2026年2月に発売の『ゴッド・オブ・ウォー スパルタの申し子』のメディアレビューが公開されMetacriticのメタスコアが集計されました。このページではMetacriticへ寄稿された『ゴッド・オブ・ウォー スパルタの申し子』に対する海外ゲームメディアのレビューを翻訳してまとめています。
メタスコアは60点台と、やや厳しめの評価。2Dメトロイドヴァニアというジャンルへの挑戦は買えるものの、シリーズファンの期待に応えきれなかった部分が多いようです。購入の参考になれば幸いです。
神話をマッチ箱に詰め込んだような冒険
この『ゴッド・オブ・ウォー スパルタの申し子』は、シリーズの戦闘システムを2Dメトロイドヴァニアに落とし込み、若きクレイトスと弟デイモスの物語を掘り下げた意欲的なスピンオフです。初代声優T.C. Carsonの深みある語りや、槍と盾を使った戦術的な戦闘など光る要素はたしかにあります。ただ、率直なところ課題の方がかなり目立つかもしれません。敵の使い回し、テンポの悪い育成システム、シリーズが誇る壮大なスケール感の欠如。「エピックなゲームがマッチ箱に詰め込まれたかのよう」というレビュアーの比喩が、この作品の立ち位置をよく物語っていると思います。
色違いの敵を延々と突き続ける単調さ
本作で最も批判が集まっているのが、中盤以降の戦闘の単調さです。同じ行動パターンの敵が「色が違うだけの4つの亜種」として次々と登場するため、どうしても作業感が出てしまいます。槍での突き攻撃が主体でコンボの広がりも薄く、代わり映えのしない通路で似たような敵を処理し続ける時間が長い。
スタンメーターを溜めた後の「処刑」アニメーションも、メインシリーズのような残虐性や多様性に欠けており「精彩を欠く」という声があります。ボス戦はいくつか良いものがあるようですが、「多くは記憶に残らない」とされており、シリーズ特有の巨大セットの不在が寂しさを感じさせますね。
探しても探しても報われない収集要素
メトロイドヴァニアの醍醐味は「探索して新しいものを見つける喜び」のはずですが、マップ上の宝箱の大半がクラフト素材で、操作感を劇的に変えるような装備品はなかなか手に入りません。本編からただ収集要素だけを形骸化して持ち込んだような印象です。
マップUIの視認性も低く、「見落としているのか、単にツールがないだけなのか」が分からない場面がけっこうある。プレイヤーが不必要に同じ場所をさまよう原因になっています。
パリィすら使えない序盤のもどかしさ
アクションゲームの基本であるはずのパリィが、スキルツリーでロックされている仕様には首をかしげます。序盤から戦術の選択肢が人為的に狭められており、さらにアップグレード素材の入手量も絞られているため、強化のテンポが非常に悪い。
操作面にも独特のクセがあります。ペースの速い2Dアクションなのに移動がアナログスティック限定(十字キー非対応)で、ハシゴの昇降に専用ボタンの長押しが必要。壁や床を貫通して敵を攻撃できてしまう、当たり判定の粗さも報告されています。
協力プレイのハードルが高すぎる
売りであるはずの2人ローカル協力プレイモード「アゴニーの穴」が本編クリアまでロックされているのも大きな不満点。協力プレイ目当てで購入した場合、片方のプレイヤーが10時間以上かけてクリアしていなければ遊べません。不可解と批判されるのも無理はないかもしれません。
ただ、光る部分もある
槍と盾が生み出すバトルの駆け引き
批判が多い本作ですが、戦闘の基本設計自体は評価されています。従来のブレイズ・オブ・カオスによる広範囲の薙ぎ払いから、槍と丸盾を使った「より制御された戦闘」へとスタイルが変わり、突き、位置取り、ブロック、パリィ、間合いの管理が重要になります。
敵の攻撃予兆を色で示す「カラーインジケーター」も面白いシステムです。赤は回避必須、青は防御可能、黄色はパリィ推奨という「ジャンケンのようなシステム」が構築されていて、状況に応じた判断が求められます。R1ボタンと通常攻撃を組み合わせた「スピリット攻撃」でスタンメーターを溜め、処刑で仕留める流れは、なかなか気持ちいい。
若きクレイトスの人間味に触れる物語
もうひとつの魅力は物語の語り口。老クレイトスが娘カリオペに向けて若き日の出来事を語り聞かせるという形式で、初代声優T.C. Carsonの「静かで、すでに折り合いをつけた物語を語るかのような」深みのある演技がファンから絶賛されています。
弟デイモスとの軽口や、まだ怒りに支配されていない訓練生時代のクレイトスの姿は、後の悲劇を知っていると見事なドラマチック・アイロニーですね。
賛否両論、ピクセルアートという選択
本作が採用したピクセルアートについては、評価がはっきり割れています。
肯定派は「コミックブックに命が吹き込まれたよう」と表現し、絵画的な背景と詳細なドット絵の融合が2Dの制約の中でもシリーズらしさを表現できていると評価。オーケストラとチップチューンを融合させた音楽性も好意的に受け止められています。
一方で否定派は、シリーズの代名詞である壮大なスケール感が失われていることを指摘。「GBAのゲームのよう」という辛辣な比喩が飛び交っており、『Hollow Knight』のような傑作がある現代において、巨大IPがピクセルアートに逃げたのは「やや怠慢」だという声もあります。
シリーズのトーン変化も議論の的です。復讐鬼になる前のクレイトスのユーモアや人間味を新鮮だと歓迎する声がある一方、初期ギリシャ編の圧倒的なゴア表現や暴虐さを愛する古参ファンにとっては、この青春ドラマ的なトーンは受け入れがたいレビュアーもいるようです。
メディアレビュー紹介
高評価
GamingBolt (pc) — 90
本作はシリーズの伝統を打ち破る、最高にスリリングな2Dプラットフォーマーだ!緻密なピクセルアートの世界は美しく、若きクレイトスと兄デイモスの人間味溢れるやり取りが胸を打つ。槍と盾を用いた戦闘は奥深く、猛毒と空爆を駆使する怪鳥アパテとの死闘など、ボス戦の多様性と完成度には興奮を禁じ得ない!
