2025年10月23日に発売の『Tormented Souls 2』のメディアレビューが公開されMetacriticのメタスコアが集計されました。このページではMetacriticへ寄稿された『Tormented Souls 2』に対するゲームメディアのレビューを翻訳してまとめています。
スコアは70点台後半と、良い部分と気になる部分がちょうど半々くらいの評価になっています。90年代クラシックホラーへの愛がたっぷり詰まった雰囲気は間違いなく一級品ですが、戦闘や一部パズルの粗さが足を引っ張っているようです。購入の参考になれば幸いです。
闇に怯え、謎に唸り、操作に苦しむ――90年代ホラーの「全部入り」




この『Tormented Souls 2』は、固定カメラとラジコン操作で構成された正統派クラシックサバイバルホラーです。前作の閉鎖的な病院からチリの辺境の町「ヴィラ・ヘス」へと舞台を広げ、修道院や廃ショッピングモール、食肉解体場など、おぞましくも美しいロケーションを探索していきます。
Unreal Engine 5で描かれる背景グラフィックは本当に素晴らしく、空気中の塵やロウソクの揺らめきまで克明に再現されていて、インディー作品とは思えないクオリティに仕上がっています。鏡の世界を行き来する「異界」パズルやビデオテープで過去を改変する「追体験」システムなど、謎解きの設計も独創的で、解けたときの達成感はかなりのもの。
ただし、戦闘面ではかなり不満の声が上がっています。敵が妙に素早いのに対して主人公の動きはもっさりしていて、狭い通路で囲まれるとほぼ詰みます。カメラの切り替わりで操作方向が反転して敵に突っ込んでしまう問題も根深く、「ゲームの難しさ」ではなく「システムの不備」で死んだという不満が多いですね。良い部分と悪い部分がくっきり分かれた、まさに賛否両論の一作です。
ライターの火だけが頼りの、息が詰まるような恐怖空間
本作最大の魅力は、なんといっても固定カメラが生み出す圧倒的な恐怖演出です。映画的なアングルで切り取られた暗い廊下、揺らめくライターの火が照らす範囲だけが「安全地帯」という独自ルールが、探索に常にピリピリした緊張感を与え続けてくれます。闇の中に数秒間留まると即死するという仕様は賛否あるものの、ライター片手に暗闘を進む心細さは本作ならではの体験かもしれません。
舞台となるヴィラ・ヘスの作り込みも見事で、血の涙を流す彫像、カトリックのモチーフを歪めた不気味な聖遺物、退廃した商業施設が並ぶ街並みは「悪夢のように美しい」という表現がぴったり。レビュアーの言葉を借りれば、本作は「ヴィンテージのREジャケットを着て、サイレントヒルのBGMを口ずさみながら闊歩している」ような、過去の名作への愛に満ちた世界です。
次元を跨ぐパズルが脳を刺激する
パズルの設計も本作の大きな見どころです。「異界(Other Side)」では鏡の世界のような歪んだ次元に足を踏み入れ、そこでの行動が現実世界に物理的な影響を及ぼします。例えば、異界で拷問器具を操作すると現実世界の死体が切断されてアイテムが手に入る、なんていうグロテスクだけど論理的なギミックが満載。
さらに「追体験(Replay)」システムでは、ビデオテープに記録された過去の出来事に入り込み、過去を改変して現在の障害を取り除くという仕掛けまであります。物語とゲームシステムが密接に絡み合うこの設計は、解けた瞬間に強烈な達成感をもたらしてくれますね。
また、前作から改善された無制限インベントリや、メニューを開かずに武器を切り替えられるクイックセレクトなど、古典的な不自由さを残しつつも快適さを追求した工夫は好印象です。
ただ、気になる点もけっこうあります
戦闘が「恐怖」ではなく「ストレス」になっている
本作の戦闘は意図的にぎこちなく設計されているようですが、それが恐怖ではなく純粋なフラストレーションに変わっている場面がかなり多いです。キャラクターの旋回が遅い割に敵は素早く、回避アクションのタイミングもシビアすぎて実質機能していないという声も。
さらに問題なのが固定カメラとの相性の悪さ。逃走中にカメラが切り替わるとスティック入力の方向が反転して、意図せず敵の懐に飛び込んでしまう「操作の逆流」が頻繁に起こります。ボス戦でのカメラシフトは「最悪の罪」とまで評されていて、システム面の不備で死ぬことへの不満は相当なもの。
敵の耐久力も全体的に高く、ネイルガンの弾を何発も吸い込む「弾丸スポンジ」のような挙動が目立ちます。リソースが枯渇した状態でボス戦に突入すると数時間分の進捗を失う「詰み」に近い状態になりやすく、バランス調整には甘さが残ります。
キャラクターの造形が背景に負けている
背景グラフィックが素晴らしい反面、キャラクターモデルの品質が追いついていません。「Xbox 360初期の時代」を彷彿とさせるほど硬い表情と機械的なアニメーションは、いわゆる「不気味の谷」に陥っています。感情が死んだようなキャロラインの演技や、明らかに年齢差がある姉妹を「双子」と言い張る脚本の粗さも、物語への集中を妨げる要因になっているようです。
一部のパズルにも論理的な飛躍があり、周囲のヒントを無視してアイテムを片っ端から試す「ピクセルハンティング」が必要になる場面も報告されています。ノーヒントで武器を鍵代わりに使わせるような唐突な要求は、せっかくの探索リズムを壊してしまいますね。
好き嫌いがはっきり分かれるポイント
ラジコン操作は「美学」か「ストレス」か
タンクコントロール(ラジコン操作)の採用は、本作を楽しめるかどうかの最大の分岐点です。レトロゲー愛好家からは「固定カメラにはラジコン操作こそが至高」「この不自由さがサバイバルホラーのテーマに合致している」と歓迎されています。実際、愛好家の間では不自由さを含めて「本物の体験」として受け入れられている印象です。
