2025年9月5日に発売の『クロノス:ザ・ニュー・ドーン』のメディアレビューが公開されMetacriticのメタスコアが集計されました。このページではMetacriticへ寄稿された『クロノス:ザ・ニュー・ドーン』に対する海外ゲームメディアのレビューを翻訳してまとめています。
メタスコアは70点台で、評価としてはかなり意見が割れている印象です。独自の世界観やリソース管理の緊張感を絶賛する声がある一方、戦闘の単調さや既存作品の寄せ集め感を指摘する声も少なくありません。購入の参考になれば幸いです。
『サイレントヒル』と『デッドスペース』の子供、だけど…
この『クロノス:ザ・ニュー・ドーン』は、Bloober Teamが手がけたサバイバルホラーで、1980年代の冷戦下ポーランドを舞台にしています。あるレビュアーが「もし『Silent Hill 2 Remake』と『Dead Space』の間に子供が生まれたら本作になる」と評しているように、過去の名作たちのエッセンスをふんだんに取り込んだ作品ですね。
ただ、それが良い方向に働いている部分と、「ただの寄せ集めでは?」と感じてしまう部分が混在していて、全体としては手放しで褒められる出来とは言いづらいかもしれません。不気味な雰囲気づくりやリソース管理の緊張感は本物ですが、戦闘のワンパターンさや主人公の薄さが足を引っ張っている印象です。
肉壁だらけの廊下が最高に気持ち悪い
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まず間違いなく評価されているのが、1980年代ポーランドの工業地帯「ノヴァ・フタ」をモデルにしたディストピア世界です。謎の疫病「変化」によって人々が異形の肉塊に変貌した世界は、映画『遊星からの物体X』を思わせるグロテスクさ。壁一面にへばりついたバイオマスの通路を進む体験は「サタンの下部腸管を通り抜けるような感覚」と表現されるほどです。
サウンドデザインも秀逸で、遠くから聞こえるうめき声や重々しい足音がじわじわと恐怖を煽ります。暗闇の中で聞こえる猫の鳴き声がアイテムの隠し場所の手がかりになっていたりと、聴覚を使ったゲームデザインはかなり凝っていますね。ヘッドホンでのプレイを強く推奨しているレビュアーが多いのも納得です。
弾が足りない、枠も足りない、常に綱渡り
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サバイバルホラーとしてのリソース管理もかなりシビアです。インベントリはわずか8枠(装備中の武器含む)しかなく、回復アイテムや死体を焼くためのトーチ、ボルトカッターなどで枠が圧迫されます。『バイオハザード』のアイテムボックスを彷彿とさせるセーフルームでの整理が必須で、常に「何を持っていくか」の取捨選択を迫られる。
敵の「融合」システムも独特で、倒したオーファン(敵クリーチャー)の死体を放置すると、別の個体がそれを吸収してより強力な形態に変異してしまいます。これを防ぐにはトーチで焼くしかないのですが、そのトーチも貴重なインベントリ枠を食うというジレンマ。リメイク版『バイオハザード』のクリムゾンヘッドに近い仕組みで、「倒した敵の死体すら安心できない」という緊張感は確かにあります。
エッセンスを巡る究極の取捨選択
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過去へタイムトラベルして人物から抽出する「エッセンス」も面白い仕組みです。最大3つまで装備でき、「炎上中の敵へのダメージ増加」や「クラフトコストの削減」といったバフを得られますが、外すと永久に失われるローグライク仕様。さらにエッセンスを装備していると幻覚が見えたり囁き声が聞こえたりと、心理ホラー的な演出も加わります。どのエッセンスを残すか、本当に悩まされますね。
ただ、気になるところも結構あります
戦闘が単調で、やられ損な場面が多い
一方で、戦闘についてはかなり厳しい評価が目立ちます。回避アクション(ドッジ)が存在しないため、狭い部屋に敵が密集する場面では「ただ殴られるのを待つだけ」という状況に陥りがち。『Dead Space』のような部位破壊もなく、基本は弱点を撃つだけの繰り返しになってしまいます。
壁に同化した敵が突然つかみかかってくるギミックも回避不能で、『The Callisto Protocol』の安っぽいジャンプスケアと同じだと批判されています。ボス戦も「光るオレンジ色の弱点を撃つ」という古典的なパターンが多く、火が弱点の黒い塊のボスは『バイオハザード5』のウロボロスそのもの。わかりやすいですが、新鮮味には欠けますね。
オートセーブが厳しすぎて心が折れる
オートセーブの間隔が非常に長いのも大きな不満点です。ボス戦をなんとか突破した後にオートセーブが入らず、帰り道で雑魚敵にやられてボス前からやり直し…という報告もあります。難しいのは構わないんですが、プレイヤーの時間をリスペクトしていないセーブ設計はさすがに厳しいかもしれません。
主人公が薄くて物語に乗りきれない
主人公「トラベラー」はヘルメットを脱がず、ロボットのようなモノトーンの声で話すため、感情移入しづらいという声が多いです。物語の核心である疫病「変化」の原因や組織「コレクティブ」の目的も最後まで曖昧なまま。「Such is our calling(それが我らの使命だ)」という決め台詞は印象的ですが、主人公自身の掘り下げがもう少しほしかったところ。
また、ある批判的なレビュアーは、プレイ後に思い出すのは「大きな茶色いバイオマスの廊下」ばかりだと皮肉っていて、似たような景色が延々と続くレベルデザインの単調さも指摘されています。マップが存在しないため方向感覚を失いやすいのも地味にストレスですね。
「名作のベスト盤」か「器用貧乏」か
本作を語る上で避けて通れないのが、既存作品からの影響の多さです。肯定派は「『バイオハザード』と『Dead Space』の間に生まれた赤ん坊」として、名作のエッセンスを上手く融合させた良作だと評価しています。ポーランドの冷戦という独自の舞台設定や、Netflixドラマ『Dark』を思わせる時間旅行ミステリーのトーンも、ただの模倣ではないオリジナリティとして好意的に捉えられていますね。
否定派はまったく逆で、セーフルームは『バイオハザード』、スーツと踏みつけは『Dead Space』、変形銃は『Control』…と要素を並べた上で、本作ならではの「発明」が見当たらないと指摘しています。「スイスアーミーナイフ1本を収納するのにカトラリーの引き出しを丸ごと使うようなもの」という皮肉は、インベントリ設計への不満を端的に表していました。
時間操作は宝の持ち腐れ?
