2026年10月1日に発売の『RetroSpace』のメディアレビューが公開され、Metacriticのメタスコアが集計されました。総合点数は「74 点」で「賛否」という評価になっています。
2026年10月6日時点での集計内容となっており、採点対象のレビューは6件、最高は80点、最低は60点という結果でした。以下にレビューの総まとめを記載しているので購入の参考になれば幸いです。
※スコアは寄稿記事が増減して一定期間は上下しますが、大きく変動することは稀です。
『RetroSpace』はプレイヤーを大いに信頼してくれるゲームですが、その信頼は魅力にもなれば、ときには足を引っ張る要因にもなります。舞台となるコロニー船「オーロラ5」は各所が相互につながっており、うまく機能している場面では探索そのものが大きな喜びになります。創意に富んだエリアが組み合わされているため、新しいルートを見つけるたびに、自力で道を切り開いた実感が得られるからです。ただし、その自由度には代償もあります。プレイヤーへの信頼が曖昧すぎる案内に変わってしまうと、道を間違えたのか手がかりを見落としたのかも分からないまま、一度通った場所を延々と歩き回ることになるからです。『RetroSpace』に時間を費やす価値があるかどうかは、この二つの体験のどちらを多く味わうかに大きく左右されます。
賢いことも愚かなことも、やり方はいろいろ

『RetroSpace』の最大の長所は、一つの解法を押しつけてこない自由度の高さです。プレイヤーが操作するのは、ブラックホールに落ち、複数の時間軸を行き来するようになったコロニー船で働く、名前のない清掃員です。手に入る道具は電動レンチ、お掃除スプレー、消火器、積み重ねられる木箱といったささやかなものばかりですが、それらの組み合わせが繰り返し役に立ちます。お掃除スプレーで水をまけばドアまで電気を通せますし、汚れを落とせば下に隠れていたキーパッドの暗証番号を見つけられます。木箱は即席の階段になり、消火器は火を消すだけでなく噴射の勢いで隙間を飛び越えることにも使えます。実際、本作には賢いことをするにも愚かなことをするにもたくさんの方法が用意されています。楽しさは最善の答えを見つけることだけでなく、失敗に終わる実験の中にもあるからです。あるメディアの序盤のプレイでは、タレットの下に隠れてレンチで叩き壊したところ、燃え上がる残骸がプレイヤーの頭に落ちてきて本人まで火だるまになったといいます。
その自由度は、予想以上に広い範囲に及んでいます。目標の達成、敵との遭遇、探索の進め方に想定以上の裁量が与えられており、たとえばドアを守るタレット一つをとっても、通気口を通って迂回する、死体から入手したパスワードでハッキングする、貴重な資源を費やして破壊するといったアプローチが可能です。ゲームに適度な複雑さがあるおかげで、戦闘、探索、パズル解きにおいて自分らしいやり方を表現する手段も豊富に用意されています。動物由来の能力であるMutamodsを使えば、明るい光の下で回復したり、敵の存在を感知したり、死体を食べて体力を回復したりできるため、遭遇した状況を自分のスタイルに合わせて切り抜ける方法がさらに増えます。
死の仕組みにも、同じように工夫が凝らされています。死亡すると船は新しい清掃員を出力し、以前の体は倒れた場所に残されるため、そこまで走って戻る必要があります。あるメディアは、この構造をローグライクよりもソウルライクに近いと評しています。新しいクローンにはランダムな欠陥が生じることもあり、意思に反してくしゃみをしたり悪態をついたりして、静かに接近する計画が台無しになる場合すらあります。その結果は悲惨であると同時におかしくもあり、以前の死体から遺伝物質を回収するまで続きます。別のメディアは、リスポーンにも遺伝子通貨がかかることから、この仕組みが死を単に不便なだけでなく複雑なものにしている点を評価していました。ただしそのメディアによると、ノーマル難易度では死亡する機会が少なく欠陥の影響も小さかったため、より高い難易度でこそ真価を発揮するのではないかと期待を寄せています。
こうしたプレイヤーへの信頼こそが、『RetroSpace』を遊ぶ最大の理由です。ここからは、その信頼がプレイヤーにより多くを求め始める部分を取り上げていきます。
1970年代の古いSF雑誌を通して描かれた未来像

