2025年9月19日に発売の『トワと神樹の祈り子たち』のメディアレビューが公開されMetacriticのメタスコアが集計されました。このページではMetacriticへ寄稿された『トワと神樹の祈り子たち』に対する海外ゲームメディアのレビューを翻訳してまとめています。
メタスコアは70点台前半と、メディア間で評価が大きく割れる結果になりました。水墨画風の美しいビジュアルや崎元仁氏のサウンドトラックが高く評価される一方で、戦闘バランスやテンポ面への不満も根強い作品です。良い部分と気になる部分の両方をフラットに紹介していきますので、購入の参考になれば幸いです。
美しくて惜しい、噛み合わない歯車のローグライト
この『トワと神樹の祈り子たち』は、水墨画とアニメを融合させた息を呑むようなビジュアルと、崎元仁氏による重厚なサウンドトラック、そして「ツルギ」と「カグラ」の2人を同時に操るデュアル戦闘システムが光るローグライトアクションです。ただ、サポートAIの理不尽な被弾や、ダメージスポンジと化したボス戦、テンポを阻害する長大な会話テキストなど、魅力的な素材が噛み合いきっていない印象が強く残ります。「美しい世界にもっと浸っていたいのに、ゲーム側がそれを許してくれない」というもどかしさを感じるかもしれません。
水墨画×アニメの極上ビジュアルと崎元仁サウンドが圧巻
まず多くのメディアが口を揃えて絶賛しているのが、手描き風のアートスタイルです。水墨画や水彩画、日本の伝統絵画を彷彿とさせる繊細なタッチで描かれた世界は「息を呑むほど美しい」と評されていて、プレイ中はずっと「アニメシリーズの中に入り込んだような感覚」が味わえるとのこと。キャラクターデザインも個性的で、筋肉質な鯉の獣人「ニシキ」や、巨大でモフモフなシェフ猫「バンプク」など、見ているだけで楽しくなるキャラクターが揃っています。
音楽も負けていません。『ファイナルファンタジーXII』などで知られる崎元仁氏が手がけたサウンドトラックは、伝統的な和の響きとオーケストラが融合した力強く神秘的な仕上がりです。「ティム・バートンを思わせる楽曲と伝統的な日本の楽曲のミックス」と表現するレビュアーもいて、世界観を音楽面でしっかり支えていますね。声優陣の演技も英語・日本語ともに好評で、個性豊かな「祈り子」たちに確かな命を吹き込んでいます。
ツルギ×カグラの2人で挑む戦闘と、時が流れる「シンジュの里」
戦闘面では、近接攻撃の「ツルギ」と魔法サポートの「カグラ」を同時に操るデュアルコンバットシステムが採用されています。9人のキャラクターから自由にペアを組み合わせることができて、「恩寵」と呼ばれるバフの組み合わせ次第で、敵をスタンさせ続ける構成や属性ダメージを連鎖させる構成など、自分だけのシナジーを見つける楽しさがあります。それまで歯が立たなかったボスを適切なペアで圧倒できた時のカタルシスは格別だと思います。
ツルギは本差と脇差の2本の剣を装備していて、攻撃し続けると耐久値が減少して「Break」状態に陥ります。これを防ぐためにクイックスラッシュで武器を瞬時に切り替えながら戦う必要があり、このリズミカルな武器のジャグリングと必殺技「フェイタルブロウ」が合わさることで、ダイナミックな手触りを生み出しています。
拠点の「シンジュの里」も面白い仕組みになっていて、周回をクリアするたびに村の時間が数十年単位で進みます。かつて子供だったNPCが大人になり、結婚して親になり、やがて老いていく。この世代交代のサイクルが目の前で展開されるのは、ローグライトとしてはかなりユニークな体験ですね。鍛冶屋での武器作成、釣りや縄跳びといったミニゲーム、学校でのサイドクエストなど、村でのアクティビティも豊富に用意されています。
ただし、かなり粗削りなところがあります
ボスが硬すぎて理不尽、視認性も最悪
一方で、戦闘バランスには強い批判が集まっています。ボスのHPが異常に高い「ダメージスポンジ」になっていて、40分かけて道中をクリアした後に、ワンパンやツーパンの理不尽なコンボで即死させられるケースが頻発するそうです。あるレビュアーは「マリオパーティのミニゲーム以上にボタンを激しく連打しながら、ボスのHPをゆっくりと削らなければならない」と表現しています。
さらに致命的なのが視認性の問題。敵の攻撃は赤い範囲マーカーで床に表示されるのですが、ボスの部屋の床自体が赤いことが多く、画面全体がエフェクトで覆い尽くされる「視覚的過負荷」状態に陥ります。予兆なしにマーカーが回転したり、ノーモーションでテレポートしてきたりと、プレイヤースキルでは対処しきれない挙動も散見されるようです。
相棒AIが足を引っ張る問題
