【メタスコア】『Dispatch』評価レビュー

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Steam 2025年10月22日 / Nintendo eShop・PS Store 2026年1月29日に発売の『Dispatch』のメディアレビューが公開されMetacriticのメタスコアが集計されました。このページではMetacriticへ寄稿された『Dispatch』に対する海外ゲームメディアのレビューを翻訳してまとめています。

メタスコアは80代後半の高水準。元Telltale Gamesのスタッフが手がけた「遊べるスーパーヒーローアニメ」として多くのメディアから称賛されつつも、操作性や選択肢の重みに対する批判もしっかり寄せられています。購入の参考になれば幸いです。

元ヴィランたちを率いる「遊べるアニメ」、これはちょっとすごいかもしれません

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Dispatchmetacritic.com

この『Dispatch』は、元Telltale Gamesの開発者たちが手がけた選択型アドベンチャーで、かつて伝説のヒーローだった主人公ロバート・ロバートソン(通称メカマン)が、メカスーツを失いスーパーヒーロー派遣センターの派遣担当者として元スーパーヴィランたちのチーム「Z-Team(フェニックス・プログラム)」を指揮するという物語です。ただのスーパーヒーローものかと思いきや、過去の過ちからの贖罪や「本当のヒーローとは何か」という問いかけを描くヒューマンドラマが展開されます。

90年代のアメコミアニメを思わせる美麗な3Dビジュアル、Aaron PaulやLaura Baileyといった豪華声優陣の熱演、そしてヒーローを適材適所に派遣する独自のディスパッチシステムが融合して、「ゲームをプレイしているというよりアニメシリーズを見ている感覚」に陥るほどの完成度です。ただし、コントローラーでの操作性の悪さや、一部の選択肢が期待通りの重みを持たない点、序盤のストーリー構成のバランスなど、気になる部分も無視はできません。

泣ける、笑える、そして「派遣」が楽しすぎる

本作で最も評価されているのは、キャラクターの深さと物語の感情的な力です。コカイン中毒のコウモリ人間「ソナー」、不安を抱える人間発火能力者「フランベ」、反抗的な態度の裏に傷を抱える「インビジガル」など、アクの強いZ-Teamの面々はそれぞれが過去を持ち、ヒーローとしての第二の人生を模索しています。コメディ要素を交えつつも、彼らの姿はプレイヤーの心を強く揺さぶり、あるレビュアーは「コカイン中毒のコウモリ怪物が天使のような暗殺者に胸を見せてもらえると思ってウェイトラックに手錠で繋がれるようなゲームで泣かされるとは」と驚きを隠しきれない様子で語っているほどです。

物語の合間に挿入されるディスパッチシステムも大きな魅力。ロサンゼルスのマップ上に現れるミッション(木に登った猫の救出から怪獣退治まで)に対して、各ヒーローの戦闘力・カリスマ・知力などのステータスを見極めて適切な人員を派遣します。キャラクター同士の相性によるシナジーが発動したり、経験値でスキルがアンロックされたりと、戦略の幅がかなり広い。制限時間内に判断を求められるため、「世界が燃えている間に針の穴に糸を通すような」プレッシャーを味わうことになります。

まるでアニメを観ているような映像美と圧巻の声優陣

ビジュアル面も圧巻で、過去のTelltale作品にありがちだったカクつきやぎこちなさは完全に払拭されています。会話の選択からアクションシーンへの移行がカメラの切り替えすらなくシームレスに行われ、「90年代のスーパーヒーローアニメの失われた傑作」とまで形容されるほど。

Aaron Paulの演技は「ゲーム・オブ・ザ・イヤーのベストパフォーマンス賞に値する」と絶賛されていますし、JacksepticeyeやMoistCr1TiKaL(Charles White)といったネット有名人の起用もプロ顔負けのクオリティで世界観にしっかり溶け込んでいます。音楽面でも、レトロなオリジナルBGMに加えて、フランベが歌うMeredith Brooksの『Bitch』のカラオケカバーや、エンディングでの『HOES DEPRESSED』など、印象的な楽曲演出がプレイヤーの心を強く掴んでいます。

