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史上最高のRPGの一つとして今なお語り継がれる不朽の名作『Planescape: Torment』が続編なき孤高の存在として輝き続ける理由とは?

2026年03月22日 | #ゲーム | Polygon

史上最高のRPGの一つとして今なお語り継がれる不朽の名作『Planescape: Torment』が続編なき孤高の存在として輝き続ける理由とは?

1999年にBlack Isle Studiosが開発したRPG『Planescape: Torment』は、今なお「史上最高のRPGの一つ」として語り継がれる傑作です。Dungeons & Dragonsの世界観「Planescape」を舞台に、革新的なストーリーテリングとキャラクター描写で多くのプレイヤーを魅了しましたが、意外なことに、この作品には2026年3月現在まで続編がリリースされていません。これは、シリーズ化が当たり前となった現代のゲーム業界において、非常に珍しいケースと言えるでしょう。

唯一無二の魅力的な世界観「Planescape」

本作の舞台である「Planescape」は、D&Dのマルチバース構造の中心に位置する都市シギルや、様々な次元界を巡る独特の世界観が特徴です。他のD&Dゲームでもシギルや次元界が一時的に登場することはありましたが、ここまで深くこの世界に焦点を当てたゲームは『Planescape: Torment』以外には存在しません。この設定は、1994年のテーブルトークRPG「Planescape Campaign Setting」によってD&Dに組み込まれ、その後のD&Dの宇宙観に大きな影響を与えました。特に、シギルが哲学に基づいたファクションによって統治され、沈黙の苦悶の貴婦人に監視されているという設定は、当時のファンタジーRPGの定型を覆すものでした。善悪二元論や英雄と怪物といった従来の概念を超え、哲学やモラルが深く関わる選択肢がプレイヤーの体験を豊かにしています。

斬新なゲームプレイと物語への深い没入感

『Planescape: Torment』は、物語とキャラクター、そして膨大な量のダイアログが最大の魅力です。リードデザイナー兼ライターを務めたクリス・アベロン氏は、本作の制作を通じてRPGにおけるダイアログの可能性を大きく広げたと言われています。実際、スクリプトは80万語以上にも及び、ゲームの大部分を戦闘を避け、ダイアログの選択肢だけで進めることが可能です。主人公「名もなき者」は、死ぬたびに記憶を失う不死の存在であり、ゲームは彼がシギルの死体安置所で目覚める場面から始まります。プレイヤーは、過去の記憶の断片を繋ぎ合わせながら、彼が関わった人々の人生に触れていくことになります。剣の種類がごくわずかだったり、ネズミが強力な敵だったり、死が物語を進める手段だったりと、従来のRPGの常識を覆す要素が随所に盛り込まれており、プレイヤーは新鮮な驚きとともに物語に深く没入できます。

続編なき孤高の存在

かつては3つのPlanescapeのビデオゲームが計画されていましたが、『Planescape: Torment』以外の2つは開発中に中止となり、結果的にこの作品は単独のゲームとして歴史に残ることになりました。アベロン氏自身も「直接的な続編は何か間違っている気がする」と語っており、このゲームが続編やスピンオフ、リブートが溢れる現代において、孤高の存在として輝いていることが、その神秘性の一部を形成しているのかもしれません。

項目 内容
プラットフォーム PC(Steam, GOGにてEnhanced Edition販売中)
開発 Black Isle Studios
発売年 1999年