幻の『バイオハザード4』は四度も生まれ変わっていた?!『デビルメイクライ』の原型からゲームキューブの限界に挑んだ未発表バージョンまで、その数奇な開発秘話を徹底解説!
サバイバルホラーの金字塔『バイオハザード』シリーズは、30年の歴史の中で数多くの開発中止になった作品が存在します。中にはファンによって復元された「バイオハザード1.5」のような有名な未完成品もありますが、残念ながらほとんどの作品は、その存在すらも幻に終わっています。特に『バイオハザード4』は、完成に至るまでに複数回の大規模な方向転換が行われ、その開発過程は「四度の死と再生」と表現されるほど波乱に満ちていました。今回は、私たちが知る『バイオハザード4』が誕生するまでに、どのような「幻のバイオハザード4」が存在したのか、その開発秘話に迫ります。
スタイリッシュアクションとして誕生寸前だった幻の『バイオハザード4』
最初に開発された『バイオハザード4』は、後の『デビルメイクライ』の原型となりました。このバージョンでは、アンブレラ社の創設者オズウェル・E・スペンサーの息子であるトニー・レッドグレイブが主人公で、事前レンダリングされた背景ではなく、アクティブなカメラワークで「マレット島」の城を攻略するスタイルでした。しかし、このコンセプトはサバイバルホラーとしてはあまりにも派手すぎると判断され、ディレクターの神谷英樹氏によって新たなIPとして『デビルメイクライ』へと転換されました。結果として『デビルメイクライ』は大ヒットし、キャラクターアクションゲームというジャンルを確立することになります。このため、私たちが知る『バイオハザード4』とは全く異なる、スタイリッシュなアクションゲームとして生まれる可能性があったのです。
ゲームキューブの限界に挑んだ「霧」と「幻覚」の『バイオハザード4』
『バイオハザード4』は、任天堂のゲームキューブ向け独占タイトルとして開発が進められていました。神谷氏のバージョンが『デビルメイクライ』になった後、次に手掛けたのはディレクター柴田洋氏による「キャッスル」バージョンです。ここではレオンが飛行船で城に到着し、特徴的なボンバージャケットを着用しています。物語はレオンの左腕を侵食する変異ウイルスとの戦いでしたが、ゲームキューブのハードウェアでは「霧の怪物」の表現が難しく、開発中止となりました。
その後、レオンの感染が幻覚を引き起こすという「幻覚」バージョンへと移行します。このバージョンでは、E3 2003で初公開された映像で、肩越し視点でのエイムやQTE(クイックタイムイベント)が確認できます。しかし、シームレスな幻覚表現を実現するために2つの環境モデルを同時にメモリに読み込む必要があり、ゲームキューブのRAMでは処理しきれませんでした。結果として「フックマン」のデモは幻に終わり、このバージョンもまた開発中止となります。
伝統的なゾンビとの戦い、そして三上真司氏による再構築
度重なる開発中止の後、柴田洋氏は「ゾンビ」バージョンとして、伝統的な遅い動きのゾンビとレオンを戦わせる原点回帰を目指しました。しかし、この試みもまた、シリーズの停滞を招くと判断されます。そこで、プロデューサーを務めていた三上真司氏がディレクターとして直接指揮を執ることになりました。三上氏はわずか3週間でシナリオを完全に書き直し、アンブレラ社やT-ウイルス、固定カメラといった従来の要素を廃止。寄生体との戦いや、肩越し視点での精密なエイムと戦闘に重点を置いた、全く新しい『バイオハザード4』を生み出しました。この最終バージョンが2005年に発売され、フランチャイズを活性化させ、その後のアクションアドベンチャーゲームに多大な影響を与えることになります。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 初代『バイオハザード4』 | 2001年『デビルメイクライ』として発売 |
| 開発中止となったバージョン | 「キャッスル」「幻覚」「ゾンビ」の計3つ |
| 最終版『バイオハザード4』 | 2005年発売 |