全8話のエピソードはそれぞれ1時間弱で構成されており、テレビドラマのようなテンポの良さで一気にプレイしたくなる魅力があります。

ただ、気になる点もあります

操作性の粗さと「選択が響かない」もどかしさ

高く評価されているディスパッチシステムですが、コントローラーでの操作性には問題があります。ミッションの期限が切れる前にカーソルを合わせてスクロールが間に合わず、意図せずミッションを逃してしまうことが頻発するようです。さらにゲーム後半では、特定のステータスが一定値を超えると自動的に失敗になる特殊ミッションが登場しますが、要求されるステータス自体がその閾値を上回っていることが多く、プレイヤーの戦略では回避できない「避けられない失敗」がシステムに組み込まれているのは気になるところです。

ストーリー面では、8エピソードの構成にペース配分の偏りが見られます。序盤は主人公たちの恋愛の三角関係に時間を割きすぎている一方で、後半の2エピソードに群像劇が急激に詰め込まれ、「プロットが散らかっている」との指摘も。Z-Teamの全員が魅力的なのに、一部のキャラクターに焦点が偏ってしまい、他のメンバーとの関係性を深める時間が足りないのはもったいないですね。

また、慎重に下した重大な決断が後のストーリー展開にほとんど影響しないケースもあり、選択の重みにムラがある点は否定できません。ディスパッチ部分だけを純粋に楽しむエンドレスモードが用意されていないため、ゲームとしてのリプレイ性が弱いのも惜しまれます。

ハッキングの単調さとサウンドの物足りなさ

物語の合間に挟まるハッキングのミニゲームは、難易度が上がるにつれてパズルとしての面白さよりも単調さやストレスが勝ってくるという声があります。防犯カメラや遠隔操作ウォシュレットなどユニークな題材は面白いものの、後半になると作業感が出てしまうかもしれません。

また、視覚的なクオリティが極めて高い一方で、アクションシーンにおける効果音(パンチ、衝突、爆発音など)が全体的にくぐもって聞こえ、本来あるべきインパクトに欠けているという指摘もあります。ごく稀にですが、エピソード8で「顔のないキャラクター」が表示されるなど、後半のエピソードで軽微なバグが散見されるとのことです。

好みが真っ二つに分かれるポイント

インビジガルというキャラクターをどう受け取るか

主要キャラクターの一人であるインビジガル(Laura Bailey演)の描写は、プレイヤー間で評価が完全に二分しています。

肯定的な意見としては、「愛と信頼を必要としている反逆児」というクリシェをLaura Baileyの卓越した演技と脚本で見事に昇華しており、トキシックな態度の裏にある「魂の痛み」が伝わってくるため、関係性の構築が非常にやりがいがあるというものです。

一方で否定的な意見は、ゲームの大部分を通じて粗野で他者への配慮に欠け、主人公に対するセクシャルハラスメントとも取れる言動を繰り返す点が不快だというもの。「もし同じことを男性キャラクターがやったら絶対に許容されない」という強い批判もあります。

シリアスとコメディの落差は「味」なのか「邪魔」なのか

Fワードや下半身のジョークが飛び交う一方で、生死に関わる重いドラマも展開される本作。このトーンの乱高下についても意見が分かれています。『The Boys』や『Peacemaker』のような「バカバカしさとスーパーパワーの下に、痛いほど人間臭い本質がある」と好意的に受け取る声がある一方、感動的なシーンの直後にジョークを挟んで空気を壊す「マーベル映画の悪い癖」だと批判する声もあります。

QTEは必要なのか問題

アクションシーンに挿入されるQTE(クイックタイムイベント)も賛否があります。緊迫感を高めるスパイスとして機能しているという肯定派に対し、失敗しても何のペナルティもないならオプションでオフにして高品質なアニメーション映画として楽しむ方が理にかなっている、という否定派も。なお、実際にQTEを完全にオフにするオプションは用意されています。

