2025年10月7日に発売の『スター・ウォーズ:ビヨンド・ビクトリー』のメディアレビューが公開されMetacriticのメタスコアが集計されました。このページではMetacriticへ寄稿された『スター・ウォーズ:ビヨンド・ビクトリー』に対する海外ゲームメディアのレビューを翻訳してまとめています。
残念ながら今回のスコアはかなり厳しい結果となっており、特にゲームの目玉であるポッドレースの設計に対して批判が集中しています。一方で、スター・ウォーズファンの心をくすぐる要素もゼロではありませんので、良い点・悪い点の両方を紹介していきます。購入の参考になれば幸いです。
ポッドレースなのに、コクピットに座れない
この『スター・ウォーズ:ビヨンド・ビクトリー』は、Meta Quest 3のMR(複合現実)機能を活用して、自分の部屋にスター・ウォーズの世界を出現させるという野心的なVR/MRゲームです。ただ、肝心のポッドレースをテーブルの上から見下ろす形式にしてしまったことが致命的で、レースゲームとしての根本が成り立っていません。
VR空間で描かれるストーリーパートや、フィギュアを自由に配置できる「プレイセットモード」には光る部分もあるのですが、それだけではゲーム全体を支えきれていないというのが正直なところ。スター・ウォーズのIPを使いながら、ファンが一番やりたかった「コクピットに座って爆速で飛ぶ」体験を提供しなかったのは、かなり痛い判断だったと思います。
テーブルの上のポッドレースは、もはやレースじゃない
本作最大の問題は、ポッドレースの視点がコクピットではなく、部屋に出現したホロテーブルを上から見下ろすMR視点で行われることです。ミニチュアの機体をラジコンのように操作するのですが、テーブルの端が描画距離の限界になってしまうため、数センチ先のコース展開すら見えません。
急なカーブや障害物が直前まで分からないので、「運任せか、コースを丸暗記するしかない」というのがレビュアーたちの嘆き。機体の挙動も「フワフワ(floaty)」していて、予期せぬ障害物にぶつかるとすぐに爆発してしまいます。スピードの爽快感よりも、理不尽なストレスが上回ってしまっているんですね。
VRとMRの切り替えが唐突すぎる
ストーリーを進めていると、屋内での会話やガレージ修理(一人称VR)と、レースや屋外移動(見下ろし型MR)が脈絡なく頻繁に切り替わります。「自室の居間にいたかと思えば、突然セブルバのいるVRのガレージに放り込まれる」といった具合で、レビュアーはこの仕様を「jarring(極めて不快)」と表現しています。
せっかく高品質なVR空間を作り込んでいるのに、この唐突な視点切り替えが雰囲気をブツ切りにしてしまっている。もったいないとしか言いようがありません。
修理もアーケードモードも、中身がスカスカ
VR空間でのガレージ修理は、指定された箇所にツールを当てるだけの単純作業(busywork)。パズルとしての面白みや深みがなく、しかもツールが出現しない・パーツの取り付け判定が認識されないといった進行不能バグも報告されています。
「アーケードモード」も4コースの使い回しで、リーダーボードのタイムを競う以外にリプレイ性がありません。レースの操作性が劣悪なこともあって、数回走るだけですぐに飽きがくるかもしれません。「プレイセット用アイテムをアンロックするための苦痛な作業」と酷評するレビュアーもいるほどです。
マップ移動すら迷子になる
アイソメトリックビューでの移動も分かりづらく、自分の現在地と進行方向を見失いやすい仕様になっています。ガレージからソーナのスタジオへ向かうような単純な移動でさえ、画面に表示される矢印のナビゲーションがないと目的地にたどり着けないことも。「出来の悪いモバイルゲームから持ってきたような操作感」という手厳しい声もあります。
ただ、光る部分もある
「デジタルおもちゃ箱」は本物の魔法だった
批判が多い本作ですが、「プレイセットモード」だけは別格の評価を受けています。キャンペーンやレースでアンロックしたアクションフィギュアや機体を、自分の部屋のMR空間に自由に配置できるモードで、多くのレビュアーが「デジタルおもちゃ箱(digital toybox)」と呼んでいます。
ダース・ベイダーやR2-D2のフィギュアの関節を動かしてポーズをとらせたり、実物大にしてリビングに立たせたり、逆に極小サイズにして机に並べたり。「床に座ってアンロックしたおもちゃで遊ぶ、子供時代の驚異的な感覚」を見事に捉えていると表現されていて、本作最高のハイライトです。ただし、Quest 3のメモリ制限により大量に配置すると処理落ちしてしまう点は注意が必要ですね。
ストーリーと声優の演技は期待以上
帝国支配下の時代を舞台に、親友を亡くした若きポッドレーサー「ヴォロ・ボラス」がセブルバの陰謀に巻き込まれていく「アドベンチャーモード」の物語は予想以上に引き込まれます。壮大な銀河の運命ではなく、一人の若者の喪失と成長に焦点を当てた地に足の着いたストーリー。ヴォロ役のFin ArgusやコメディアンのBobby Moynihanなど、声優陣の演技が秀逸で、ダークなユーモアとシリアスなドラマのバランスを見事に支えています。
VR空間でのガレージ探索シーンは『Vader Immortal』に匹敵する完成度との評価もあり、世界観の作り込みは本物です。
MRで遊ぶポッドレースは「革新」か「余計なお世話」か