時間を巻き戻して壊れた橋を修復したり、重力ブーツで天井を歩いたりする要素は探索のアクセントとして機能しています。ただ、戦闘には一切活用できないのが惜しいところ。敵の動きをスローにしたり巻き戻したりできれば戦闘にもっと幅が出たはずで、「宝の持ち腐れ」と評されているのは残念です。
融合システムは本当に脅威なのか
融合システムについても意見が分かれています。肯定派は「死体を急いで焼かなければ」という焦燥感が素晴らしいと評価する一方、否定派はトーチで簡単に防げてしまう上、万が一融合されてもそこまで致命的ではないと感じているようです。『Dead Space』の部位破壊ほどのゲームチェンジャーにはなっていないという声もありました。
メディアレビュー紹介
高評価メディア
Gamereactor UK — 90
本作はBloober Teamの最高傑作である。冷戦下の1980年代ポーランドを舞台に「トラベラー」として異形の「オーファン」と対峙する物語は、極限の恐怖と没入感をもたらす。敵が死体を吸収して強化される「融合」システムは、常に弾薬不足の絶望感を煽り立てる。まさにサバイバルホラーの真髄だ。
→ レビューを読むLoot Level Chill — 90
息つく暇も与えない純粋なサバイバルホラーの傑作だ。大厄災「変化」で荒廃した世界で、過去と未来を往復する展開がプレイヤーの正気を削り取る。限られた燃料で死体を焼き払い、敵の融合を阻止する戦闘は常に極度の緊張感を伴う。血肉の壁から這い出る怪物たちとの死闘は、最高の恐怖と興奮を約束する。
→ レビューを読むShacknews — 90
時間跳躍を駆使して世界の滅亡に抗う、野心的なSFホラーである。歴史上の人物から「エッセンス」を抽出する過程で迫られる究極の道徳的選択が、物語に深い重みを与えている。『遊星からの物体X』を思わせる敵との戦闘は、弾薬の枯渇と探索の報酬が見事なバランスで調整されており、常に手に汗握る極限の体験だ。
→ レビューを読む
低評価メディア
Metro GameCentral — 40
過去の名作のアイデアを継ぎ接ぎしただけの「フランケンシュタインの怪物」のような凡作である。『Dead Space』などの表面的な模倣に終始しており、敵が融合する独自システムも単調な戦闘の中で完全に腐敗している。主人公は無個性で退屈極まりなく、恐怖すら一切感じられない。期待外れの出来栄えだ。
→ レビューを読むComicBook — 40
野心的なSFの設定を活かしきれず、凡庸なアクションシューターに成り下がっている。時間操作のパズルや物語の展開はどれも既視感が強く、探索の喜びを削いでしまう。特に理不尽なチェックポイントの配置と、バランスの崩れた敵の配置はフラストレーションの温床だ。ジャンルに新たな息吹をもたらすには至っていない。
→ レビューを読むGameMAG — 70
本作の正体は「巨大な茶色い回廊」の連続である。序盤のシュールな魅力は過去の世界での冗長な会話劇で完全に破壊される。どこを歩いてもバイオマスに覆われた暗い廊下ばかりで、四角い部屋での単調な戦闘の繰り返しには心底疲弊させられる。資源管理の緊張感こそ評価できるが、全体としては平凡な域を出ていない。
→ レビューを読む
まとめると
- 1980年代ポーランドの工業地帯をモデルにした終末世界の雰囲気づくりは一級品
- 敵の死体が融合して強化される独自システムが、サバイバルホラーらしい緊張感を生んでいる
- 弾薬もインベントリ枠も常にカツカツで、古典的なサバイバルホラーの醍醐味が味わえる
- エッセンスの装備や道徳的選択など、周回プレイの動機はしっかり用意されている
- 回避アクションがなく、狭い部屋での戦闘が理不尽に感じる場面が多い
- オートセーブの間隔が長すぎて、やり直しのストレスが大きい
- 『Dead Space』や『バイオハザード』の影響が強く、本作ならではの独自性に乏しい
- 主人公に個性がなく、物語の核心も曖昧なまま終わる
- 時間操作の能力が探索パズルにしか使えず、戦闘での応用がないのがもったいない
製品情報
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| タイトル | Cronos: The New Dawn |
| ジャンル | サバイバルホラー |
| 発売日 | 2025年9月5日 |
| 対応機種 | PlayStation 5 / Xbox Series X |
| 開発 | Bloober Team |










