2022年2月25日に発売の『ELDEN RING(エルデンリング)』のメディアレビューが公開されMetacriticのメタスコアが集計されました。このページではMetacriticへ寄稿された『ELDEN RING』に対するゲームメディアのレビューを翻訳してまとめています。
メタスコアは90代後半という驚異的なスコアを記録しており、多くのメディアが歴史的傑作として絶賛しています。もちろん気になる点もありますので、良い部分も悪い部分もあわせて紹介していきます。購入の参考になれば幸いです。
「広大すぎる世界」に放り出されたら、もう戻れません
この『ELDEN RING』は、フロム・ソフトウェアが手がけたソウルライクシリーズの集大成ともいえるオープンワールドアクションRPGです。George R.R. Martinが構築した重厚な神話をベースに、宮崎英高監督の「語りすぎない」ストーリーテリングが融合した世界「狭間の地」は、とにかく圧倒的なスケール。画面の奥に見える黄金樹やそびえ立つ城、怪しげな遺跡——目に見えるほぼすべての場所に実際に行けてしまうという自由度が、このゲーム最大の魅力だと思います。
戦闘面では、武器の戦技を自由に付け替えられる「戦灰」や、霊体を召喚して共闘できる「遺灰」といった新システムが加わり、自分だけのプレイスタイルを組み立てる楽しさが格段に増しています。強敵に行き詰まったら別の場所を探索してレベルを上げればいい、という構造自体が最大の救済措置になっているので、シリーズ初挑戦でも比較的遊びやすいかもしれません。
ただし、PC版を中心としたパフォーマンス問題や、終盤の極端な難易度上昇など、手放しで完璧とは言い切れない部分もあります。
好奇心だけで100時間溶ける探索の魔力
「狭間の地」の探索体験は、『ゼルダの伝説 ブレス オブ ザ ワイルド』に匹敵するとまで評されるほどのスケールと自由度を誇ります。マップ上にクエストマーカーが散りばめられるようなことはなく、プレイヤー自身の好奇心だけが探索の原動力になるんですね。遠くに見える遺跡が気になって寄り道したら、気づけば深夜まで謎解きに没頭していた——そんな「冒険への衝動」が絶えず刺激される作りになっています。
指笛ひとつで呼び出せる霊馬「トレント」の存在も大きいです。スタミナ消費なしで疾走し、二段ジャンプで崖も飛び越えられるので、広大なマップの移動がまったく苦にならない。あるレビュアーは「マリオとルイージが嫉妬するほどの超自然的なジャンプ」と表現していて、まさにそのとおりだと思います。
フィールド上にはいきなり巨大なフィールドボスが出現することもあり、周囲の木々がなぎ倒されるような大スケールの戦闘が始まります。さらに夜になると出現するボスが変わる仕組みまであるので、同じ場所を通っても新しい発見がある。この世界、本当に飽きません。
「戦灰」と「遺灰」が変えた戦いの幅
戦闘システムの進化も見逃せません。「戦灰」は武器の戦技と属性を自由に変更できるシステムで、たとえば重戦士なのに魔法の剣技を振るう、なんてビルドも組めてしまいます。さらに「遺灰」で狼の群れやクラゲといった霊体を召喚すれば、ボスのターゲットを分散させて回復の隙を作ったりと、ソロプレイでも戦略の幅が劇的に広がっています。
新たに導入された「ガードカウンター」も優秀です。盾で防いだ直後に強攻撃を叩き込むだけで敵の体勢をガッツリ崩せる。パリィほどシビアなタイミングは要求されないので、防御から致命の一撃への流れが直感的に決まるのが気持ちいいですね。ジャンプ攻撃も加わったことで、『Sekiro』のような立体的な立ち回りも可能になり、戦闘全体のダイナミズムが大きく向上しています。
死と隣り合わせの「レガシーダンジョン」がたまらない
オープンワールドの各所に点在する「レガシーダンジョン」は、過去のソウルシリーズの真骨頂ともいえる存在です。ストームヴィル城に代表されるこれらのエリアは、罠とショートカットが複雑に絡み合う迷路のような構造になっていて、屋根から屋根へ飛び移るような立体的な探索もできます。広大なオープンフィールドとは対照的に、一歩間違えれば即死という濃密な緊張感がたまりません。