メディアレビュー紹介

高評価

GAMINGbible — 100
本作は単なるGOTY候補に留まらない、史上最高のゲームの一つだ!メカマンことロバートとなり、元悪役の「Z-Team」を導く物語は圧倒的な雰囲気を誇る。時間制限のあるハッキングや緊急コールへの対応など、プレイヤーの選択を尊重するシステムが見事に融合し「遊べるテレビ番組」を見事に体現した完璧な大傑作である!
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Try Hard Guides — 100
旧Telltale Gamesの空白を完璧に埋め、さらに進化させた傑作だ!「スーパーヒーローの職場コメディ」を舞台に、息を呑むキャラクター主導のドラマが展開される。適材適所でヒーローを派遣し、シナジーを発動させる独自システムがプレイに深みを与えている。すべての称賛に値する、まさにプレイ必須の圧倒的体験である。
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Omelete — 100
傑作ひしめく2025年において最大の驚きを放つ大傑作だ!元スーパーヴィランの不器用なヒーローたちを指揮し、街の危機を救う派遣管理システムは、無限に遊びたくなるほど秀逸だ。アーロン・ポールら豪華声優陣の熱演がキャラクターに命を吹き込んでいる。息を呑むような物語の選択肢に心揺さぶられる、珠玉の物語主導アドベンチャーである。
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低評価

KonsoliFIN — 60
Telltaleの系譜を継ぐ意欲作だが手放しでは称賛できない。特に序盤の強引な下ネタジョークは完全に白けてしまう。元悪役を派遣するシステムや成長要素は評価できるが、度々挟まれるハッキングのミニゲームは単調でひたすらイライラさせられる。物語後半の巻き返しは良いが、全体的にシステムの粗さが目立つ惜しい作品である。
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GamingTrend — 70
光る部分もあるが全体的に作りが粗い。感動的な場面を陳腐なジョークで台無しにする脚本構成は深刻だ。インビジガルのセクハラまがいの言動も不快で恋愛対象として共感できない。一部の未完成なグラフィックや、ゲームパッド操作が劣悪な派遣システムなど、自らポテンシャルを潰している点が非常に残念である。
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Xbox Tavern — 98
完成度は極めて高いが、物語における「選択肢の重み」には明確な不満が残る。中盤の重大な決断がその後の展開に全く影響を与えない点は明らかな期待外れだ。アニメーションや魅力的な派遣システムなど光る要素は多いが、プレイヤーの選択が結果に直結しないというアドベンチャー特有の欠点を克服しきれていない点は鋭く批判したい。
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まとめると

  • 元Telltale Gamesスタッフが手がけた選択型アドベンチャーの正統進化で、ストーリーの感情的な力が非常に強い
  • 元スーパーヴィランを適材適所に派遣するディスパッチシステムが戦略的で面白い
  • 90年代アメコミアニメを彷彿とさせる3Dビジュアルと流麗なアニメーションが圧巻
  • Aaron PaulやLaura Baileyなど豪華声優陣の演技がキャラクターに命を吹き込んでいる
  • 全8話×約1時間のテンポの良いエピソード構成で一気にプレイしたくなる
  • コントローラーでのディスパッチ操作性が悪く、意図しないミッション失敗が起きやすい
  • 一部の重大な選択がストーリーに反映されず、選択の重みにムラがある
  • 序盤と後半でストーリーのペース配分に偏りがあり、一部キャラクターの掘り下げが不足
  • ディスパッチのエンドレスモードがなく、ゲーム的なリプレイ性に欠ける
  • インビジガルの描写やシリアスとコメディの落差は好みが大きく分かれる

製品情報

項目内容
タイトルDispatch(ディスパッチ)
ジャンルアドベンチャー / マネジメント / ヒーロー
発売日Steam 2025年10月22日 / Nintendo eShop・PS Store 2026年1月29日
対応機種PC(Steam) / Nintendo Switch / PlayStation

メタスコアについて

Metacriticで集計されているゲーム評価のスコアです。大手メディアに投稿されたレビューのスコアを平均された数値になります。メタスコアは大きく変わる機会は少ないですが、集計サイトが増えるにつれて頻繁に変動します。

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神ゲー良ゲー凡ゲー低評価爆弾持ち