2025年10月1日に発売の『Alien: Rogue Incursion Evolved Edition』のメディアレビューが公開されMetacriticのメタスコアが集計されました。このページではMetacriticへ寄稿された『Alien: Rogue Incursion Evolved Edition』に対する海外ゲームメディアのレビューを翻訳してまとめています。
良い部分と気になる部分がきれいに半々くらいの評価になっていますので、両方をフラットにお伝えしていきます。購入の参考になれば幸いです。
VRの恐怖を脱いだエイリアン、その先にあったもの
この『Alien: Rogue Incursion Evolved Edition』は、2024年にVR専用タイトルとしてリリースされた『Alien: Rogue Incursion』を、通常のテレビ画面やモニターでも遊べるようにリニューアルした作品です。映画『エイリアン』シリーズの世界観を忠実に再現した雰囲気やストーリーは間違いなく本物で、ファンなら思わずニヤリとする場面がたくさん詰まっています。ただ、VRゲームとして設計された操作やゲームテンポがそのまま残っていることで、普通のFPSとして遊ぶとかなりもっさりした印象を受けてしまうかもしれません。良い部分と気になる部分がほぼ同じくらいの割合で存在する、まさに「惜しい」と言いたくなる一本ですね。
映画のセットに迷い込んだような圧巻の雰囲気
まず間違いなく褒めるべきは、映画『エイリアン』の世界観の再現度です。暗く霧に包まれた通路、低い天井、無骨な配管や格子状の床——ジェームズ・キャメロン監督の『エイリアン2』の美学が細部まで行き届いています。舞台となるGemini Exoplanet Solutionsの秘密施設「Castor’s Cradle」は、「Hadley’s Hope(エイリアン2の入植地)と言われても通用する」と評されるほどの完成度。施設のAI音声がシガニー・ウィーバーに酷似していたり、従業員のメッセージログから人間ドラマが垣間見えたりと、探索するだけでぐいぐい世界に引き込まれます。
サウンドデザインも一級品で、静寂の中で鳴り響くパイプのきしみや、Weyland-Yutani製モーショントラッカーの不吉な「ピープ音」がじわじわとプレイヤーを追い詰めてきます。PS5版ではDualSenseのハプティックフィードバックが効果的に機能していて、M41-Aパルスライフルの発射時の反動が手のひらにダイレクトに伝わるのはかなり気持ちいいですね。
ファンなら見逃せない正史ストーリー
ストーリーもファンにはたまらない仕上がりになっています。主人公はコミック『Aliens: Defiance』から引き継がれた元海兵隊員のズーラ・ヘンドリックスで、相棒の人造人間デイビス01と共に施設の謎に迫ります。ズーラはEllen Ripleyのクローンなどではなく、独自の心理的トラウマや慢性的な腰痛を抱えるリアルな人物として描かれていて、Amanda Ripleyの友人という設定が正史としての深みを与えています。初代『エイリアン』と『エイリアン2』の間を繋ぐタイムラインとして完璧に機能していて、あるレビュアーは本作を「『エイリアン:ロムルス』の優れたコンパニオンピース」と表現しています。
ゼノモーフやフェイスハガーのビジュアルも素晴らしく、ダクトや暗がりに潜んで壁や天井を這い回る姿はまさに「頂点捕食者」。小型のフェイスハガーは狙いを定めるのが難しく、成体以上にプレイヤーを苦しめる嫌らしい存在として、原作映画の緊迫感を見事に再現しています。
ただ、かなり気になる点もあります
VRの名残がそのまま足を引っ張っている
最大の問題は、元がVRゲームであることの「名残」が至るところに残っていることです。レバーを引く、バルブを回す、ヒューズボックスを配線する——VRなら手を使って直感的にできた操作が、コントローラーではスティックを使ったもっさりした動きに変換されています。壁を登るのにトリガーボタン2つの同時押しが必要だったり、端末操作の直後になぜか懐中電灯が勝手にオフになったりと、通常のFPSでは考えられない不便さが積み重なっていきます。