息を呑むダークファンタジーの美学
黄金に輝く大樹、毒々しい赤い腐敗にまみれた沼地、風車小屋が立ち並ぶ祝祭の村——訪れるエリアごとにまったく異なる色彩と生態系が用意されていて、飽きることがない。あるレビューでは「ローマ教皇の帽子をかぶった巨大な亀から最も強力な呪文を学んだ」というシュールな出来事まで語られていて、この世界の引き出しの多さには本当に驚かされます。
サウンドトラックも素晴らしく、静かな探索時にはアンビエントな音楽が世界に溶け込み、ボス戦では脈拍を早めるような壮大なオーケストラに変わります。細部の効果音が世界にリアルな実在感を与えているのも見事ですね。
ただ、気になる点もあります
PC版のパフォーマンスはかなり厳しい
特にPC版において、開けた場所でのボス戦やフィールド移動時に深刻なフレームレートの低下やカクつき(スタッタリング)が頻発するという報告が相次いでいます。敵の攻撃をギリギリで回避するゲーム性だけに、ここで処理落ちが起きるのは致命的です。トレントで高速移動するとテクスチャが読み込めず突然画面上に現れる「ポップイン」現象も目立つようで、稀にクラッシュや無限ロードに陥る報告もあります。
終盤のボスと「使い回し」問題
世界が広大すぎる弊害として、中盤以降の小規模ダンジョンの構造が似通ってくるのは否めません。地下墓地や坑道のギミックパターンが画一的で、『Bloodborne』の聖杯ダンジョンのような単調さを感じる場面もあります。序盤に強敵として立ちはだかったボスが中盤以降は通常の敵として配置されたり、2体同時に出現したりと、ボスの「使い回し」も散見されます。
さらに終盤になると敵の攻撃力が異常に跳ね上がり、隙のない連続攻撃やディレイ攻撃が乱発されるようになります。それまでの絶妙なバランスが崩れたと感じるプレイヤーもいて、強制的なレベル上げを余儀なくされるケースも。カメラワークの問題やメニューの煩雑さなど、シリーズお馴染みの欠点が解決されていない点も指摘されています。
賛否が分かれるポイントもある
「導き」がないことの功罪
本作にはクエストログも目的地マーカーもありません。NPCの曖昧な発言を頼りに、自分で推理しながら世界を切り拓いていくスタイルです。これを「現代のオープンワールドにありがちなチェックマーク埋め作業を排除した英断」と絶賛する声が圧倒的多数派。自力で発見する喜びこそがこのゲームの本質だという意見ですね。
一方で、NPCのイベントフラグが不可視なせいで、知らないうちにNPCが死亡してイベントが進行不能になったり、広大な世界で途方に暮れたりすることへの不満も根強くあります。
「遺灰」は救済か、それとも甘やかしか
「遺灰」による霊体召喚や、ボス直前の「マリカの楔」による瞬時リトライなど、従来のソウルシリーズより明らかに間口が広くなっています。強敵に詰まっても別の場所で強くなれるオープンワールド構造そのものが最大の救済措置だという評価が多数派です。
しかし、遺灰の性能が高すぎて召喚するだけで敵のAIが崩壊してしまうため、フロム作品本来の「死闘の末のヒリヒリした達成感」が損なわれているとの指摘もあります。馬上戦闘もヒット&アウェイを繰り返すだけの大味な作業になりがちだという声も。
集大成か、「ダークソウル4」か
本作を『Demon’s Souls』から培ってきた極上の戦闘と成長システムを完璧にオープンワールドへ落とし込んだ「究極の集大成」と評価する声がある一方、操作感やモーション、さらにはドアを開ける効果音まで過去作の流用が多く、「オープンワールドになっただけの『Dark Souls 4』」と批判する声もあります。特に『Sekiro』のような革新を期待した層からは、旧態依然としたゲームエンジンへの厳しい意見が出ています。
メディアレビュー紹介
高評価
