『Papers, Please』と『Return of the Obra Dinn』の開発者が新作情報公開に慎重な理由を明かす、AIによる模倣と過去の傑作へのプレッシャーが背景に
『Papers, Please』や『Return of the Obra Dinn』といった数々の名作インディーゲームを手がけてきた著名なゲーム開発者であるLucas Pope氏が、自身の新作プロジェクトについて情報公開に躊躇していると明かしました。その理由として、AIによる作品の「吸収」や模倣への懸念があるとのこと。同氏は自身の開発プロセスをオープンにしたいと考える一方で、現在の状況では情報共有に抵抗があるという複雑な心境を語っています。
AIへの懸念と情報公開のジレンマ
Pope氏は、新作開発中の情報を公開することで、AIにアイデアを「吸い取られたり」、他の開発者に模倣されたりする可能性を懸念しています。これは厳密なルールではないとしつつも、現状では新作について気軽に話せる状況ではないと感じているとのこと。この懸念が払拭され、以前のように安心して作品について語れるようになることを望んでいるそうです。ゲーム業界におけるAIの進化が、クリエイターの情報発信のあり方にも影響を与えている実情がうかがえます。
プレッシャーと開発への思い
Pope氏は自身を「制作重視」の開発者と表現し、最終的に何かを「生み出すこと」を重視しています。しかし、『Papers, Please』(2013年)や『Return of the Obra Dinn』(2018年)といった2010年代を代表する傑作のクオリティに匹敵する新作を届けられるか、というプレッシャーも抱えているようです。特に『Return of the Obra Dinn』はIGNの「歴代ゲームトップ100」で74位にランクインするなど高く評価されており、その成功を超えることへの重圧があるとのこと。2024年にリリースしたPlaydate専用タイトル『Mars After Midnight』は独自のファンを獲得しましたが、やはり過去の2作品ほどのヒットは難しいかもしれない、と慎重な姿勢を見せています。
成功した作品への複雑な感情
「『Obra Dinn』と『Papers, Please』にはかなり満足しているが、また同じことができるだろうか?」とPope氏は語っています。高評価を得た作品で「有終の美を飾りたい」という気持ちや、次作が失敗して自身の評価を下げることを避けたいという思いもあるようです。物語性、ゲームプレイ、メカニクスといった自身の得意分野に再び注力することはできるとしながらも、次作が「完全に失敗する可能性」も考えているとのこと。これらの懸念が、彼がこれまで新作について沈黙してきた理由の一つである可能性も示唆されています。