2026年9月29日に発売の『ウィッチャー3 ワイルドハント リマスター』のメディアレビューが公開され、Metacriticのメタスコアが集計されました。総合点数は「93 点」で「絶賛」という評価になっています。 時間経過でメタスコアは上下しますが大きく変動することはありません。2026年9月28日時点での集計内容となっています。
このゲームで特に優れたクエストの多くは、ささいに見える依頼から始まります。誰かに助けを求められ、その仕事がいくつもの段階を経て語られる物語へと発展し、最後には道徳的に難しい選択を迫られることになります。戦闘もその一部ですが、心に残るのはやはり最後の決断です。そうした物語を描こうとする姿勢こそ、今も『ウィッチャー3 ワイルドハント リマスター』が傑出している最大の理由であり、今回のリマスターはそれを支える舞台を大きく改善しています。映像はより鮮明になり、戦闘は躍動感を増し、キャラクター育成の仕組みもわかりやすくなりましたが、もともとこのゲームを遊ぶ価値があった理由は変わっていません。
小さな依頼が、プレイを続ける理由になる

ゲームの質を最もはっきり示しているのは、クエストの構造です。怪物退治の依頼は、一見すると単純に思えます。リヴィアのゲラルトが依頼主と話し、現場を調べ、ウィッチャーの感覚で痕跡をたどって怪物の正体を突き止めるという手順です。面白いのは、その手順の合間に起こることです。目撃者は嘘をついたり、肝心なことを話さなかったりします。そうしたやり取りから、依頼がある家族の悲劇や、誰かがどうしても隠しておきたかった秘密を探る調査へと変わることもあります。怪物がそこにいるのには理由がある場合もあれば、リヴィアのゲラルトに報酬を払う人物が、殺してほしいと頼んでいる怪物よりも悪質な場合さえあります。また、最初は善意から始まったことがリヴィアのゲラルトも予想しなかった方向へ進んでいくため、多くのクエストは誰も意図していなかった結末を迎えます。脚本は、そうした状況に整然とした教訓を無理に与えず、割り切れなさをそのまま残しています。
このゲームは、一本の力強い物語としてのまとまりを失わずに、展開の分岐や会話の選択肢をうまく扱っています。序盤のエリアであるホワイト・オーチャードでは、そうした魅力が小規模な形で表れています。ヌーンレイスやグリフィンの討伐依頼と並んで、酒に酔って犯した一度の過ちで死刑に処されるかもしれない放火犯をめぐるクエストなどが用意されています。ヴェレンの血まみれ男爵の一連のクエストは、プレイヤーが行く末を決めても物語としての一貫性を保つ好例として、今なお最もよく知られています。会話の選択肢ではリヴィアのゲラルトがどれほど辛抱強く、あるいは遠慮なく話すかを選べますが、彼らしさが消えるわけではありません。彼にはすでに人間関係や考え、果たすべき務めがあるため、プレイヤーが決めるのは彼の人格ではなく、状況への対処の仕方です。サブコンテンツが一貫して高い質を保っていることを考えれば、この脚本に並ぶものはなく、物語表現の世界最高水準を示す作品だという評価にも反論の余地はありません。
舞台となる世界も、この脚本をしっかりと支えています。地域ごとに雰囲気が大きく異なっており、ヴェレンのぬかるんだ道や荒れ果てた集落はその土地の悲惨な状況にふさわしく、ノヴィグラドの混み合う通りに入ると雰囲気は一変し、スケリッジの山々や海岸線は世界のまったく別の一角に来たと感じさせてくれます。登場人物たちも実在の人間のように話し、自然に振る舞うため、世界が自然に息づいているように感じられます。掲示板や未探索の場所、近くの集落はリヴィアのゲラルトを何度も本来の道筋から誘い出しますが、すべての寄り道が報われるわけではないものの、十分な数の寄り道に見返りがあるため、歩き回ることが時間の無駄に感じられる場面はほとんどありません。
より鮮明に、より豊かに描き直された美しい世界

