2026年2月13日に発売の『REANIMAL』のメディアレビューが公開されMetacriticのメタスコアが集計されました。このページではMetacriticへ寄稿された『REANIMAL』に対する海外ゲームメディアのレビューを翻訳してまとめています。
『リトルナイトメア』シリーズの生みの親であるTarsier Studiosの新作は、3D化や協力プレイの導入など意欲的な進化を見せつつも、死にゲーバランスや操作の摩擦といった課題も指摘されています。スコアは80点前後の良ゲー評価。購入の参考になれば幸いです。
「嫌な気持ちにさせる力」はトップクラス
『リトルナイトメア』の精神的続編として送り出されたホラーアドベンチャー。アートディレクションとサウンドデザインの完成度は圧倒的で、ホラーゲームとしての「嫌な気持ちにさせる力」は間違いなくトップクラスかもしれません。
2.5Dから完全3Dへの移行、ボートによる探索、バールやハープーンでの反撃など、前作から大きく幅を広げた意欲作。協力プレイでの「同じ画面を共有する」設計も、ホラー体験を増幅させる見事な判断ですね。
ただ、初見殺しの連続による「死んで覚える」前提のバランスは健在で、リトライ時のロード待ちがストレスに拍車をかけています。操作の重さも演出としては理解できますが、繰り返しの作業と組み合わさると単なるフラストレーションに変わる場面がある。パズルの難易度も低下していて、雰囲気の素晴らしさに対してゲームプレイ面での物足りなさを感じる人もいるかもしれません。
簡単に言えば、「最高のホラー体験」と「ゲームとしての粗さ」が同居する、Tarsier Studiosらしい一本です。
評価ポイント
人間の皮が這い回る。ジャンプスケアに頼らないボディホラー

本作の恐怖はジャンプスケアに頼りません。骨や内臓を抜かれた人間の皮膚だけの存在「スキンスーツ」が蛇のように地面を這いずり回り、天井からぶら下がり、トイレの配管からラバーカップで引き抜かれる。生理的な嫌悪感を催す描写の連続が、Tarsier Studios史上最も陰惨な世界観を作り上げています。
敵のデザインは「人間と動物のグロテスクな融合」がテーマ。三輪車に乗った巨大な追跡者スニッファー、複数の手足を持つ蜘蛛のような怪物、変異した羊の怪物など、ヒエロニムス・ボスの地獄絵図やクローネンバーグ映画を彷彿とさせる造形がプレイヤーの精神を削り続けます。言ってしまえば、その異様な美しさと不快感の共存が本作最大の強み。あるレビュアーは「ボスの絵画が生きたジオラマになった」と評していて、まさにそんな感じです。
カメラワークが映画。2.5Dの枠を完全に壊した

前作の横スクロールベースから完全な3D環境へ移行したことで、カメラ演出の自由度が飛躍的に向上しています。狭い屋内では閉塞感を煽るようにカメラが寄り、屋外に出た瞬間に引きの画でスケール感を見せつける。映画的な没入感とゲームプレイの視認性を両立させた演出は見事です。
この3D化によってロケーションの多様性も大きく広がりました。第一次世界大戦風の塹壕、浸水したスーパーマーケット、廃墟の映画館、巨大な養豚場。どのステージも「日常が歪んだ悪夢」として設計されています。特に塹壕のステージは映画『1917』の夜間シーンと比較されるほど、照明弾や爆撃の演出が強烈ですね。
霧の海をボートで漂う探索が楽しい

一本道のステージクリア型だった過去作とは異なり、ボートを操作して島々の間を移動するハブエリア構造が採用されています。濃霧に包まれた海を、遠くに見える赤いブイの光だけを頼りに進む体験は、孤独感と不安感を増幅させる装置として機能している。
ボートは単なる移動手段に留まりません。巨大な海棲生物との戦闘や、隠された海岸への寄り道、座礁した船の探索など、リニアなゲーム進行にメリハリを生んでいます。世界が「継ぎ接ぎされたレベル」ではなく「実在する場所」として感じられるのは、このハブ構造の功績です。
逃げるだけじゃない。反撃できるし協力プレイも優秀

