カプコンがゲーム開発における生成AIの活用方針を表明、アセットへの直接使用は否定しつつも効率化ツールとして積極的に導入していく姿勢を示す
人気ゲームシリーズを多数手掛けるカプコンは、自社のゲーム開発における生成AIの活用方針について、最新の株主総会で改めて見解を明らかにしました。ゲーム内のアセットに生成AIを直接使用する予定はないものの、開発プロセスの効率化と生産性向上に貢献する技術として、積極的に活用していくとのことです。グラフィック、サウンド、プログラミングなど、様々な分野での導入を検討していると説明されています。
生成AIを活用した開発効率化の具体的な取り組み
カプコンは、特にゲームの世界観を構築する上でのアイデア出しに生成AIを活用しています。Google Cloudを基盤としたプロトタイプシステムをすでに構築しており、ゲームデザイン文書(テキスト、画像、スプレッドシートなど)を読み込ませることで、そこからさらに新しいアイデアを生成するシステムとして機能させています。これは、ゲーム開発の中でも特に労力がかかり、時間も費やす作業の一つとされており、何万ものユニークなアイデアを比較検討する必要があるため、このプロセスの迅速化に生成AIが役立っているとのことです。このシステムはすでにカプコンのスタッフから高い評価を得ており、アートディレクターやアーティストにアイデアを伝えるための視覚的な参考資料の生成などにも活用されています。最終的なアセット制作は人間が行うものの、その前段階の構想プロセスをAIで加速させるというわけです。
業界全体での生成AI活用の動向
ゲーム業界では生成AIの活用が大きな話題となっており、カプコンも先日、NvidiaのDLSS 5 AIグラフィックス技術のデモに『バイオハザード レクイエム』が使用されたことで注目を集めました。このデモでは、主人公のレオンとグレースがフォトリアルな表現で描かれましたが、一部のファンからは「オリジナルのアーティストのビジョンを損なう」といった批判の声も上がったとのことです。Nvidiaはこれに対し、DLSS 5は元の映像のフレームとモーションベクトルデータを基に新しい画像を生成し、上書きしていると説明しています。業界調査では、業界プロフェッショナルの36%が日常業務で生成AIを使用していると回答しており、その約80%がリサーチやブレインストーミングに活用している一方で、より複雑でクリエイティブな作業には依然として人間の手が必要とされています。また、『Dead Space』のクリエイターであるグレン・スコフィールド氏は、AIはコスト上昇や人員削減に苦しむゲーム業界を改善するツールであり、「私たちを置き換えるのではなく、より速く、より良く、より効率的にするためのもの」だと述べています。しかし、生成AIの使用はファンの反発を招くケースもあり、『バルダーズ・ゲート3』の開発元ラリアン・スタジオや、『クリムゾンデザート』の開発元Pearl Abyssは、AI生成アセットの使用に関して釈明や監査を行う事態となっています。