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2026年03月07日 | #ゲーム #発売 | Polygon

カプコンが手がける人気サバイバルホラーシリーズ『バイオハザード』の最新作『Resident Evil Requiem』が、資本主義社会や利己主義に対する深い批判をテーマとしており、その内容が注目を集めています。これまでも企業や富裕層、企業科学者の闇を描いてきたシリーズですが、今作はより多角的な視点から現代社会の病巣をえぐり出しているとのことです。特に、主要な敵役であるヴィクター・ギデオンの行動が、現代のテクノロジー業界やビジネス界の権力者たちに通じる部分が多いとされています。

新たな敵役が描く「上級国民」思想の恐怖

今作の物語の中心には、シリーズの黒幕であるオズウェル・スペンサーの思想を受け継ぎ、「優れた」人間の意識を別の宿主に移植して新たな「エリート」を生み出そうとするヴィクター・ギデオンがいます。彼の計画では、ラクーンシティ孤児院が人体実験の隠れ蓑として利用され、数十体の不気味な殺人ロボットクローンが作られていたとのこと。ギデオンは人々の記憶や本質が血液に宿ると信じており、ロードス・ケアホームで血液を用いたおぞましい実験を繰り返しています。この「血液に精神が宿る」という考えは、中世ヨーロッパに実際に存在した民間信仰にも通じる部分があり、単なるゲーム的な設定に留まらないリアリティを持たせています。

現代社会のダークサイドを映し出す物語

ギデオンの目指す理想は、スペンサーのように思考し、彼の知識を持ち、そして最終的には彼のように振る舞う「個人」の創造です。これは、まるで個人の経験から断片を抜き取り、そこに特定の偏見を組み込んで、創造者にとって都合の良い結果を生み出す「おぞましいアルゴリズム」のようです。記事では、これが現代のソーシャルメディアの構図に似ていると指摘されており、一部の悪意ある個人が人々の思考や信念を決定しようとする様子と重ね合わせられています。さらに、ケアセンターの地下では、ギデオンとそのチームが人々を粉砕し、血液を抽出して実験に利用していることが判明します。彼らは単に人々の命を奪うだけでなく、彼らの存在の本質、つまり記憶や魂といった「生きていることのすべて」を、まるで玩具のように利用しているのです。

無力な人々が踏みにじられる構図

これまで『バイオハザード』シリーズでは、無力な「一般市民」が不条理な状況で苦しむ姿が描かれてきました。しかし、『Requiem』では、その描写がより一層グロテスクになっています。ギデオンは、単に名もなき市民だけでなく、助けを求めてケアホームを訪れた脆弱な人々をも利用し、彼らがモンスターへと変貌させられる様子が克明に描かれています。一人の人間が他者の人生に対してこれほどまでの力を持つことの醜悪さ、そしてそれによって引き起こされる悲劇が、今作では強く訴えかけられているとのことです。

希望が世界を救う鍵となる

物語の終盤、レオン・S・ケネディがARKラボの「パンドラ」と呼ばれる部屋の底で絶望的な状況に直面した時、グレースは「希望」こそが多くの人々が引き起こした害を元に戻す鍵であることに気づきます。スペンサーは、ゾンビ化するT-ウイルスへの解毒剤「エルピス」を解除するためのパスワードに、この「希望」を設定していました。もちろん、スペンサーが過去の罪を後悔した結果の行動ではないかもしれませんが、それでも希望という概念がこの物語の核心にあることは間違いありません。レオンがグレースを助け、グレースがエミリーを助け、そしてエルピスを解き放つことでレオンや他の人々を救おうとする行動は、すべて「希望」に基づいています。この希望と、それによって生まれる行動こそが、ギデオンやゼノ、コネクションズ、そしてアンブレラやスペンサーが過去に行ったすべての悪行を打ち破る力となるのです。すべてを解決するわけではないかもしれませんが、何かの始まりにはなるとの示唆が込められています。

項目 内容
ジャンル サバイバルホラー
開発元 カプコン