リマスターによる映像面の改善は大きく、環境やキャラクター、怪物のテクスチャはより鮮明になっています。草木の密度が増したことで森や沼地、村、都市がより充実した、現実味のある風景になりました。多くのオブジェクトで描画距離が伸び、環境エフェクトも没入感を高めています。オリジナル版の暖かみのある黄色いフィルターがより自然な色調へと置き換えられたため、以前の色調補正では見えにくかったしわや肌、鎧の細部もしっかり見えるようになっています。最も負荷の高い設定を使わなくても、新しいテクスチャやパーティクル、印のエフェクトによって、映像は現代的なものになっています。
もっとも、最も大きな改善を得られるかどうかは設定に左右されます。レイトレーシング、とりわけPC版のPath Tracingを使うと、ライティングは現在の大規模なオープンワールドゲームに並ぶ水準に達します。廃墟となった塔ではニルフガード帝国の隊長が動くたびにその鎧に日光がきらめき、エムヒルの宮殿では磨かれた床が光を反射します。夕日が水面に映り、トゥサンではおとぎ話のようなアートディレクションに思わず足を止め、あらためて見入ってしまうほどです。映像を最も熱烈に称賛しているのは高性能なPCでPath Tracingを使ったメディアであり、読者はその評価がそうした設定を前提としていると受け止めるべきでしょう。これらの設定は負荷も非常に高く、あるメディアではRTX 3070 Ti搭載のシステムでレイトレーシングを最低設定にしただけでもフレームレートが約60fps低下したほか、別のメディアはすべての機能を有効にして高解像度で遊ぶには現行世代のハードウェアが必要だとしています。
欠点もいくつか残っています。肌は平板で陶器のように見えることがあり、直接光や濡れた状態を表現するエフェクトによって不自然な光沢が出る場合もあります。表情のアニメーションが周囲の環境に比べて古く見えることもありますし、一部の建物やオブジェクトは期待されるほど細かく作り込まれていません。また、あるメディアはライティングが正しく適用されず、白い部分が目をくらませるほどまぶしくなる場面に遭遇したと報告しています。これらは個別の問題であり改善全体を否定する理由にはならないものの、刷新の程度にばらつきがあることも事実です。
Switch 2版はオリジナルのSwitch移植版から大きく進歩しており、ジャイロ照準やマウスモード、タッチスクリーン対応といった独自の追加機能も備えています。それでも他機種版には及ばず、その差の大きさについてはメディアによって評価が異なります。あるメディアは非常にはっきりとわかる差があると述べている一方で、別のメディアは他のコンソール版よりわずかに劣る程度としており、主な違いにテクスチャの精細さや髪の表現、場面の切り替わりで生じる小さなライティングの急変を挙げつつ、全体としては見栄えがよいと評価しています。
剣術を全面的に作り直すことなく、戦闘に躍動感を加える