本作の子供たちはただ逃げ回るだけの無力な存在ではありません。バールを手に入れて凶暴なカモメを殴り殺し、ボート上のハープーンを発射して巨大な敵に立ち向かう。この「反撃」の要素は、ホラーの緊張感を損なうことなく「いつ反撃に転じるか」という新たな駆け引きを生んでいます。
協力プレイは画面分割ではなく、同一画面を共有するスタイル。物理的に離れられない距離感が「一蓮托生」の緊張感を作り出していて、2人のプレイヤーが離れすぎると画面の端から色が滲み出して最終的に死亡するという視覚的な「距離制限」も秀逸。ソロプレイ時のAIパートナーも優秀で、パズルの解法を理解して適切に動き、暗闘でランタンを掲げて照らしてくれます。フレンドパス採用で、片方が購入するだけで協力プレイに参加できるのもハードルを下げていますね。
不評ポイント
死んで覚えろの連続。リトライに15秒はキツい
じゃあ何がマイナスなのかというと、まず『リトルナイトメア』シリーズから続くトライ&エラー前提のバランスです。一部のチェイスパートや初見殺しのトラップでは、正解のルートやタイミングを暗記するまで何度も死ぬ必要があり、没入感を削ぐ要因になっています。
問題をさらに深刻にしているのが死亡時のロード時間。Switch 2版やコンソール版では15秒以上かかるケースが報告されていて、死ぬこと自体のストレスに加え、リトライまでの待ち時間がテンポを著しく悪化させています。死にゲーとしてバランスを取るなら、せめてリトライは一瞬であるべきですね。
ドアを開けるだけで3秒。操作の重さが演出を超えてストレスに
ちょっと注意点があります。演出としてのリアリティを追求した結果、キャラクターの動作に意図的な「重さ」が設定されています。ドアを開ける、段差を登る、相棒を引き上げるといった基本動作のアニメーションが長く、これを頻繁に繰り返すパズルでは操作のレスポンスの悪さがストレスに直結します。
特に終盤の戦車を操作して画面手前に逃げるシーンは、操作が反転する仕様と地形への引っかかりやすさが相まって、かなりのフラストレーション。照準の判定も曖昧で、物を投げてスイッチを作動させたり敵を攻撃する際に狙った場所に飛ばないことがあり、緊迫した場面での理不尽な死につながります。
パズルは作業感が強い。ボリュームも5時間程度
雰囲気作りやアクション要素が強化された反面、パズル自体の難易度は低下しています。「鍵を見つけてドアを開ける」「箱を動かして足場にする」といった単純作業の繰り返しが中心で、頭を捻るような複雑なギミックは少ない。協力プレイ前提の設計でありながら、パズルを解く達成感よりも作業感が勝る場面がある。
クリアまでの所要時間は約5〜6時間。濃密な体験としては十分な長さですが、フルプライスの価格設定と比較すると割高に感じるかもしれません。収集要素(マスクや絵画)や隠しエンディングの解放条件はあるものの、リプレイ性の高さで補えるかは人を選びます。
評価が分かれているポイント
『リトルナイトメア』の正当進化か、焼き直しか
肯定派は、本作こそが真の『リトルナイトメア3』であり、Tarsier Studiosが築き上げたスタイルの完成形だと絶賛しています。3D化、ボート移動、戦闘要素の追加は「意味のある進化」であり、ファンが求めていた体験そのもの。Impulse Gamerは「ダークソウルに対するデモンズソウルのような立ち位置」になぞらえていますね。
否定派は、マスクを被った子供、巨大な家具、追跡者といった構成要素が前作とあまりに似通っていて、新しいIPとしての独自性が不足していると指摘。The Guardianのレビュアーは、本作が開始20分以内に「狭い隙間を通る」「相棒を持ち上げる」「クランクを回す」というお決まりを全部出し尽くしたことを皮肉っています。
語らないストーリーは「深み」か「消化不良」か