一方で、現代的な操作に慣れた層からは「あえて不便な操作を強いるのは単なる退歩」「ロボットのような動きが世界観への没入を壊す」と一蹴されてもいます。懐かしさが恐怖を増長させるか、ただの不便さとして映るか。ここが最大の分かれ道ですね。
セーブ制限は「緊張感」か「理不尽」か
カセットテープを消費する回数制限つきのセーブ方式も議論の的になっています。「どこで保存するかの戦略的判断こそサバイバル」「進捗を失うリスクがあるからこそ一歩一歩の恐怖が本物になる」と支持する声がある一方、「バグやフリーズのリスクがある中で数時間の進捗を賭けさせるのは時代遅れで残酷すぎる」という批判も根強いです。
なお、開発側はこれを受けてオートセーブ機能や無限セーブが可能な「アシストモード」を導入しており、初心者から硬派なファンまで柔軟に対応できるようになっています。
パズルは「達成感」か「足止め」か
パズルがゲーム体験の大部分を占めている本作ですが、その質についても意見が真っ二つ。「メモを読み込み、アイテムを調べ、論理的に導き出すプロセスは近年のゲームにはない達成感がある」と絶賛する声がある一方で、「独りよがりな論理の飛躍があり、攻略サイトなしでは解けないような障害がテンポを壊している」と不満を述べる声も。パズル好きには概ね好評ですが、ホラー体験を求めている層からは「多すぎてリズムを崩す」と指摘されていますね。
メディアレビュー紹介
高評価メディア
Digitally Downloaded — 90
90年代の恐怖を呼び覚ます傑作だ。固定カメラやタンク操作を徹底し、Villa Hessの閉鎖的な廊下で息苦しい緊張感を演出している。特に「暗闇は即死」という仕様が、ライター一つで彷徨うキャロラインの脆弱性を際立たせ、リソース管理のジレンマを加速させる。物語の稚拙さはあるが、ホラーの真髄を射抜いた一作だ。
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Finger Guns — 90
前作の粗削りな魅力を洗練させ、あらゆる面で進化を遂げている。不気味な修道院や商業地区を舞台に、ネイルガンや改造ショットガンで異形に抗うキャロラインの死闘は、レトロな操作感を残しつつも快適だ。論理的な思考を試すパズルや、光と影のコントラストが生む圧倒的な恐怖が、往年のジャンルファンの心を掴んで離さない。
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Noisy Pixel — 90
サバイバルホラーの黄金期への情熱が詰まった必携の続編だ。「裏側(Other Side)」を活用した次元を跨ぐパズルは巧妙で、ハンマーやクランクを何度も再利用させる設計が探索に深みを与えている。セーブテープの枯渇に怯える過酷な探索と、Villa Hessの広大なロケーションが生む絶望感が、キャロラインの物語をより強固なものにしている。
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低評価メディア
Player 2 — 67
固定カメラ時代の郷愁を模倣してはいるが、現代的な機能美を欠いた構造的欠陥が目立つ。カメラの視点変更に伴いオートロックが外れる戦闘は「ただの苦行」に過ぎず、パズルも単なる持ち物検査に成り下がっている。主人公の不自然な挙動や世界観を削ぐ過剰な物理演算など、古典的デザインを履き違えた不満の残る仕上がりだ。
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Games.cz — 70
サバイバルホラーへの愛は感じるが、古臭い不自由さが足かせとなっている。ヒット判定の曖昧な近接戦闘や、あまりに飛躍した論理を求める不条理なパズルが進行のテンポを著しく阻害している。かつての不便さを美徳として再現しているが、現代のプレイヤーには理不尽な試行錯誤を強いる、懐古主義の罠に陥った作品と言える。
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GameMAG — 70
謎解きの論理性は増したものの、戦闘バランスの欠如が致命的だ。ボス戦は「円を描いて逃げ回るだけ」の単調な立ち回りに終始し、弾薬不足が極端なために暗闇の中を彷徨わざるを得ない苛立ちが募る。Unreal Engine 5によるライティングは美しいが、キャラクターの硬いアニメーションが、恐怖の雰囲気を著しく損なっている。
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まとめると
- 固定カメラとライターの火が作る恐怖演出は一級品で、常に死角を恐れる緊張感がたまらない
- ヴィラ・ヘスの背景グラフィックはUE5の恩恵でインディーの域を超えた美しさ
- 「異界」と「追体験」を使った次元を跨ぐパズル設計が独創的で、解けたときの達成感が大きい
- 無制限インベントリとクイックセレクトで古典的ホラーの快適さが向上している
- 戦闘はぎこちなさが恐怖ではなくストレスに直結しており、カメラ切り替え時の操作反転が致命的
- 敵の耐久力が高すぎて「弾丸スポンジ」状態になりやすく、詰みの危険がある
- キャラクターモデルとアニメーションの品質が背景に比べて明らかに見劣りする
- 一部パズルに論理の飛躍があり、ピクセルハンティングを強いられる場面がある
- ラジコン操作・セーブ制限・パズル難易度は好みが大きく分かれるポイント
- アシストモードの導入で初心者にも間口を広げている姿勢は好印象
製品情報
| 項目 | 詳細 |
|---|---|
| タイトル | Tormented Souls 2 |
| ジャンル | サバイバルホラー |
| 発売日 | 2025年10月23日 |
| 対応機種 | PS5 / Xbox Series X |
| 開発 | Dual Effect |
| プレイ人数 | 1人 |
| プレイ時間 | 約15〜20時間 |










