2025年9月30日に発売の『ファイナルファンタジータクティクス – イヴァリース クロニクルズ』のメディアレビューが公開されMetacriticのメタスコアが集計されました。このページではMetacriticへ寄稿された『ファイナルファンタジータクティクス – イヴァリース クロニクルズ』に対するゲームメディアのレビューを翻訳してまとめています。
メタスコアは80代後半という高い評価を獲得しており、多くのメディアが本作を戦術RPGの最高峰と称賛しています。一方で、PSP版で追加されたコンテンツが収録されていない点や、グラフィックの表現に対して賛否が分かれる部分もあります。購入の参考になれば幸いです。
28年の時を超えて蘇った”戦場のシェイクスピア”
この『ファイナルファンタジータクティクス – イヴァリース クロニクルズ』は、1997年にPlayStationで発売された戦術RPGの金字塔を、全編フルボイス化と現代的な快適機能で蘇らせた傑作リマスターです。身分闘争や政治的陰謀が渦巻く重厚な物語は、28年が経った今でもまったく色褪せていません。むしろ「ゲーム・オブ・スローンズのようだ」と複数のメディアに評されるほど、現代の感覚にぴったりハマっているかもしれません。
ジョブシステムの奥深さ、練り込まれたUI改善、そして圧巻のフルボイスという豪華な仕上がりは文句なし。ただし、PSP版『獅子戦争』の追加コンテンツが一切収録されていない点や、クラシックモードがほぼ放置されている点など、惜しいと感じる部分もしっかり残っています。「最高のリマスター」と言い切りたいところですが、あと一歩で完璧を逃している印象ですね。
物語に命を吹き込んだフルボイスが圧巻すぎる
本作最大の目玉は、なんといっても全編フルボイス化でしょう。新たに収録されたボイスの品質は「ロイヤル・シェイクスピア・カンパニーの上演のようだ」と絶賛されるほどで、古風で詩的なセリフ回しが見事に命を吹き込まれています。主人公ラムザ役のJoe Pittsが魅せる純真さとシニカルさの入り混じった演技、ダイスダーグ役のBen Starrの熱演は特に評価が高いですね。
もともとテキストだけでも十分に重厚だった政治劇が、声と感情を得たことで段違いの説得力を持つようになりました。戦闘中のセリフもフルボイスで再生されるので、キャラクター同士の緊迫した関係性がより生々しく伝わってきます。あるレビュアーは「まるでこの一つの脚本のためにキャリアのすべてを待っていたかのような俳優の演技だ」と表現していて、それは大げさでもないかもしれません。
「チェスの交響曲」——ジョブシステムの底なし沼
20種類以上のベースジョブにサブジョブやアビリティを自由に組み合わせるカスタマイズ性は、28年が経った今でもまったく色褪せていません。「交響曲的なチェス」と比喩されるほどの戦略性で、忍者に二刀流と黒魔法を組み合わせたり、騎士にアイテム使用をセットしたりと、プレイヤーごとの自由な部隊編成をとことん突き詰められます。
エンハンスドモードではアビリティのコストやチャージタイム(詠唱時間)が再調整されていて、かつては発動前に敵に行動されがちだった高位の黒魔法なども実用的になりました。後半の敵やボスのHPも増加しているので、強力なユニークキャラだけで蹂躙するのは難しくなっています。この絶妙なバランス調整は、新規プレイヤーにも古参にも嬉しいポイントだと思います。
地味だけど偉い——快適機能がとにかく充実
派手さはないですが、今回のリマスターで追加された快適機能の充実ぶりは本当に素晴らしいです。
『FINAL FANTASY XVI』にインスパイアされた「年代記」メニューは、膨大な登場人物の相関図やイヴァリースの地政学的な変化をいつでも確認できる百科事典のような機能。複雑な群像劇についていけなくなっても、これさえあれば安心です。
戦闘面では、R2ボタン長押しで切り替わるタクティカルビューが便利で、真上からのグリッド視点で高低差を正確に把握できます。画面左端に常時表示されるターン順バーのおかげで、魔法の詠唱タイミングと敵の行動順を計算した緻密な戦術が立てやすくなりました。
L1・R1ボタンによるアニメーションの早送りや、ランダムエンカウントのオンオフ切り替えも実装されていて、育成のための戦闘とストーリー進行の切り替えが非常にスムーズ。地味に見えて、遊び心地を劇的に変えてくれる改善点ばかりです。
ただ、見逃せない注意点もある
『獅子戦争』の追加コンテンツが丸ごと未収録
ここはかなり残念なポイントです。本作は1997年のPS1版をベースにしているため、PSP版『獅子戦争』で追加された暗黒騎士やたまねぎ剣士といったジョブ、バルフレアやルッソなどのゲストキャラクター、新規カットシーンが一切収録されていません。「完全版」を期待していたファンにとっては、かなり痛い欠点だと思います。
詰みポイントは相変わらず健在
チャプター3の特定のボス戦など、事前の育成や特定のアビリティ対策が必須となるシビアな戦闘がそのまま残っています。不用意にセーブを上書きしてしまうと進行不能になりかねないので、複数のセーブデータを分けて管理する自己防衛が必要です。オリジナル版を遊んだことがある人なら「ああ、あの戦闘ね…」と思い当たるかもしれません。
クラシックモードは正直「おまけ」レベル
オリジナル版をそのまま遊べるクラシックモードが収録されていること自体はいいのですが、このモードには早送り機能やUI改善などの便利機能が一切適用されていません。実績(トロフィー)の対象外になっているうえ、自軍と敵軍のカラーパレットが入れ替わるバグも報告されています。正直、あえてこちらを遊ぶメリットはかなり薄いですね。
リップシンクの違和感とカメラの死角
