ルートの導入で誤魔化してはいるものの、ローグライト特有の徒労感や、一度の選択でビルドが崩壊する理不尽さは明白な欠点だ。
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まとめると
- 主人公メリノエの宿命を軸にした物語は前作よりも重厚で、プレイを続ける動機として非常に強力
- マナ管理と「Ω技」「魔陣」を活かした戦術的な戦闘が、前作とはまったく異なる中毒性を生んでいる
- 武具×功徳×アスペクトの組み合わせによるビルド構築の自由度が圧倒的
- 地下と地上の2ルート構成がローグライト特有の反復疲労を見事に解消している
- ボス戦で敵を倒すとBGMのパートが変化するなど、音楽とゲームプレイの連動が秀逸
- 拠点「辻の郷」での採集・クラフト・交流がゲームサイクルに生活感と目的を与えている
- 一部エリアのテンポがもたつく場面がある
- 前作の枠組みに依存しており、ジャンルを再定義するほどの革新性には欠ける
- 序盤に多数のシステムが一気に導入されるため、情報量に圧倒される可能性がある
製品情報
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| タイトル | Hades II(ハデス II) |
| ジャンル | ローグライトアクション |
| 発売日 | 2025年9月25日 |
| 対応機種 | PC / Nintendo Switch 2 / Nintendo Switch |
| 開発 | Supergiant Games |










