2025年9月17日に発売の『Strange Antiquities』のメディアレビューが公開されMetacriticのメタスコアが集計されました。このページではMetacriticへ寄稿された『Strange Antiquities』に対する海外ゲームメディアのレビューを翻訳してまとめています。
メタスコアは80点台の前半で、前作から正統進化した鑑定パズルの面白さと「ダーク&コージー」な雰囲気が高く評価されつつも、一部パズルの不親切さや携帯機での操作性には批判も上がっている良ゲー評価です。購入の参考になれば幸いです。
猫を撫でながら呪われた骨董品を鑑定する、不思議と落ち着くオカルト謎解き
この『Strange Antiquities』は、前作『Strange Horticulture』の植物鑑定から舞台をオカルト骨董品へと移し、五感を使った本格的な鑑定パズルと「ダーク&コージー」な雰囲気で多くのレビュアーを魅了した謎解きアドベンチャーです。
複数の書物を照らし合わせてアーティファクトの正体を導き出す知的な体験は「ひらめき」の快感に満ちていて、雨の降る町アンダーメアの薄暗い骨董店で看板猫ジュピターを撫でながらじっくり取り組めるのが最高に心地いい。ただし、一部のパズルはノーヒントに近く総当たりを強いられる場面があったり、携帯機での操作性に難があったりと、手放しでは褒められない部分もしっかり存在します。
書物を横断して正体を暴く鑑定パズルが気持ちよすぎる

本作のキモとなるのは、来店した客が求めるオカルトアイテムを棚の中から特定するというプロセスです。最初は見た目や重さといったシンプルな手がかりで判別できますが、徐々に宝石の種類やオーラの色、魔術的な記号まで複数の書物をクロスリファレンスする必要が出てくる。膨大な情報の中から自力で点と点を結び、「これだ!」とアーティファクトを特定できた瞬間の快感はたまりません。あるレビュアーはその「ユリイカ体験」を「『ラマになった王様』のクロンクのように、言葉と身体の両方で反応してしまった」と表現しているほどです。
さらに、ただ本を読むだけじゃないのがこのゲームのすごいところで、アイテムにろうそくの火を近づけたり、五感を使って調べたり、天秤で重さを量ったりと、物理的にモノをいじる手触りがたっぷりあります。虫眼鏡で細部を拡大する機能も常備されていて、前作から調査の快適さが段違いに向上しているのも嬉しいポイントですね。
「ダーク」なのに「居心地がいい」という矛盾が最高

レビュアーたちがこぞって褒めているのが、本作の雰囲気です。「ダーク(暗鬱)」と「コージー(居心地の良さ)」という相反する要素が交わるベン図のど真ん中――そんな表現がぴったりの独特の空気感。店内で揺らめくキャンドルの光、窓の外で降りしきる雨音、そして物語に合わせて静かに層を重ねていくサウンドトラック。血塗られた手のような不気味な骨董品を扱いながらも、ジャンプスケアは一切なし。「パラノイアや腸をプレッツェルのようにねじ切る呪い」の警告文を読みながらアイテムを振って音を確かめるような、妙に落ち着いたオカルト体験が味わえます。
そして忘れてはいけないのが、カウンターに鎮座するオッドアイの看板猫「ジュピター」。多くのレビュアーが名指しで絶賛しており、「猫を撫でられる!」というだけでプラス評価。不気味な世界観の中で最高の癒やしになっています。
店の外にも広がる探索と、渡すアイテムで変わる住人の運命

