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ドラゴンクエストVIII』英国風英語ローカライズ秘話!アメリカ支社から「理解できない」と猛反発の舞台裏

2026年02月07日 | #ゲーム | GamesRadar+

ドラゴンクエストVIII』英国風英語ローカライズ秘話!アメリカ支社から「理解できない」と猛反発の舞台裏

『ドラゴンクエストVIII』のローカライズにおける「英国風英語」採用の意図と、それに対する当時のスクウェア・エニックスアメリカ支社の反応について、長年ゲーム翻訳に携わってきたリチャード・ハニーウッド氏が語っています。同氏は、他の「ファイナルファンタジー」シリーズとの差別化を図り、コミカルで軽快なファンタジー世界観に英国ユーモアを取り入れたかったと説明。しかし、アメリカ支社からは「理解できない」「本当に嫌われた」といった否定的な意見が寄せられ、翻訳方針を巡る議論が巻き起こったとのことです。

英国英語へのこだわりと苦悩

ハニーウッド氏によると、「ファイナルファンタジー」シリーズの英語版が「サイバーパンク」的な現代的な印象を与えていたのに対し、「ドラゴンクエスト」シリーズはより伝統的なファンタジー要素と、アメリカのローカライズとは一線を画す「偽りのシェイクスピア的」な雰囲気を持ち合わせていたといいます。そのため、英国英語の持つ独特なユーモアや皮肉を活かすことで、シリーズの世界観をより豊かに表現できると考えたようです。しかし、当時のローカライズマネージャーであった佐野豊氏からは、アメリカのプレイヤーを疎外する可能性を懸念する声が上がり、最終的に句読点、スペル、語句の3つのうち2つまでしか英国英語を採用しないという妥協案が提示されたと語られています。

現場の葛藤と解決策

「英国風か、そうでないかのどちらかしかない」とハニーウッド氏は当時のルールに疑問を呈しつつも、現場では英国英語の専門家を増員し、個々のキャラクターに合わせた表現を模索していました。例えば、『ドラゴンクエストヒーローズ 闇竜と世界の卵と終焉の予言』では、スペルを曖昧にするなどの工夫が凝らされていたようです。また、アメリカ側の意見を反映させるための「バロメーター」として、『ドラゴンクエストVII』の翻訳に携わったマット・オルト氏がチームに参加。二人のキャラクター「キャッシュとキャリー」の描写において、アメリカらしさを強調する手助けをしたエピソードも明かされています。