戦闘は躍動感を増しています。リヴィアのゲラルトには新しいアニメーションが加わり、足運びや剣を振る速度も速くなったことで、攻撃、受け流し、回避をより滑らかにつなげられるようになりました。新しいとどめの演出は、特に人型の敵に対して残忍な迫力を加えています。最も目につく変更は、新しい状況対応型カメラかもしれません。周囲の敵の数に応じてカメラが引いたり寄ったりし、最後の敵には近づくことで、戦闘の終わりを映画のように見せてくれます。印も発動しやすくなり、新しい視覚効果が加わっています。
もっとも、すべてのメディアが同じように洗練された仕上がりだと感じたわけではありません。あるメディアはカメラと改善されたロックオンによる全体的な滑らかさを称賛する一方、怪物との戦闘では操作の正確さにやや欠けると感じており、振り向きや方向転換、動き始めには依然としてぎこちなさがあって慣性が強すぎるとも述べています。別のメディアはより強く異を唱えており、リヴィアのゲラルトが攻撃中に滑るように敵へ近づくことがあり、複数の敵に取り囲まれると狙う相手を選びにくくなると指摘しています。
最も重要な変更は、敵の行動です。敵の集団が連携するようになり、たとえばドラウナーは距離を詰め、攻撃を仕掛け、リヴィアのゲラルトを取り囲もうとするため、目の前の敵と同じくらい、集団のほかの敵がどう近づいてくるかも重要になります。敵はよりまとまって行動するようにもなったことで、1体を孤立させて連続攻撃でガードを崩すのが難しくなり、以前なら何も考えずに斬り倒せた弱い敵の集団でさえ今は反撃してきます。操作は基本的に同じですが、こうした行動の変化によって、回避や位置取り、剣、印、爆弾、クロスボウの使い分けが、いずれも以前より重要になっています。なお、変更を望まないプレイヤーは新しい戦闘行動を無効にでき、ターゲット選択の仕組みも新旧から選べます。
剣術の根本は、今も単純です。あるメディアは、基本的な攻撃パターンは従来どおり2つのボタンを連打するもので、より洗練されたアニメーションの変化がそれを覆い隠していると評していますし、別のメディアは、戦闘が回避、攻撃、印、位置取りという予測しやすい繰り返しに落ち着くと感じています。とどめの演出はその流れをより劇的に見せてくれますが、刻々と行う操作を変えるものではありません。怪物との戦闘は、事前調査やオイル、霊薬がもう一段の奥行きを加えるため、よりよくできています。結果として、戦闘は良好ですが革新的ではありません。戦闘がゲームの足を引っ張っているとは感じなくなり、新しいアニメーションやとどめの演出は戦う満足感を保っているものの、近年のアクションシステムほど複雑ではないのが実情です。この点をどれほど重く見るかは戦闘に何を求めるかによります。戦術的な戦いを重視するなら確かな改善がありますが、奥深い剣術を求めるなら期待は控えめにしておくべきでしょう。
目指すリヴィアのゲラルトの育成方針が、より明確に

刷新されたスキルツリーも、大きな改善点です。今は実際に木のような形になっており、階層構造が目に見えて分かります。各カテゴリーに一定数のポイントを使って後続のスキルを解放する方式から、前提となる特定のアビリティを解放して各枝を進んでいく方式に変わりました。アビリティは引き続き空きスロットに配置しなければ効果を発揮しないため、ポイントをいくらか使うまでは以前のスキルを並べ替えただけのように見えるかもしれません。しかし、使ってみるとその意図がよく分かります。序盤は相性のよいアビリティへと導きながら、後にはより優れたものへ自由に入れ替えられる構造になっているのです。重要なスキルの一部には以前よりはるかに早く到達できるため、ビルドを計画する自由度も高まっています。ただし、あるメディアは留保も付けており、ツリーの後半はほぼ変わっておらず、プレイの仕方が大きく変わる人はいないのではないかという見方を示しています。実際、改善の大半は序盤に表れます。なお、既存のセーブデータではスキルが強制的にリセットされるため、復帰するプレイヤーはスキルと変異体を割り当て直す必要があります。
任意の設定によって、プレイ体験をより細かく調整できます。武器へのオイルの自動塗布、水中での息継ぎ不要、アイテム重量の無視、装備の劣化の無効化などを選べます。これらの一部は物語を重視する設定にまとめられており、それを使っても実績は獲得できます。ほかにも、船の速度を上げたり、死体から自動でアイテムを回収したりする設定があります。その大半は所持重量の管理や装備の手入れといった日常的な手間を省くもので、収集物を求めてマップ中を船で巡るなど、長時間かけて残りの要素を回収する際に特に役立ちます。アクセシビリティを全面的に刷新するものではないものの、従来の作業のどれを残すか、プレイヤーが選べるようになっています。
鍛え直しを使えば、ビルドに合う性能の装備を身につけながら、好みの外見を保てます。見た目の悪い鎧もあることを考えると、ありがたい機能です。ただし、あるメディアは注意点を指摘しています。鍛え直しは名匠防具職人のもとで行う必要があり、そこにたどり着くまでにはかなりゲームを進めなければならないこともあるため、何時間も利用できない可能性があります。
技術面の体験や動作の安定性は、プレイ環境によって大きく異なる