もう一つの大きな不満が、サポートキャラクター「カグラ」のAI挙動です。カグラはプレイヤーの回避アクションからワンテンポ遅れて動くため、こちらが完璧に避けても、後方でカグラが勝手に巻き込まれて共有HPをガリガリ削られてしまいます。魔法の詠唱中に遠くに取り残されたり、逆に急にワープしてきて一緒に被弾する「ラバーバンド現象」が起きたりと、足を引っ張る場面が目立つとのこと。
ローカルCo-op(協力プレイ)にもこの仕様が影響していて、2P側はサポート役のカグラしか操作できません。近接戦闘に自由に参加できないため、2P側にとっては「非常に退屈で不公平な体験」になってしまっているようです。
会話が長すぎてローグライトのテンポが死ぬ
道中の戦闘ループが反復的な点も指摘されています。『Hades』のような自動生成の多様性が薄く、「同じ部屋で、同じ敵が、同じウェーブで、同じモーションで出現する」事態が頻発するそうです。雑魚敵の動きは「泥の中を走っているように」もっさりしていて、赤いマーカーを避けてボタン連打でスタンさせるだけの作業に陥りがちだとか。
さらに、拠点でのフルボイス会話が非常に長い割に内容が薄いとの声も。あるレビュアーはこれを「電話を自分から切ろうとしない恋人たちのよう」と皮肉っています。序盤から「ツルギ」「カグラ」「マガツ」「マガオリ」といった固有名詞が大量に押し寄せるのも、テンポを阻害する要因になっています。
ツルギの「武器が壊れる」システムにも批判があります。一見すると深い戦略性がありそうですが、実際にはボタン一つで瞬時に切り替えるだけで耐久値がリセットされるため、「ただ定期的にボタンを押すだけの面倒な作業」に成り下がっているとのこと。ゲームに深みを与えているように見せかけた「イリュージョン(幻想)」に過ぎないという厳しい声もあります。
好みが真っ二つに分かれるポイント
仲間の「犠牲」システム:感動か、ただのストレスか
ランの終わりにサポート役のカグラを「村の儀式のために犠牲にする」というシステムについては、評価が真っ二つに分かれています。
肯定派は、愛着ある仲間が消えていく喪失感と、シンジュの里の時間が無情に過ぎ去る描写が見事にリンクしており、「自己犠牲」というテーマが胸を打つと評価しています。強制的にキャラクターが離脱することで、終盤でも新しい組み合わせを試さざるを得ない状況を作り出す秀逸なデザインだという声もあります。
一方で否定派は、犠牲になる際のリアクションが「じゃあ殺して!またね!」程度にあっさりしすぎていて、本来あるべき悲壮感が全く伝わらないと批判しています。さらにストーリー後半でその犠牲の重みを無効化するような展開もあるようで、「感情を揺さぶるポテンシャルがあったのに完全に無駄遣いしている」と落胆する声が多く挙がっています。
「鍛冶」ミニゲーム:職人気分か、ただの作業か
鉱石を使って剣を打ち直す「鍛冶」システムについても賛否両論です。肯定派は、ハンマーで叩くタイミングやQTEの成績で剣のステータスが変わる仕組みを「職人感覚で楽しい」と評価していて、「恩寵」や宝石の装着によるビルドのカスタマイズ性の高さも好印象のようです。
否定派にとっては、アクション主体のローグライトで長時間の鍛冶ミニゲームは「ゲームのスピード感を殺す無駄な作業」でしかないとのこと。あるレビュアーは「『Kingdom Come: Deliverance II』も羨むほどの複雑さ」と表現しています。スキルツリーやステータス画面のUIが煩雑で直感的でない点も、不満を増幅させているようです。剣の形状を細かくカスタマイズしても、クォータービューの戦闘画面では小さすぎてほとんど見えないという指摘もありました。
『Hades』フォロワーとしての完成度
本作は名作『Hades』を意識した作りですが、その評価も分かれています。肯定派は、デュアルコンバットや村の育成、美しいグラフィックで独自のアイデンティティを確立した「単なるクローン以上の良作」だと評価。一方で否定派は、ローグライトの命であるランダム性が決定的に不足しており、部屋の構造や敵の出現パターンに変化が乏しいため、『Hades』の「何度死んでも止められない中毒性」は得られず、単なる反復作業を強いられるだけだと厳しく批判しています。
メディアレビュー紹介
高評価
Video Chums — 84
息を呑むほど美しい和風グラフィックと、魅力的なキャラクター達に心を奪われる傑作だ。前衛の「ツルギ」と後衛の「カグラ」を操る戦闘は極めて独創的であり、武器の耐久度を管理する瞬時の切り替えが熱い。村での鍛冶ミニゲームや、仲間の犠牲という涙を誘う展開も没入感を高め、遊べば遊ぶほど奥深さに夢中になる!