→ レビューを読むIGN Benelux (pc) — 80
怒れる神となる前の若きクレイトスを描く、極めて意義深い原点だ!スパルタの訓練所アゴゲを舞台とする物語は、かつてない親密さに満ちている。双剣ではなく槍と盾を手に、的確なパリィで敵を崩す戦闘は非常に洗練され、緻密なマップ構造と相まって、見事なメトロイドヴァニアの傑作を創り出している!
→ レビューを読むCOGconnected (pc) — 80
初代声優T.C.カーソンの重厚な語りが響く、見事なレトロ風メトロイドヴァニアだ!厳格なクレイトスと型破りな弟デイモスの対比が深い人間味を引き出している。敵の攻撃を色で判別してパリィや回避を使い分け、スタンゲージを溜めて粉砕する重層的な戦闘は驚くほどスリリングで、プレイヤーを熱狂の渦に巻き込む!
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低評価
Gaming Boulevard (pc) — 75
巨大IPの新作として、ピクセルアートの採用は怠慢と言わざるを得ない。同ジャンルの傑作と比べ、視覚的な地味さは致命的だ。オリンポスの恩恵を駆使する探索は悪くないが、マップUIが不親切で迷いやすく戦闘も軽すぎる。何より記憶に残る壮大なボス戦が存在しない点は、本シリーズの魅力を完全に損なっている。
→ レビューを読むXGN (pc) — 75
GBAのゲームのようにスケールが小さく、シリーズ特有の壮大さが全く感じられない。戦闘は槍で突くばかりで奥深いコンボもなく、敵は色違いばかりで非常に反復的だ。さらに不可解なのは、協力プレイが本編クリア後にならないと解放されない点であり、プレイヤーの熱意を大きく削ぐ残念な仕様と言わざるを得ない。
→ レビューを読むPlayStation Universe (pc) — 75
メトロイドヴァニアとしては凡庸で、『Hollow Knight』のような最高峰には遠く及ばない。若きクレイトスとデイモスの軽口やコメディ調の会話は、旧作の殺伐とした世界観を愛するファンには到底受け入れがたいだろう。目玉である協力プレイ「苦悩の穴」をクリア後まで封印した点も全くもって不可解だ。
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まとめると
- シリーズの戦闘を2Dメトロイドヴァニアに落とし込んだ意欲作だが、全体的に課題が多い
- 中盤以降、敵の色違い・使い回しが目立ち戦闘が作業的になりやすい
- 探索の報酬が素材ばかりで、メトロイドヴァニアとしての発見の喜びが薄い
- パリィがスキルツリーでロックされ、育成テンポの悪さが序盤のストレスに
- 協力プレイモード「アゴニーの穴」がクリア後限定という不可解な仕様
- T.C. Carsonの語りや若きクレイトスの人間味ある物語は魅力的
- 槍と盾を使った戦術的な戦闘設計自体は優秀
- ピクセルアートやトーンの変化は完全に賛否両論
製品情報
| 項目 | 情報 |
|---|---|
| タイトル | ゴッド・オブ・ウォー スパルタの申し子 |
| ジャンル | 2Dメトロイドヴァニア / アクションアドベンチャー |
| 発売日 | 2026年2月13日 |
| 対応機種 | PS5 / PC |
| プレイ人数 | 1人(クリア後ローカル2人協力プレイ対応) |
| プレイ時間目安 | 全5章(各章約2時間) |