鑑定作業だけでなく、手紙やタロットカードに隠されたヒントをもとに複数の地図から特定の地点を割り出し、町や城、カタコンベといったロケーションに向かう探索要素も用意されています。テキストベースのアドベンチャーイベントが物語の世界観を広げてくれるので、単調な店番には終わりません。
また、顧客にどのアイテムを渡すかで、その人の運命や物語の展開が変化するシステムも見逃せない。病気を治すために安全な鎮静のアーティファクトを渡すか、激痛を伴うが即効性のある危険なものを渡すか――こうした選択が町の住人の生死や結末に直結するため、全8種類あるエンディングへの分岐も含めてリプレイ性が高いです。
ただ、引っかかる点もいくつかあります
ノーヒントのパズルで「サル」になる瞬間がある
一部のパズルは導線がかなり不親切です。「自分が学者になったような気分」を味わえる一方で、時には「ツールを初めて発見し、手当たり次第にボタンを押して何かが起きるのを待つサルのような気分」にさせられるという痛烈な批判も。たとえば、「アーティファクトの一部を押すと変形する」ギミックが一切の説明なく登場したり、地図の謎解きで「左に曲がる」の解釈が場面ごとに統一されていなかったり。ゲーム内のヒント機能もあまり的確ではなく、行き詰まると本当にどうしようもなくなることがあるかもしれません。
脳が「マッシュポテト」になる連続パズルの疲労感
顧客の依頼が途切れなく連続で飛んでくるため、常にゼロから新しい問題を考えることになり、脳への負担がかなり大きい。あるレビュアーは「数時間プレイしただけで頭がマッシュポテトのようになった」と表現しており、息抜きのタイミングがないことが燃え尽き症候群を引き起こしやすいと指摘しています。一気にクリアしようとせず、1日数パズルずつ進めるのがちょうどいいかもしれません。
携帯機での操作は覚悟が必要
PCのポイント&クリックに最適化されているため、Steam DeckやNintendo Switchではかなり操作がつらいとのこと。細かいアイテムの選択や画面端への視点移動、ヒントカードの回転などが直感的に行えず、キーバインドの変更もできません。快適に遊ぶにはマウスがほぼ必須と思っておいたほうがいいですね。
ミスのペナルティがただの時間稼ぎになりがち
鑑定ミスが重なると恐怖メーターが最大になり、ウィジャボード上でダイスを振るミニゲームをクリアしないと先に進めなくなります。最初こそ雰囲気があって楽しいものの、終盤になるとただの退屈な作業。失敗してもまた振り直すだけなので、難しいパズルで行き詰まっている時にこれが挟まると、テンポが著しく悪くなります。
ストーリーは少し散漫になりがち
町で起きる不気味な事件やキャラクターの背景が、基本的には顧客からの「また聞き」で進行するため、メインの物語が見えにくくなる傾向があります。大量のサブストーリーが同時に押し寄せ、どの情報がプロットにとって重要なのかが終盤まで曖昧。パズルに集中していると複雑に絡み合う群像劇を追いきれなくなるという声も多いです。
好みがはっきり分かれるところ
突き放した難易度設計:極上の達成感か、理不尽な徒労か
肯定派が多数を占めています。「ヒントはお皿に乗せて提供されるわけではない」からこそ、複数の書物を横断して自力でアイテムを見つけ出した時の達成感は格別だと。時間制限もないので、自分のペースでじっくり悩めるのが素晴らしいという意見ですね。
一方で、行き詰まった時の救済措置が弱すぎるという不満も。ヒント機能は「必ずしも役に立つとは限らない」ため、難問に直面するとゲームが完全に止まってしまう。『Outer Wilds』のような高難度パズルに没頭できるタイプには最適ですが、カジュアルに楽しみたい人にとってはフラストレーションが溜まるかもしれません。
毎回ゼロからの新しい謎:やりごたえか、疲労感か
ひとつの謎を解くと、まったく異なるルールの新しい謎が即座に登場する構成についても評価が割れています。複雑な思考が好きなパズルゲーム好きからは「常に新しい挑戦があってやりごたえが途切れない」と支持されていますが、「前のパズルの経験が活きず、常にゼロから考え直す疲労感が強い」という声もあります。
メディアレビュー紹介
高評価
TheSixthAxis — 90 / 100
前作からUIが大幅に改善され、より広い画面でアイテムの整理や観察がしやすくなった。複雑なパズルと上手く噛み合っており、可愛い猫の存在やリプレイ性の高さも魅力。
→ レビューを読むGame8 — 86 / 100
推理や観察を駆使して正解を見つける過程が大きな達成感をもたらす。不気味ながらも居心地の良いビジュアルが素晴らしく、お店の猫を撫でられる点も高評価。
→ レビューを読むDualShockers — 80 / 100
前作より複雑になり、アンティークのデザインやアニメーションが素晴らしい。推理が繋がった時の快感が最高で、忙しい作業なしで探索を楽しめる。
→ レビューを読む
低評価
Movies Games and Tech — 80 / 100
アイテム特定が終盤に簡単になりすぎたり、ミスした際のダイスゲームが世界観に合っていない。プレイやストーリーの掘り下げ不足も指摘されている。
→ レビューを読むGameSpew — 80 / 100
自分でパズルを解き明かす楽しさは味わえるが、物語全体が少し弱く開発不足に感じられる。前作のフォーマットを忠実に踏襲しすぎており、変化や工夫が足りない。
→ レビューを読むCOGconnected — 80 / 100
難解な記号やレンズに依存した終盤のパズルが不満を生んでいる。携帯機向け操作が不便で、断片的な情報のせいでストーリー体験が散漫になる。
→ レビューを読む
まとめると
- 複数の書物をクロスリファレンスしてアーティファクトを特定する鑑定パズルが知的で満足度が高い
- 五感を使った調査や天秤・虫眼鏡など、物理的にモノをいじる手触りが豊富
- 前作からUIが大幅に改善され、棚の拡張や視点移動で作業スペースが快適に
- 「ダーク&コージー」な独特の雰囲気と看板猫ジュピターの癒やし効果が抜群
- 顧客に渡すアイテムで運命が変わる選択システムと全8種のマルチエンディングでリプレイ性あり
- 一部パズルがノーヒントで総当たり作業になりがち
- 連続パズルによる脳の疲労感がかなり大きく、燃え尽きやすい
- Steam DeckやNintendo Switchでの操作性に難あり、マウスがほぼ必須
- ミス時のダイスゲームが終盤ただの時間稼ぎになる
- ストーリーは散漫になりやすく、メインプロットの焦点がぼやけがち
製品情報
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| タイトル | Strange Antiquities(ストレンジ・アーティファクツ) |
| ジャンル | 謎解きアドベンチャー / ポイント&クリック |
| 発売日 | 2025年9月17日 |
| 対応機種 | PC(Steam)/ Nintendo Switch / Steam Deck対応 |
| プレイ人数 | 1人 |
| ゲーム内期間 | 17日間(全8種エンディング) |
| 前作 | Strange Horticulture(ストレンジ・ホーティカルチャー) |