さらに厄介なのが、マップや重要アイテムを手に持っていると両手武器が使えないという仕様。敵に襲われるたびにアイテムを床に落として銃を構え直す必要があり、後半のバックトラッキング(来た道を戻るお使いパート)ではこれが延々と繰り返されるので、恐怖よりもフラストレーションが上回ってしまいます。
ゼノモーフが怖くない——予測できてしまう敵AI
ホラーゲームとして致命的だと思うのが、ゼノモーフの行動パターンが単調で予測しやすいことです。一度に3〜4体の群れで出現しても、基本的に「順番待ち」をして1体ずつ直線的に突っ込んでくるだけ。壁や天井に張り付いても、結局はプレイヤーの目の前に飛び降りてくるので、あるレビュアーはこのAIを「ひどくマヌケ(dunderheaded)」と容赦なく切り捨てています。
加えて、敵が近づくと必ず戦闘用BGMが鳴り始め、最後の一体を倒すとピタッと止まるという演出も問題です。「いつ襲われるか分からない恐怖」がホラーの命なのに、BGMが全部教えてくれてしまう。映画では頂点捕食者だったはずのゼノモーフが、ただの射的の的になってしまっているのは残念ですね。武器もリボルバー、パルスライフル、ショットガンの実質3種類しかなく、パルスライフルの威力は「ナーフガン(おもちゃの銃)程度の衝撃」と揶揄されるほど。近接攻撃手段が一切ないので、弾が切れた瞬間に詰みます。
バグと不親切なUIも見過ごせない
システム面でもいくつか問題があります。ターミナル操作後に視点移動ができなくなるバグが頻発するという報告が複数上がっていて、解決策はタブレットを開閉するか、セーブポイントまでダッジで転がっていくか、ゲームをリロードするかという3択。セーブは初期『バイオハザード』風のセーフルーム方式で手動のみなので、バグに遭遇するタイミングによってはかなりの進行を失いかねません。
マップUIにも難があって、目標が別階層にあるとマーカーがほぼ透明になって見えづらくなったり、アイテム運搬中はマップ自体を開けなかったりと、探索のテンポを大きく悪化させています。フェイスハガーに取り付かれた際のQTE(L2・R2連打で引き剥がす)も、最中に他のゼノモーフから一方的に攻撃されて死亡するという理不尽な仕様があり、ストレスの元になっています。
VRを外して何を得て、何を失ったのか
ここからは、レビュアーの間でも意見が真っ二つに割れているポイントです。
VR機器がなくてもエイリアンの新作を遊べるようになったのは素晴らしい——これは間違いありません。VRヘッドセットを持っていない大多数のプレイヤーにとって、間口が広がったこと自体は大きなメリットです。一方で、VR特有の「自分の手で武器を構え、震えながら配線を繋ぐ」という圧倒的な緊張感が失われた結果、「平坦で凡庸なFPSに成り下がってしまった」と失望する声も多いです。VR版を体験済みのレビュアーほど、フラットスクリーン版の戦闘を「味気ない」と評価する傾向にあります。
移動速度についても意見が分かれています。ズーラの移動は「走る」操作をしてもジョギング程度で、スタミナもすぐ切れます。肯定派は「この遅さのおかげで逃げ切れない切迫感が生まれ、かえって雰囲気に合っている」と評価する一方、否定派は「VR酔い対策の遅さがそのまま残っているだけで、後半のバックトラッキングではただの苦痛」と一蹴しています。
また、『Alien: Isolation』との比較も興味深いところです。本作は隠れ続けるだけの『Isolation』と、撃ちまくる『Aliens: Fireteam Elite』の中間に位置するバランスを目指しています。「ファンが待ち望んだ”ちょうどいいエイリアンゲーム”」と称賛する声がある一方、「銃でスタンロックできてしまう以上、結局は狭い通路で迫りくる敵を撃つだけの廊下シューターだ」という批判も見られます。
メディアレビュー紹介
高評価
App Trigger — 90
待ちに待った完璧なシネマティック体験だ!VRなしで遊べる本作は『Alien: Isolation』の息詰まる恐怖と『Fireteam Elite』の戦闘を見事に融合させた。主人公ズーラと相棒デイヴィスが織りなす物語や、進化したゼノモーフの賢く致命的なAIは、真のファンが求めていた究極の傑作である。