この舞台設定があるからこそ、与えられた自由を活用する価値が生まれます。オーロラ5が描くのは、2177年のステーションが実際にどのような姿になっているかというよりも、1970年代の人が想像したであろう未来の姿です。船内には木製パネル、分厚い端末、真鍮を思わせる色合い、その時代らしい口ひげがあふれ、建築、機械、インターフェースのすべてにレトロフューチャーの表現が行き渡っています。その結果、古いSF雑誌を経由して画面にたどり着いた未来のように感じられるのです。ただし、すべてのメディアが見た目を同じように捉えているわけではありません。たとえば、ポリゴンとピクセルが混在する1990年代後半のPCゲームの映像表現を、驚くほど正確に再現していると評価するメディアもあります。
美術と探索は互いを支え合っています。創意に富んだ場所が組み合わさることで相互につながる一つの全体を形作っており、探索するのが楽しい、魅力的なアナログの空間が広がっています。通気口や保守用通路が部屋同士をつなぎ、ショートカットを見つけるにつれて、迷宮が少しずつ使い勝手のわかる空間へと変わっていきます。船は単なる背景にとどまらず、常にプレイヤーが働きかける対象なのです。
見慣れた場所への再訪については意見が分かれ始めますが、その違いは「なぜ戻るのか」という理由から生じています。あるメディアは、船の時間移動によって場所が変化し、新しいアイテムや乗り越えるべき障害が加わるため、単なるアセットの使い回しとは感じず再訪を楽しめました。一方、別のメディアは、曖昧な案内に従った結果として訪問済みのエリアを長々と巡ることになり、疲れると感じています。どちらの見方もそれぞれの条件のもとでは成り立ちますが、いずれも全体の総意ではありません。同じ構造であっても、変化に惹かれて戻るなら楽しく、わかりにくい案内に振り回されて戻るなら面倒な作業になってしまうからです。
プレイヤーへの信頼が、曖昧すぎる案内へと変わるとき

これが『RetroSpace』の最大の弱点であり、評価に条件が付く主な理由です。ゲームは地名と目標を示したうえで、そこへの到達方法はプレイヤーが考えるものとしています。うまく機能すれば自分で道を見つける満足感がありますが、目標が不明瞭なときには、同じ信頼が曖昧な案内に変わってしまいます。創意工夫を促す意図は明らかであるものの、目標がかなり曖昧なことがあり、進行を止めてしまう場合もあるのです。この批判はすべての課題に当てはまるわけではありませんが、そうした場面こそゲームの自由度が助けにならなくなり、足を引っ張り始めるところです。
移動を助ける機能も、あまり役に立ちません。メインマップを動かすためにボタンを一つずつクリックしなければならず煩わしいという声や、マップ操作に多くの入力が必要だという意見がメディアから上がっています。後者を指摘したメディアはさらに、マップが大まかな間取り図程度の情報しか示していないため、これではプレイヤーがサブ目標への挑戦や船内をくまなく探索することをためらうだろうと予想しています。これはあくまでそのメディアの予測であり、ほかのメディアが報告している事実ではありません。とはいえ、主なルートを外れて探索することが魅力の大きな部分を占めるゲームだけに、妥当な懸念といえます。
多くのプレイヤーにとって、ここが判断を左右する要素になります。頭の中で地図を組み立て、行き先を自分で考えることが好きなら、この煩わしさも受け入れられるかもしれません。しかし、明確な目標と使いやすいマップを頼りにするプレイヤーなら、ここが最も不満を感じやすい部分になるはずです。
風変わりな仲間と、賛否の分かれる冗談

物語は確かな魅力です。怪しげなAIや奇妙な人間の協力者たちが筋書きを動かしていき、よく書かれたテキストと音声ログが緊張感を高めて謎への関心を引き出します。それらは主な物語の動きが落ち着く場所に置かれていることが多く、清掃員の正体の謎、時間軸を行き来する船、そして仲間に加わる道徳的に問題を抱えた生存者たちが、端末を読み続ける理由を与えてくれます。
ユーモアに関しては好みが分かれます。とぼけた皮肉を含む文章や、間抜けなポスターや不条理な出来事と対比される大仰な標語を楽しむメディアがある一方で、これを延々と続く笑えない風刺と評するメディアもあります。後者は、おかしさを感じるのは文章が笑わせようとするときではなく、ゲームのシステム同士がぶつかり合うときだけだとしています。どちらの見方も間違いではなく、冗談をどう受け取るかによって、物語をどれだけ楽しめるかも変わってきます。
攻略の選択肢は豊富でも、戦闘自体の手応えは乏しい