環境ストーリーテリングによる間接的な語り口を高く評価する声がある一方、物語があまりに断片的で多くの謎が解明されないまま唐突に終わることに不満を感じる人もいます。タイトル『REANIMAL』が示す「人間性の喪失と動物化」というテーマは、スキンスーツや人間と動物の融合体といった描写を通じて表現されていますが、その解釈は完全にプレイヤーに委ねられている。
すでに発表されている3つのDLCありきの構成に見え、「本編だけでは完結しない」未完成感を抱く人も。映画『炎628』やホロコーストの暗喩など、戦争と児童虐待という重いテーマを扱いながらも、それを明示的に語ることのない姿勢は、芸術的な選択として賞賛されるか説明不足として批判されるかで完全に二分されていますね。
メディアレビュー紹介
高評価メディア
Try Hard Guides — 100 / 100
ジャンプスケアに頼らない本物の恐怖、リトルナイトメアを超える成熟したテーマ、没入感のあるサウンドデザイン。物語の疑問が未解決のまま残る点を除けば、完璧に近いホラー体験。
→ レビューを読むXboxEra — 90 / 100
驚くべきスケール感、HUDを排除した高い没入感、60FPSの安定したパフォーマンス。物語の曖昧さや、収集要素に興味がない場合は短すぎるプレイ時間が欠点だが、全編3Dの環境ストーリーテリングは見事。
→ レビューを読むTheSixthAxis — 90 / 100
妥協のない暗く恐ろしい進化、優れたサウンドデザイン、ジャンルの定石の回避。エピソード形式の構造に既視感はあるものの、オープンワールド要素とボート探索、リンチ的なボディホラーは必見。
→ レビューを読む
低評価メディア
Saudi Gamer — 60 / 100
シュールで謎めいた雰囲気、多様なロケーション、乗り物のバリエーションは評価できる。しかし、パズルが単純すぎること、不正確な操作感、物語の結末が不満足であること、AIの挙動が不安定な点が足を引っ張っている。
→ レビューを読むMetro GameCentral — 60 / 100
暗くゴシックな協力プレイの恐怖体験としては一定の評価ができるが、全体的に「リトルナイトメア」の焼き直し感が否めない。新しいIPとしての独自性や驚きに欠け、操作性の問題も残っている。
→ レビューを読むVooks — 70 / 100
スイッチ2でのレビュー。雰囲気やアートスタイルは素晴らしいが、技術的な不具合やロード時間の長さが没入感を損なう。協力プレイは楽しいが、ソロプレイ時の体験は少し劣るかもしれない。
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まとめると
- ボディホラーの完成度は圧倒的。スキンスーツに代表される生理的嫌悪感の演出はTarsier Studios史上最高レベル
- 3D化とカメラワークの進化が映画的な没入感を生んでいて、ロケーションの多様性も大幅に向上
- ボートによるハブエリア探索が一本道だった過去作との最大の差別化ポイント
- 反撃要素と協力プレイの設計は優秀。フレンドパス対応でハードルも低い
- ただしトライ&エラー前提の死にゲーバランスとロード時間の長さはかなりのストレス
- 操作の「重さ」は演出としては理解できるが、繰り返しが多いとフラストレーションに変わる
- パズルの難易度低下と5〜6時間のボリュームは、フルプライスに対して物足りなさを感じる人も
- 『リトルナイトメア』との類似性、語らないストーリーは完全に好みが分かれるところ
- 雰囲気重視のホラーが好きなら今年屈指の体験。操作性やボリューム重視ならセール待ちも選択肢
製品情報
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| タイトル | REANIMAL(リアニマル) |
| ジャンル | ホラーアドベンチャー |
| 発売日 | 2026年2月13日 |
| 対応機種 | PlayStation 5 / Xbox Series X / Steam |
| プレイ人数 | 1〜2人(オンライン・ローカル協力プレイ対応) |