フルボイスに合わせてキャラクターの口が動くリップシンク機能が実装されていますが、その動きは「黒い線が不自然に広がったり縮んだりするだけ」と評されていて、直視するとちょっと気になる仕上がりです。また、高い壁や入り組んだ地形のマップでは、カメラアングルが機能しづらく視認性が落ちる場面も残っています。
「水彩画風」グラフィック——好みが真っ二つに割れる
エンハンスドモードで採用されたグラフィックスタイルについては、プレイヤー間で意見がはっきり分かれています。
ピクセルアートに「水彩画のような(Painterly)」フィルターをかけた新しいビジュアルは、イヴァリースのルネッサンス的な雰囲気に美しくマッチしているという声があります。プレイを進めるうちに愛着が湧き、洗練されたUIやフルボイスと組み合わさることで最高の体験になるという肯定派の意見ですね。
一方で、昔ながらのシャープなドット絵を好む層からは違和感を覚えるという指摘も出ています。問題は、エンハンスドモードの便利機能を使いながら旧グラフィックに切り替えるオプションが存在しないこと。オリジナルの見た目で遊びたければ、すべての快適機能を捨ててクラシックモードを選ぶしかありません。
全体としてはリマスターのクオリティを絶賛する声が圧倒的多数ですが、「グラフィック切り替えオプションさえあれば完璧だった」という「惜しい」という意見はメディア間でも共通の見解のようです。
メディアレビュー紹介
高評価
Eurogamer — 100
ラムザ・ベオルブの階級闘争を描く物語が、素晴らしいフルボイスと歴史的記録という新たな解釈で蘇った!ラムザ役のJoe Pittsの演技は見事で、R1ボタンでの早送りや行動順の可視化などUIの進化も神の恵みだ。PSP版の追加要素を削ぎ落とした決断も、原作の純粋な魅力を際立たせている。最高傑作だ!
→ レビューを読むCGMagazine — 100
本作は戦術RPGの金字塔を現代の基準へと引き上げた奇跡のリマスターだ!フルボイス化とFF16風の「Chronicle」メニューが、ラムザの直面する複雑な政治的陰謀の理解を劇的に深めてくれる。R2ボタンによる俯瞰視点や任意のランダムエンカウントなど、数々の改善で名作の欠点が見事に払拭された!
→ レビューを読むHardcore Gamer — 100
原作と強化版の両方を収録したファン垂涎の完璧なリマスターだ!フルボイス化でキャラクターの個性が生き生きと描かれ、物語に新たな魂が吹き込まれた。黒魔道士に白魔法をセットするなど、奥深いジョブ育成の面白さは健在である。PSP版要素の未収録も気にならないほど、圧倒的な熱量と愛で蘇った傑作だ!
→ レビューを読む
低評価
Critical Hits — 95
本作の現代化は評価できるが、見過ごせない欠陥もある。クラシックモードには早送りやフィルター機能が適用されておらず、味方が敵の色に変わる混乱を招くバグまで放置されているのは怠慢だ。暗黒騎士やバルフレアなどPSP版の追加要素が削られた点も痛手である。複雑な政治劇を楽しむには不親切な仕様も目立つ。
→ レビューを読むRPG Fan — 99
傑作の復活に水差す不満点が残る。新たに追加された読み物は文章が分かりにくく、世界観にそぐわない退屈な仕様で読む価値がない。グラフィックの処理も不自然で、会話時のキャラクターの不気味な口の動きは直視に耐えない出来だ。サントラの刷新が見送られ、PSP版コンテンツが排除された点も非常に遺憾である。
→ レビューを読むGuardian — 100
本作に甘美なファンタジーを期待してはならない。プレイヤーの選択が介入する余地のない、極めて冷酷で陰惨な歴史の記録である。ラムザ達は運命の駒に過ぎず、トラウマがトラウマを生む絶望の連鎖が続く。富裕層が権力を握り、正義を貫く者が異端者として迫害される泥沼の階級闘争は、息が詰まるほどの理不尽さだ。
→ レビューを読む
まとめると
- 全編フルボイス化の品質が非常に高く、重厚な政治劇に圧倒的な説得力を与えている
- 20種類以上のジョブを自由に組み合わせるカスタマイズ性は28年経っても色褪せない
- 年代記メニュー、タクティカルビュー、ターン順バーなど快適機能が充実している
- 早送り機能やランダムエンカウントのオンオフで育成とストーリー進行のテンポが大幅改善
- PSP版『獅子戦争』の追加ジョブ・キャラクター・カットシーンは一切未収録
- チャプター3のボス戦など詰みポイントとなるシビアな戦闘はそのまま残っている
- クラシックモードは快適機能なし・トロフィー非対応・バグありと不十分
- 水彩画風グラフィックフィルターの好みが分かれ、旧グラフィック+新機能の組み合わせは不可
製品情報
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| タイトル | ファイナルファンタジータクティクス – イヴァリース クロニクルズ |
| ジャンル | タクティカルRPG |
| 発売日 | 2025年9月30日(Steam版は10月1日) |
| 対応機種 | Nintendo Switch 2 / Nintendo Switch / PS5 / PS4 / Xbox Series X |
| 収録モード | エンハンスド / クラシック |
| 難易度設定 | Squire(見習い戦士)/ Knight(騎士)/ Tactician(戦術家) |
株式会社スクウェア・エニックスより2025年9月30日に発売された、PlayStation 5、PlayStation 4、Xbox Series X/S、Switch、Switch2、PCに対応のシミュレーションRPG『ファイナルファンタジータクティクス – イヴァリース クロニクルズ』のメディアレビュー総まとめページです。