→ レビューを読むGamesurf — 80
伝統的な水墨画を思わせる手描きアートと、崎元仁氏による壮大な音楽が至高の空間を作り出している。ツルギとカグラの2人を同時に管理する戦闘は、ハクスラに深い戦術性をもたらした。シンジュ村の復興や奥深い武器鍛造など、緻密な育成要素も素晴らしく、一度遊べばやめ時を見失うほどの魅力に満ち溢れた一作だ。
→ レビューを読むWorth Playing — 80
『Hades』の影響を受けつつも、独自の魅力を確立した良作だ。錦鯉の剣士ニシキや凄腕のレッカなど、個性豊かなキャラを操る爽快感は抜群。武器が壊れる前に「クイックスラッシュ」で瞬時に持ち替える戦闘テンポが非常に心地よい。豪華なサウンドと美しい背景美術も相まって、毎回のランが楽しくて仕方がない。
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低評価
DualShockers — 55
プレイヤーの時間を全く尊重していない。武器破壊システムは一瞬で持ち替えて回避できる「見せかけの奥深さ」に過ぎない。赤い床に赤い範囲攻撃を重ねる視覚的パニックや、勝手に被弾する後衛キャラのせいでボスの難易度が理不尽なものに成り下がっている。薄っぺらい感動の押し売りにもうんざりさせられる駄作だ。
→ レビューを読むCritical Hits — 65
斬新さを狙ったアイデアがすべて空回りしている。耐久度システムはただ面倒なだけで、後衛キャラは足手まといの荷物でしかなく、戦闘のテンポを著しく阻害している。PS5版でありながらテクスチャは粗くジャギーも目立ち、長たらしく退屈な会話がゲームの進行をさらに重くする。ポテンシャルを無駄にした一本だ。
→ レビューを読むMalditos Nerds — 70
アニメ調の美しいビジュアルや村の発展要素など光る部分はあるが、致命的なバランスの悪さがすべてを台無しにしている。特にサポート役のAIは「助け」ではなく「障害」であり、理不尽な被弾を繰り返してストレスを増幅させる。物語も陳腐なクリシェに頼りすぎており、せっかくの緊迫感や没入感を大きく削いでいる。
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まとめると
- 水墨画とアニメが融合した手描き風ビジュアルは本作最大の魅力で、「息を呑むほど美しい」と絶賛されている
- 崎元仁氏による和とオーケストラを融合したサウンドトラックが世界観を見事に彩っている
- ツルギとカグラの2人を操るデュアル戦闘システムには、ペアの組み合わせやシナジーを探す楽しさがある
- 拠点「シンジュの里」では周回ごとに数十年が経過し、NPCの世代交代が描かれるユニークな仕組み
- ボスのHPが異常に高い「ダメージスポンジ」で、範囲攻撃の視認性も最悪と戦闘バランスに強い不満
- サポートAI「カグラ」が回避に遅れて共有HPを削られる事故が多発し、Co-opも2P側が不公平
- 拠点での会話テキストが冗長で、ローグライト本来のテンポを著しく阻害している
- 周回での部屋や敵パターンの使い回しが多く、『Hades』のようなランダム性・中毒性が不足
- 武器の耐久値管理システムは形骸化しており、戦略性よりも作業感が勝る
- 仲間を犠牲にするシステムや鍛冶ミニゲームは、楽しめるかどうかが好みで大きく分かれる
製品情報
| 項目 | 詳細 |
|---|---|
| タイトル | トワと神樹の祈り子たち |
| ジャンル | アクションアドベンチャー(ローグライト) |
| 開発 | バンダイナムコエンターテインメント / ブラウニーズ |
| 発売日 | 2025年9月19日 |
| 対応機種 | Nintendo Switch / PS5 / Xbox Series X |
| プレイ人数 | 1人(ローカルCo-op時2人) |
| 価格 | 通常版 3,600円+税 / デジタルデラックスエディション 4,500円+税 |










