SF作品の舞台に選ばれ続ける恒星タウ・セチとは?『Marathon』や『The Dark Pictures Anthology: Directive 8020』など最新ゲームにまで影響を与えるその魅力に迫る
2026年05月17日 | #ゲーム #発売 | Polygon
近年、SF作品の世界観設定として、ある恒星系が注目を集めています。その名は「タウ・セチ(Tau Ceti)」。現実世界では地球から約12光年離れた恒星で、1603年にヨハン・バイエルによってカタログ化されました。現在、天文学者たちは4つの太陽系外惑星(e、f、g、h)が存在すると推定しているとのことです。このタウ・セチが、SF作品、特にゲームにおいて頻繁に舞台として選ばれる理由について、探っていきましょう。
最新作でタウ・セチが舞台に選ばれる理由
最近のSF作品では、タウ・セチが重要な舞台として登場するケースが目立っています。例えば、アンディ・ウィアーの2021年の小説で、2026年にはライアン・ゴズリング主演で映画化される『プロジェクト・ヘイル・メアリー』では、地球の未来を救うため人類がタウ・セチへと旅立ちます。また、Bungieが1994年のFPSのリブートとして開発中の『Marathon』は、タウ・セチIVを舞台に、プレイヤーが人類の植民地の廃墟を探索するストーリーです。さらに、Supermassive Gamesの最新作ホラーゲーム『The Dark Pictures Anthology: Directive 8020』では、植民船が人類の未来に適した惑星を探すためタウ・セチfを偵察するという設定になっています。 これらの作品でタウ・セチが選ばれる理由として、『Directive 8020』のクリエイティブディレクターであるウィル・ドイル氏は、タウ・セチfが科学的に太陽型恒星系内で最も有望な候補の一つとされているため、「物語の現実的な設定として適切だと感じた」と述べています。『Marathon』のナラティブリードであるジョナサン・ゴフ氏も、「架空の恒星間物語の発展にうってつけ」であり、「この恒星系の現実世界の特性が、宇宙旅行の複雑さや、地球外探査・植民の要件、危険性、驚異を検証するための科学的根拠となる」と語っています。
長年にわたりSFのインスピレーション源であり続けるタウ・セチ
タウ・セチがSFの舞台として人気を集めるのは、最近始まったことではありません。1994年のオリジナル版『Marathon』では、UESC Marathon船がタウ・セチIVに植民するために派遣されるという設定でした。1999年の名作『System Shock 2』では、フォン・ブラウン号がタウ・セチVからの遭難信号に応答するストーリーが展開されます。1985年のビデオゲーム『Tau Ceti』では、プレイヤーがタウ・セチIIIの都市間を移動し、ロボットの防衛と戦いました。さらに、1974年のアーシュラ・K・ル・グウィンの小説『所有されざる人々』も、タウ・セチ内の双子惑星アナレスとウラスを舞台としています。 また、ベセスダ・ソフトワークスの『Starfield』のようなゲームでは、タウ・セチがプロットの主要な要素ではないものの、訪れることのできる星系の一つとして登場します。ここでは9つの太陽系外惑星が描かれ、その多くには探索可能な月も存在しているとのこと。このように、開発側がタウ・セチについて知られている定義を大きく広げ、創造性を発揮している例もみられます。 タウ・セチが長年にわたりSFの舞台として選ばれてきたのは、比較的早期にその存在が知られ、単純で分かりやすい名前であったため物語に組み込みやすかったという点があります。そして、数々の作品で描かれてきたにも関わらず、現実世界ではまだ謎が多く残されているため、想像力を掻き立てられる余地が十分に存在するのです。さらに、地球からわずか12光年という距離も絶妙で、手が届きそうな現実感がありながらも、自由に想像を膨らませられる遠さである点が、多くのクリエイターにとって魅力的に映っているのでしょう。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 地球からの距離 | 約12光年 |
| 既知の太陽系外惑星数 | 4つ (e, f, g, h) |