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AI研究の最先端を走っていた?『Black & White』25周年で明かされるクリーチャーの驚くべき学習システムとその影響

2026年04月12日 | #ゲーム #発売 | Eurogamer

AI研究の最先端を走っていた?『Black & White』25周年で明かされるクリーチャーの驚くべき学習システムとその影響

25周年を迎えた『Black & White』は、ゲームの歴史だけでなく、現代のAI技術の進化においても重要な足跡を残していることが明らかになりました。プレイヤーが「神」となって巨大なクリーチャーを育成するこのゲームは、その独特なAIシステムにより、リリース当時から大きな注目を集めていました。ゲーム内でプレイヤーの行動に応じて進化するクリーチャーの振る舞いは、後のGoogle DeepMindにおけるAI研究にも影響を与えたとされています。

クリーチャーの予測不能な行動と学習システム

『Black & White』のクリーチャーは、単なるお使いをするペットではありません。AIプログラマーのリチャード・エヴァンス氏でさえ、その行動を完全に予測することはできなかったと語っています。あるデモでは、クリーチャーが排泄物を食べてしまい、その後に村人に吐きかけるといったハプニングも発生したとのこと。しかし、こうした予測不能な行動こそが、クリーチャーに深い知性と学習能力が備わっている証拠でもあります。プレイヤーの教えに応じて善にも悪にも成長し、畑に水をやったり、木材を運んだり、時には子守までこなしたりと、その行動は多岐にわたります。この「データ駆動型」のAIシステムは、従来の「知識駆動型」AIとは異なり、プレイヤーのフィードバックに応じて自ら行動を再構築するという点で画期的でした。

AI研究の「試験台」としてのゲーム

開発者のピーター・モリニュー氏は、本作のクリーチャーAIを「タマゴッチのステロイド漬け」と表現しており、プレイヤーが仮想の存在に対して抱く感情の深さを追求しました。当時、Lionhead StudiosでAIプログラマーだったリチャード・エヴァンス氏は、クリーチャーがプレイヤーの行動から意図を読み取り、それを一般化して学習する「逆強化学習」の概念をゲームに応用しました。この技術は、今日でいう「Few-shot learning(小標本学習)」や「Data-efficient learning(データ効率の良い学習)」に繋がるもので、限られた情報から迅速に学習するという、現代AIが抱える課題の一つにゲームという形で挑んでいました。エヴァンス氏は後にGoogle DeepMindに移籍しており、ゲーム内でのAI研究が現実世界のAI開発に大きく貢献していることがうかがえます。

項目 内容
リリース年 2001年(日本版)
プラットフォーム PC