→ レビューを読むImpulsegamer — 76
ダクトや天井から群れで奇襲をかけるゼノモーフの生態表現は間違いなく頂点だ!銃弾をスポンジのように吸い込む敵にパルスライフルで立ち向かう緊張感は凄まじい。ただし、VR由来の不格好なモーション操作やエイム、配線パズルの劣悪さは否めない。それでも『Isolation』以来の優れたエイリアン体験だ。
→ レビューを読むGameSpew — 70
平面モニターへの移行により、皮肉にもVR版が持っていた極限の緊張感は失われてしまった。Zulaとしてブラックサイトを探索する手堅いホラー体験ではあるが、後半の過酷なバックトラッキングや敵の種類の少なさ、視点がバグで固まる問題は看過できない。それでもエイリアンファンならプレイする価値はある一作だ。
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低評価
PlayStation Universe — 60
原作映画の陰鬱な雰囲気は再現できているが、ゼノモーフのAIが致命的に愚かで底が浅い。毎回同じように壁から飛び降りてくる単調な攻撃や、絶対命中する理不尽なフェイスハガーのQTEには怒りすら覚える。VR由来の遅すぎる移動速度と最悪のマップUIも相まって、フラストレーションだけが蓄積される凡作である。
→ レビューを読むStevivor — 60
ただの射撃ゲームなのに戦闘が不格好で、敵の行動は完全に予測可能だ。視界を奪うほどの暗闇の中で配線パズルを強要され、後半はひたすらアイテムを運ばせるお使い任務に成り下がる。おまけに物語は唐突に打ち切られる始末だ。VR環境を持たない熱狂的ファン以外は、素直に『Isolation』を遊ぶべきである。
→ レビューを読むCGMagazine — 65
VRという最大の武器を失った結果、退屈で一般的なSFシューターへと成り下がった。モーションコントロールを無理やりボタン操作に置き換えたせいで、すべてのアクションが不自然で不器用だ。進化したはずのAIも平面画面では簡単すぎで脅威を感じない。物語は素晴らしいが、明確なダウングレードと言わざるを得ない。
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まとめると
- 映画『エイリアン』シリーズの世界観・サウンド・ロアの再現度は文句なしの出来
- コミックから拡張された正史ストーリーはシリーズファン必見の内容
- PS5版DualSenseのハプティックフィードバックによる射撃の手触りが気持ちいい
- VR操作の名残が通常のFPSとしての快適さを大きく損なっている
- ゼノモーフのAIが単調で、ホラーとしての恐怖感が薄い
- 戦闘用BGMが敵の出現を予告してしまい緊張感を削ぐ
- 武器の少なさと弾薬スポンジ化する敵で戦闘が単調に感じやすい
- 視点移動不能バグや手動セーブ限定の仕様が遊びにくさを助長している
- VRを外したことで間口は広がったが、緊張感は大幅に後退したとの声も
- 『Alien: Isolation』と『Aliens: Fireteam Elite』の中間を狙ったバランスは評価が割れる
製品情報
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| タイトル | Alien: Rogue Incursion Evolved Edition |
| ジャンル | アクションホラーFPS |
| 発売日 | 2025年10月1日 |
| 対応機種 | PC(Steam / Epic Games ストア)/ PlayStation 5 / Xbox Series X |
| 開発 | Survios |
| 価格 | 通常版 4,400円 / デラックスエディション 5,940円(税込) |
| 元作品 | Alien: Rogue Incursion VR(2024年12月発売) |








