幻の『バイオハザード2』がどのようにして現在の名作へと繋がったのか?『バイオハザード1.5』として開発が進められた初期バージョンの詳細が明らかに!
カプコンは、かつて開発が中止された幻の作品『バイオハザード1.5』について、その詳細な情報が明らかになりました。このゲームは、私たちが現在知っている『バイオハザード2』が生まれるきっかけとなった、非常に興味深い開発過程の産物です。当時は『バイオハザード2』として開発が進められていましたが、ディレクターの神谷英樹氏が手掛けた初期バージョンは、後にプロデューサーの三上真司氏によって「退屈で平凡」と判断され、最終的に企画が白紙に戻されたとのことです。しかし、その“幻のバージョン”に関する情報は、開発中の雑誌記事や見本市での露出、さらには発売後のディスクに残されたデータなどから、長年にわたって熱心なファンコミュニティによって掘り起こされてきました。
幻の『バイオハザード2』の具体的な特徴
『バイオハザード1.5』では、レオン・S・ケネディが警察署に閉じ込められるという設定は同じですが、彼と行動を共にするヒロインは、クレア・レッドフィールドではなく、バイクに乗る女子大生「エルザ・ウォーカー」でした。警察署も、現在のゲームのような博物館を改装したものではなく、現代的で蛍光灯に照らされたモダンな建物として描かれていたそうです。また、ゾンビのポリゴン数は少ないものの、画面上に表示される数は多く、キャラクターはアーマーを着用し、ダメージが視覚的に蓄積されるシステムが予定されていました。キャラクターの容姿や設定も異なり、アイアンズ署長は親しみやすい人物として登場し、クレア・レッドフィールドの姿はどこにもありませんでした。
開発中止の背景とファンの熱意
三上真司氏が『バイオハザード1.5』の開発状況を評価した際、「退屈で平凡、ゾンビは醜く、建築もインスピレーションに欠ける」と酷評し、神谷氏自身も「つまらなかった」と認めています。この判断により、開発は一旦中断され、三上氏はベテラン特撮脚本家の杉村升氏を招き、全く新しい『バイオハザード2』の制作に取り掛かりました。しかし、幻となった『バイオハザード1.5』の存在は、開発中止後も雑誌記事やトレードショーでの映像、さらには完成版『バイオハザード2』のボーナスディスクに残された未実装データなどから、その痕跡が確認されていました。そして2011年には、ファンによって故カプコン社員の遺品セールからプロトタイプ版が発見され、ファン有志が資金を出し合ってこれを購入。2013年には情報がリークされ、現在では一般に公開されています。
幻のゲームを体験できる現在
現在、『バイオハザード1.5』は完全な形でプレイできるわけではありませんが、その大半を体験できます。コミュニティによる復元作業は現在も進行しており、約30年前に消滅したはずのこのゲームは、今なお私たちの間で生き続けています。