2025年10月2日に発売の『ゴースト・オブ・ヨウテイ(Ghost of Yōtei)』のメディアレビューが公開されMetacriticのメタスコアが集計されました。このページではMetacriticへ寄稿された『ゴースト・オブ・ヨウテイ』に対する海外ゲームメディアのレビューを翻訳してまとめています。
メタスコアは86と高い評価を獲得しており、133件のレビューのうち92%がポジティブという結果になっています。PS5の性能を極限まで活かした圧巻のグラフィックや、武器切り替えによる爽快な戦闘が絶賛される一方、オープンワールドの構造が旧世代のままだという批判も一定数見られます。購入の参考になれば幸いです。
蝦夷を駆ける「血まみれのダンス」——前作を超えた美と戦闘の進化
「顎が床に落ちる」ほど美しい蝦夷の世界
まず目を引くのは、やはりグラフィックの美しさです。レビュアーたちは「顎が床に落ちる(jaw on the floor)」「純粋で様式化された至福(pure, stylized bliss)」と口を揃えて絶賛しています。蝦夷の自然は単なる背景ではなくて、馬で花畑を駆け抜けるとスピードブーストがかかったり、落ち葉の上で決闘すれば「秋の竜巻」のように葉が舞い上がったりと、プレイヤーの行動と環境が美しく連動するんですね。ファストトラベルもロード画面を挟まない「恐ろしいほど一瞬」の仕様で、探索のテンポを一切崩しません。
風の導き、黄金の鳥、狐や狼といった動物たちが自然な形で目的地へ誘導してくれるシステムも健在です。画面上のマーカーに縛られずに自分の好奇心で蝦夷を旅する感覚はたまらないと思います。
武器を切り替えまくる「血まみれのダンス」
戦闘面では前作の「型(Stance)」が廃止され、二刀流、大太刀、槍、鎖鎌などの武器を瞬時に切り替えるシステムへと進化しました。操作感は「優雅なバレエ」「血まみれのダンス」と比喩されるほど滑らかです。敵の武器種に合わせて有利な武器を選ぶ戦術が求められるんですが、これが乱戦の中だと本当に忙しくて楽しい。盾持ちには鎖鎌、槍兵には二刀流、大型の敵には大太刀と、瞬時に判断して切り替えていく手触りは前作以上の爽快感がありますね。
さらに、敵の武器を弾き飛ばして奪い取り、別の敵に投げつけて即死させる「投擲」アクションも追加されました。新たに「黄色く光る攻撃」への対処(チャージ攻撃でカウンター)も加わり、失敗すると武器を弾き飛ばされて這いずり回る羽目になるという、スリリングな駆け引きが生まれています。
DualSenseで「触れる」体験がすごい
DualSenseコントローラーの機能がゲーム体験に深く組み込まれているのも本作の魅力です。タッチパッドで正しい書き順の漢字を書いたり、火打ち石をこすって火を起こしたり、三味線を弾いたり。これらは「単なるギミック以上の、キャラクターとの深い繋がり」を生み出していると評されています。
三味線は単なる演出ではなく、演奏することで風を呼んだり動物の仲間を召喚したりする実用的なシステムとしても機能していて、キャンプでの調理や商人との取引といった要素と合わせて、蝦夷での生活をしっかり味わえる作りになっています。
マカロニ・ウェスタンのような泥臭い復讐劇
ストーリーも前作とはかなりテイストが変わりました。元寇という明確な外敵との戦いではなく、侍、浪人、農民といった階級間の対立と怨念が渦巻く、泥臭い復讐の物語です。多くのレビュアーが『荒野の用心棒』や『キル・ビル』『修羅雪姫』といったマカロニ・ウェスタンや剣戟映画を引き合いに出しています。
PS5の高速SSDを活かして、過去のトラウマをフラッシュバックとしてロード時間なしでシームレスに行き来できる演出も秀逸で、篤の復讐劇への感情移入を強く後押ししていますね。また、黒澤明風のモノクロフィルターに加えて、三池崇史監督リスペクトの流血過激な「Miikeモード」や、渡辺信一郎監督作品を彷彿とさせるLo-Fiヒップホップが流れる「Watanabeモード」が搭載されているのも遊び心があって良いです。
ただ、古さが目立つ部分もしっかりあります
「最後の恐竜」と呼ばれるオープンワールドの構造
最も多かった批判は、オープンワールドの基本構造が前世代のゲームの枠を出ていないという点です。拠点制圧、温泉探し、狼の巣の発見と、アクティビティの種類は増えたものの、プレイサイクル自体は反復的。中盤以降はどうしても作業感が出てきてしまうかもしれません。
あるレビュアーは本作を「最後の恐竜(last of the dinosaurs)」と表現し、「8年前の『ゼルダの伝説 ブレス オブ ザ ワイルド』から何も学んでいない」と手厳しく批判しています。
親切すぎて逆に退屈なパズルと誘導
雰囲気重視のUIレスな設計を目指しているのに、実際はプレイヤーを「馬鹿扱いしている」と感じるほどヒントが過剰だという指摘もあります。登れる崖はグレーの縁取りで丁寧に示され、壁で立ち止まると「Lを押して登る」の指示が即座に表示される。パズルも数秒で解ける程度のもので、「ミルクシェイクを噛もうとするようなもの」「ウォータースライダーの頂上から押し出されるだけ」と皮肉られています。達成感がまるでないという意見ですね。
カメラと武器切り替えUIのストレス
乱戦時のカメラワークも問題を抱えています。ロックオン機能はあるものの、カメラが不便な角度に固定されやすく、状況把握が困難になる場面がちらほら。武器切り替えのUIも、R2でラジアルメニューを開いた後「もう一度R2を押して閉じる」という直感的でない仕様になっており、戦闘中の誤操作を誘発しがちです。
ストーリーのペース配分と悪役の掘り下げ不足