自由度は高いものの、戦闘に関わる部分にどれほど満足できるかはそこまで確かではありません。なお、以下の批判はそれぞれ一つのメディアから出たものです。たとえば、戦闘中に自分らしいやり方を表現する選択肢の豊富さを評価しつつも、敵は奇妙で独創的だが幅に乏しく、戦闘そのものにも同じことが言えると感じたメディアがあります。遭遇した状況への対処方法が多いことと、戦闘に深みがあることは同じではないからです。
また別のメディアは、ステルスが安定しないことがあると報告しています。暗闇に見える場所で発見されることがあり、音を立てずに攻撃するために最後の数フィートを詰めたところで警戒を招くこともあったため、忍び寄るより撃つほうが確実だと感じたそうです。さらに別のメディアは、射撃の手応えが乏しく武器の発射音には迫力がまったくないと述べる一方、射撃の仕組み自体には問題がないとしています。これらはいずれも総意ではありませんが、合わせて見ると、選択肢はそろっているものの戦闘に関わる要素が満足感や確実性を常に伴うとは限らないことがうかがえます。
快適に動く場合もあれば、進行が止まる場合もある

技術面の報告には無視できないほどの差があり、得られた情報から言えるのは、一律に評価を下せるものではなく環境に応じた注意が必要だということです。GeForce RTX 4060 Tiとウルトラワイドモニターを備えたPC環境では、あるメディアが非常に滑らかに動作したと報告しており、別のメディアもかなり快適に動いて目立ったバグはなかったと述べています。一方、Steam Deckでプレイした別のメディアは、フレームレートの変動が大きく期待外れだと感じています。
あるメディアのプレイでは、安定性にさらに深刻な問題がありました。序盤のミッションで存在しないキーカードを探すよう指示され、同じ通路をほぼ2時間探し回った末にゲームをリセットしたところ、欠けていたアイテムが出現したのです。そのメディアは、小規模なインディーチームの作品なら通常は技術面の粗さを大目に見るものの、進行不能になるバグは容認できないと述べています。この厳しい批判は問題に遭遇した一度のプレイに基づくもので、すべてのメディアが同じ問題を報告したわけではありません。それでも、特にSteam Deckでの報告と併せて考えれば判断材料に含めるべき深刻さがあり、ゲームデザイン上の問題とは別のリスクといえます。
総評 自ら道を切り開く意欲があるかどうかが評価の分かれ目

目標の達成、敵との遭遇、探索、パズルに自分なりの方法で取り組み、賢い解法も愚かな失敗も試せる自由を求めているなら、『RetroSpace』には遊ぶ価値があります。木製パネル、分厚い端末、真鍮を思わせる色合いに彩られた、1970年代風のアナログなステーションに魅力を感じるならなおさらです。ゲームが正常に機能しているときには、相互につながる空間を調べ、テキストと音声ログから登場人物たちの人物像を組み立てていくことに確かな充実感があります。
ただし、明確な目標と使いやすいマップを頼りにする人、曖昧な案内のせいで来た道を戻ることが嫌いな人、奥深い戦闘や確実に機能するステルス、迫力のある射撃を求める人、あるいは延々と続く風刺を楽しめない人は注意が必要です。また、Steam Deckでのプレイを予定している場合や、あるメディアのプレイを序盤で止めてしまったような進行不能バグをほとんど許容できない場合は、ほかのメディアが目立った問題なく遊べていたとしても、技術面の報告を特に慎重に受け止めたいところです。
本作は、自分で道を見つける意欲のあるプレイヤーにはしっかり応えてくれますが、明確な案内、確実に機能するシステム、そして安定した動作の保証を必要とするプレイヤーには不満を抱かせやすい一作です。








製品情報
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| ゲームタイトル名 | RetroSpace |
| 原題名 | RetroSpace |
| ジャンル | アクション, アドベンチャー, インディー, RPG, シミュレーション, FPS |
| プラットフォーム | Windows, PlayStation 5, Xbox Series X|S |
| 発売日 | 2026年10月1日 |
| 価格 | Steam ¥2,600 / Xbox ¥2,115 |
| 体験版 | あり |
| 公式サイト | https://discopunk.space/ |
| 開発元 | The Wild Gentlemen |
| 発売元 | Kwalee |