本作の根幹である「MR技術を使って、現実の部屋にホロテーブルやジオラマを出現させる」というコンセプト自体について、評価が割れています。ただし、全体としては否定派が圧倒的多数。
肯定派は、Quest 3のパススルー機能を活かした新しい遊び方として評価しており、「LEGOブロックを遊ぶ脳の領域を刺激する」という表現も。部屋のサイズに合わせてゲーム盤を自在に拡大縮小できる柔軟性を「魔法のよう」と称賛し、精巧なジオラマを間近で覗き込む感覚は従来のVRにはない新鮮な体験だと主張しています。
一方、否定派はこのMR体験を「不要なギミック」「VR界の汚点」と辛辣に切り捨てています。「なぜポッドレーサーのコクピットに座らせてくれないのか?」というフラストレーションが爆発しており、ファンが求めているのは完全な一人称VR体験であって、自室の床でラジコンを走らせることではないと。題材(超高速のポッドレース)とフォーマット(見下ろし型MR)の致命的なミスマッチだと嘆いています。「ARは必死に問題を探している解決策」という一言が、否定派の気持ちを端的に表しているかもしれません。
また、約2時間でクリアできるボリュームについても意見が分かれています。20ドルという低価格を考えれば短い時間で濃厚な体験ができるという声がある一方で、主人公の葛藤やキャラクターの背景をもっと掘り下げてほしかったという不満も少なくありません。
メディアレビュー紹介
高評価メディア
Loot Level Chill — 80
リビングが遥か彼方の銀河系に!ホロテーブルでの白熱のポッドレースや、若きレーサー・ヴォロの感動的な物語はファン必見である。特に「プレイセット」モードは圧巻で、等身大のR2-D2を自室に飾ったりストームトルーパーの軍隊を作ったりと、内なる子供心を完全に解放してくれる最高にオタクで夢のような体験だ。
→ レビューを読むMovies Games and Tech — 80
アニメーションの美しさはこれまでのVRゲームでも最高峰だ!若きレーサー・ヴォロと伝説のセブルバの物語は、没入感のあるVRとMRの融合によって鮮やかに描かれる。ポッドレーサーの修理アクションから白熱のレースまで、驚異的な音響効果も相まって、完璧にSFファンタジーの世界へ引き込まれる傑作である。
→ レビューを読むWorth Playing — 70
没入感の高いVR視点での船体修理と、上空から見下ろすテーブルトップ視点でのポッドレースを見事に融合させた斬新な作品だ。「プレイセット」モードではRCカーのようにビークルを自室で走らせて遊ぶこともできる。約2時間と短めだが、見事な声優の演技に彩られた、短くも濃密で非常に楽しい物語が味わえる。
→ レビューを読む
低評価メディア
Metro GameCentral — 30
MR(複合現実)の限界を露呈した失敗作である。没入感のあるVR視点から、突然テーブルを見下ろす不格好なARへ切り替わる構成は没入感を削ぐ。要のポッドレースも描画距離が短すぎてコースの先が見えず、ゲームとして致命的に破綻している。VRでの修理も退屈な単純作業に過ぎず、ファンでも絶対に避けるべきだ。
→ レビューを読むTechRadar Gaming — 40
VRに求められる要素をすべてMRに格下げした不可解な作品だ。ポッドレースのコクピットには座れず、鳥瞰視点のレースは凡庸なスマホゲームのようでひどく退屈である。セブルバの悪党一味との物語もわずか1時間で終わるほど薄っぺらく、キャラクターの深掘りすらない。素晴らしい素材を台無しにした痛ましい失敗作だ。
→ レビューを読むGaming Nexus — 55
全体的に焦点がぼやけた中途半端な作品だ。ポッドレースは機体が浮遊して操作しづらく、コースの先が見えず理不尽な爆発を繰り返す苦痛な仕様である。最大の魅力となるはずの「プレイセット」すら、ハードのメモリ制限によりストームトルーパーに武器を持たせることさえできず、ただ激しいフラストレーションが残る。
→ レビューを読む
まとめると
- ポッドレースがテーブルトップの見下ろし型MR視点のため、コースの先が見えずレースゲームとして成立していない
- 機体の挙動が「フワフワ」で操作性が悪く、理不尽な爆発を繰り返すストレスフルな仕様
- VRとMRの視点切り替えが唐突で脈絡がなく、雰囲気がブツ切りになる
- ガレージ修理は単純作業の繰り返しで、進行不能バグも報告あり
- アーケードモードは4コースの使い回しでリプレイ性がほぼない
- マップ移動のナビゲーションが分かりづらく迷子になりやすい
- 「プレイセットモード」はスター・ウォーズファンの心を掴む「デジタルおもちゃ箱」として高評価
- ストーリーと声優の演技は質が高く、VR空間の作り込みは『Vader Immortal』に匹敵
- 約2時間のボリュームは20ドルの価格に対して評価が分かれる
- Quest 3のメモリ制限によりプレイセットモードでも処理落ちが発生する
製品情報
| 項目 | 詳細 |
|---|---|
| タイトル | スター・ウォーズ:ビヨンド・ビクトリー(Star Wars: Beyond Victory) |
| ジャンル | VR/MRアクション・アドベンチャー / ポッドレース |
| 発売日 | 2025年10月7日 |
| 対応機種 | Meta Quest 3 / Meta Quest 3S |
| 開発 | ILM、Lucasfilm |
| プレイ人数 | 1人 |
| 音声 | 英語 |
| 字幕 | 日本語対応 |