動作に関する各メディアの報告からは、一つの結論を出せません。ハードウェアや設定、そのときの場面がいずれも影響するからです。Switch 2でプレイしたあるメディアは、フレームレートの低下もバグもなく、終始滑らかに動作したと報告しています。通常モデルのPS5については、別のメディアが滑らかさを理由に60fpsのパフォーマンスモードを勧めていますが、一部のミッション終了時やオートセーブ中、画面内の要素が多い場面では低下が見られました。PCでは、DLSSとFrame Generationを使って高いフレームレートを維持できたミドルクラスのシステムから、高度なライティングを有効にした途端に大幅な低下が起きた例まで、結果に幅がありました。複数のPCで検証したあるメディアは、遠くのオブジェクトが突然表示される現象や初回ロードの長さも指摘していますが、一方でファストトラベルのロードは速いです。
区別しておきたい問題が2つあります。1つ目はAMDのフレーム生成だけに当てはまる問題で、描画の乱れが発生したため、あるメディアはRX 7600を搭載した独自構成のSteam MachineとROG Xbox Ally Xでこの機能を無効にしました。2つ目はオリジナル版から残っているバグです。序盤で、あるメディアはグリフィンの頭が消えているのを確認しました。PS4でもよく起きていた現象で、ホワイト・オーチャードへファストトラベルしてから戻ればよいという、以前と同じ対処法が今も使えます。どちらの問題も全体的な評価を変えるものではありませんが、高解像度でライティングを最大設定にして遊ぶ予定がある場合や、AMDのフレーム生成を使う場合は、まず自分に近い構成での報告を確認したほうがよいでしょう。
重厚な物語を求めるなら、今なお遊ぶ価値に満ちた決定版リマスター

このリマスターは、物語に優れたRPGを求める人に強く勧められます。遊ぶ最大の理由は今もクエストにあり、ささやかな依頼が難しい決断へとつながり、分岐する会話は一貫した物語の中に収まり、世界には人々の暮らしが感じられます。復帰するプレイヤーが得られるものも多く、映像は明らかに現代的になり、敵の連携と状況対応型カメラによって戦闘は躍動感を増し、作り直されたスキルツリーによって目指すリヴィアのゲラルトを育てやすくなりました。
ただし、いくつかの点では期待を調整しておく必要があります。新しいアニメーションは基本的な剣術の見栄えをよくしますが奥深さを加えるわけではなく、敵が密集する戦闘では狙う相手を選びにくいと感じたメディアもあります。また、高度なライティングを最大設定にした高解像度でのプレイでは滑らかな動作は保証されず、AMDのフレーム生成では検証された環境で描画の乱れが生じました。さらに終盤のビルドの変化は控えめで、鍛え直しの解放には時間がかかる場合もあります。
もっとも、こうした点のいずれも、このゲームを見送る理由にはなりません。より鮮明な表現と洗練されたシステムによって、難しい選択へと発展する依頼に挑む場として、これまでで最も優れたものになっています。そして、その物語こそが、今も最大の見返りです。






製品情報
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| ゲームタイトル名 | ウィッチャー3 ワイルドハント リマスター |
| 原題名 | The Witcher 3 Wild Hunt – Remastered |
| ジャンル | ロールプレイング, アクション, アドベンチャー |
| プラットフォーム | PC, Nintendo Switch 2, Xbox Series X|S, Xbox One |
| 発売日 | 2026年9月29日 |
| 価格 | Nintendo ¥7,490 / Xbox ¥3,245 |
| 体験版 | なし |
| 公式サイト | — |
| 開発元 | — |
| 発売元 | CD PROJEKT RED |