「羊蹄六人衆」を狩る順序をある程度自由に選べる構造は良いのですが、各ターゲットに至るクエストが「1、2ミッション長すぎる」とペースの間延びが指摘されています。黒幕のサイトウ卿を含め、悪役たちの動機や背景が掘り下げ不足で、重要な設定が手紙や巻物のテキストで済まされてしまっているのは少しもったいないですね。
ここは人によって意見が割れています
武器切り替え戦闘は「自由」か「強制じゃんけん」か
肯定派が多数ですが、武器切り替えシステムには否定的な声もあります。「盾持ちには鎖鎌、槍持ちには二刀流」と有効な武器が事実上決まっているため、プレイスタイルの自由度が低いと感じる人もいるようです。スタミナゲージが存在しないので回避も攻撃もノーリスクで連打でき、大味になりがちだという指摘もあります。一方で、流れるようなコンボの美しさと相まって前作以上の爽快感があるという意見が主流ですね。
前作の「洗練」か「焼き直し」か
前作の優れた基盤を壊さず丁寧に磨き上げた「洗練」と捉える人が多く、「革新しなくとも、ジャンルの最高峰に達している」という声もあります。ただ、『アサシン クリード シャドウズ』とメインストーリーの導入が酷似していることや、探索サイクルが前作そのままであることから、「このゲームは前にやったことがある」と強い既視感を訴える声も。ここは本当に好みが分かれるところだと思います。
アイヌ文化の描写をめぐる議論
蝦夷を舞台にしていながらアイヌの存在感が薄い点は議論になっています。「サムライ・ファンタジーとしてのエンタメ性を重視している」と好意的に受け止める声がある一方、先住民族の土地を都合の良い「未開のフロンティア」として消費しているという文化的な配慮への批判も存在します。「主人公をアイヌの戦士にするべきだった」という意見もあり、この論点に関しては今後も議論が続きそうです。
メディアレビュー紹介
高評価メディア
COGconnected — 100
1603年の蝦夷を舞台にした本作は、世代に一度の真の傑作である!主人公アツによる「Yotei Six」への無慈悲な復讐劇は心揺さぶられ、息を呑むほど美しい大自然の探索は一切の無駄がない。PS5 Proの「レイトレーシングプロ」モードによる圧巻の映像美と完璧な戦闘バランスは、ゲーム開発の最高峰だ。
→ レビューを読むDigital Trends — 100
技術、芸術、ゲームデザインが完璧な調和を遂げた傑作だ!息を呑むほど美しい蝦夷の探索は、ファストトラベルを使うのが惜しいほどである。ロード時間皆無の驚異的な技術に加え、DualSenseのタッチパッドで漢字を書く操作や三味線の演奏など、PS5の限界を余すところなく引き出している。
→ レビューを読むLoot Level Chill — 100
前作の偉大な血統を受け継ぎつつ、見事に昇華させた真のマスターピースである!アツの怒りに満ちた復讐劇は奥深く、狼の相棒との共闘や、風の導きに従い三味線を弾きながら進む美しい探索は途やめ時が見つからない。二刀流などの新たな武器相性システムも秀逸で、蝦夷の大地での流血の舞踏に完全に没頭させられる。
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低評価メディア
Digitally Downloaded — 60
蝦夷を舞台にしながらアイヌ文化を徹底的に軽視し、都合の良い「未開の地」として描く無責任な歴史修正主義である。植民地支配の歴史を無視し、単なる『キル・ビル』の薄っぺらい復讐劇を押し付けた手腕は極めて不誠実だ。戦闘システムは及第点だが、アメリカ的で浅薄な文化盗用には強い嫌悪感すら覚える。
→ レビューを読むEurogamer — 60
「薄めたアサシンクリード」の域を出ない時代遅れのオープンワールドだ。過剰なUIによる登頂指示や、知性を疑うほど単純な狐の像のパズルはプレイヤーを完全に馬鹿にしている。二刀流の戦闘やアクションの美学は健在だが、代わり映えのしない無味乾燥なサイドクエストの反復が、全ての魅力を台無しにしている。
→ レビューを読むRadio Times — 60
「このゲームは前にもやった」という強烈な既視感が拭えない。親の仇を討つストーリーは『アサシンクリード シャドウズ』の焼き直しであり、温泉や竹斬りの探索も前作の模倣に過ぎない。PS5の高速ロード技術や戦闘システムは堅実だが、独自性が決定的に欠如しており、プレイするたびに強烈な退屈に襲われる。
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まとめると
- PS5の性能を極限まで活かした蝦夷の自然美は圧巻で、探索しているだけで幸せになれるレベル
- 武器切り替えによる戦闘は前作から大幅に進化し、「血まみれのダンス」と称されるほど爽快
- DualSenseの機能をフル活用した操作ギミック(漢字書き、火打ち石、三味線)が世界への没入を深める
- マカロニ・ウェスタン風の泥臭い復讐劇は前作とは異なる重厚な魅力がある
- オープンワールドの構造は旧世代の定型から抜け出せておらず、中盤以降の反復感は否めない
- パズルや探索の誘導が親切すぎて達成感に欠ける部分がある
- カメラワークと武器切り替えUIにやや難あり
- アイヌ文化の描写の深さについては賛否が分かれている
製品情報
| 項目 | 詳細 |
|---|---|
| タイトル | ゴースト・オブ・ヨウテイ(Ghost of Yōtei) |
| ジャンル | アクション |
| 開発 | サッカーパンチプロダクションズ |
| パブリッシャー | ソニー・インタラクティブエンタテインメント(SIE) |
| 対応機種 | PS5 |
| 発売日 | 2025年10月2日 |










