名作CRPG『Disco Elysium』の物語が今なおゲーム業界に与える影響と「ディスコライク」な精神的後継作の台頭に注目!
2026年05月15日 | #ゲーム | DualShockers
往年の名作RPG『Disco Elysium』が、その卓越したストーリーテリングで再び注目を集めています。発売から7年が経ちますが、その影響力は衰えるどころか、今なおゲーム業界に深い爪痕を残しているようです。『Dead Space』のベテランライター、チャック・ビーバー氏がポッドキャストで同作の物語を「ハイ・リテラチャー(高度な文学)」と絶賛し、他のスタジオがその小説的なアプローチを模倣しようとしていないと語ったことで、話題が再燃しています。
『Disco Elysium』が残した遺産とクリエイターたちの軌跡
『Disco Elysium』の成功の裏には、ZA/UMスタジオの共同創設者であるロバート・クルヴィッツ氏、アレクサンダー・ロストフ氏、そしてライターのヘレン・ヒンドペレ氏といった主要クリエイターたちの存在がありました。しかし、彼らはスタジオを離れ、それぞれ新たな道を歩んでいます。クルヴィッツ氏とロストフ氏は2022年に新スタジオ「Red Info」を設立し、NetEaseの支援を受けて新作の開発に取り組んでいる模様です。一方、ZA/UMは『Zero Parades: For Dead Spies』の開発を進める中で、『Disco Elysium』の続編となる可能性があった「Locust City」というプロジェクトがキャンセルされたことも判明しています。
『Disco Elysium』にインスパイアされた「ディスコライク」作品たち
ビーバー氏の発言は、『Disco Elysium』の物語性に対する最高の賛辞であると同時に、類稀な才能が分散してしまった現状への哀歌とも受け取れます。しかし、彼の言う「他のスタジオが追随しない」という意見に対し、実は『Disco Elysium』の影響を受けた作品、いわゆる「ディスコライク」なゲームが多数登場しているのが現状です。例えば、今年リリースされたアイソメトリック視点のCRPG『Esoteric Ebb』は、元ZA/UMのライターであるアルゴ・トゥーリック氏も「真に価値ある精神的後継作」と絶賛しています。同作は戦闘よりも対話に焦点を当て、プレイヤーのステータスがユーモラスかつカオスなインタラクションを生み出す点が特徴的です。
精神的な後継作と呼べるタイトル
『Esoteric Ebb』以外にも、叙情的で感動的な体験を提供する『Season: A Letter to the Future』や、哲学的なストーリーテリングが際立つ往年の名作『Planescape: Torment』、さらに近年のインディー・AAタイトルでは『Citizen Sleeper』や『Pentiment』などが、『Disco Elysium』に通ずる世界観と没入感のある物語を提供しています。これらの作品は、AAAタイトルでは見られないような、複雑なキャラクターと深みのある世界観の中で、相反する哲学を探求する体験をプレイヤーに提供していると言えるでしょう。
『Disco Elysium』のような「第二の作品」を期待することは難しいかもしれませんが、その遺産は「ディスコライク」という新たなジャンルとして、多くのゲーム開発者やプレイヤーに受け継がれています。小説のような質の高い物語をゲームに求める需要は、今後さらに高まっていくでしょう。