Attack of the Fanboy — 100
本作はまさに「ダークソウルのブレス オブ ザ ワイルド」だ!広大な「狭間の地」を霊馬トレントで駆け巡り、数々のダンジョンや巨大な火の巨人との死闘に挑む体験は驚きと興奮の連続である。霊体召喚やクラフトといった新システムも秀逸で、過去10年における最高のオープンワールドRPGと断言できる歴史的傑作だ。
→ レビューを読むHardcore Gamer — 100
息を呑むほど巨大で濃密なオープンワールドを舞台にした、フロム・ソフトウェアの野心作にして究極の進化形だ!「戦灰」による自由な戦技カスタマイズや霊馬での探索、昼夜のサイクルによって変貌する危険な世界がプレイヤーを虜にする。無慈悲なボスを打ち倒した際の圧倒的な達成感は、他の追随を許さない最高傑作である。
→ レビューを読むHey Poor Player — 100
フロム・ソフトウェアのビジョンが見事に結実した究極のソウル体験だ!開始早々ツリーガードに粉砕される絶望感から、霊馬で世界を駆け巡り己を鍛え上げる自由な探索へと繋がる導線が素晴らしい。「戦灰」によるビルドの多様化や遺灰の召喚など、初心者への配慮とシリーズ屈指の歯応えが同居する文句なしの傑作である。
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低評価
Cubed3 — 70
広大なオープンワールドの構築は評価できるが、終盤の30〜40%は反復的でひどく間延びする。ボスのバランス調整も極端であり、予測不能な連続攻撃や劣悪なカメラワークによって、プレイヤーの技量よりも理不尽さが勝ってしまう。PC版のフレームレート低下や不格好なナビゲーションなど、無視できない欠陥が多い。
→ レビューを読むPCMag — 70
ゲーム自体は素晴らしいアクションRPGだが、PC版の最適化不足が全てを台無しにしている。カメラを動かすたびに生じるカクつきや、ボス戦でキャラクターが瞬間移動してしまうほどの深刻なスタッタリングはプレイ体験を著しく損なう。この不快なパフォーマンスの欠陥が、本作の評価を大きく下げる致命的な要因だ。
→ レビューを読むSiliconera — 70
PC版の深刻なパフォーマンス問題が本作の足を大きく引っ張っている。ツリーガード戦などで数秒間フリーズする現象は非常にストレスだ。さらに、プレイヤーは『ダークソウル』の動きなのに敵は『SEKIRO』のような理不尽なスピードで襲いかかり、生命力へのステータス振りが強制される戦闘バランスも大きな不満である。
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まとめると
- 「狭間の地」は好奇心だけで何十時間も探索できる圧倒的なスケールのオープンワールド
- 霊馬トレントによる移動と騎乗戦闘が広大なフィールド探索を快適にしている
- 「戦灰」と「遺灰」により、自分だけのプレイスタイルと戦術を自由に構築できる
- レガシーダンジョンは過去のソウルシリーズの濃密な探索体験をしっかり継承している
- George R.R. Martinと宮崎英高の融合による世界観とアートは息を呑む美しさ
- PC版を中心にフレームレート低下やスタッタリングが深刻
- 中盤以降の小ダンジョンやボスの使い回しにより水増し感が出てくる
- 終盤の難易度上昇が極端で、バランスの崩壊を感じる場面がある
- クエストログやマーカーがないことは自由の象徴でもあり、不親切さの象徴でもある
- 遺灰やマリカの楔で遊びやすくなった反面、従来の緊張感が薄れたとの声も
製品情報
| 項目 | 詳細 |
|---|---|
| タイトル | ELDEN RING(エルデンリング) |
| ジャンル | アクションRPG |
| 開発 | フロム・ソフトウェア |
| 発売日 | 2022年2月25日 |
| プレイ人数 | 1人〜4人 |










