2025年10月14日に発売の『NASCAR 25』のメディアレビューが公開されMetacriticのメタスコアが集計されました。このページではMetacriticへ寄稿された『NASCAR 25』に対する海外ゲームメディアのレビューを翻訳してまとめています。
メタスコアは70代前半で、評価としては賛否が真っ二つに割れる「惜しいゲーム」という立ち位置です。iRacingスタジオが手掛けた本格的な走りの手触りは高く評価されている一方で、レース以外の部分に粗さが目立つという声が多く聞かれます。購入の参考になれば幸いです。
走りは本物、でもそれ以外が追いつかない



この『NASCAR 25』は、iRacingのノウハウが注ぎ込まれた「過去20年で最高の物理エンジン」と呼ばれるほどの操作感を持った、シミュレーター寄りのレースゲームです。コーナーに飛び込む瞬間のグリップの限界を探る緊張感や、時速300km超の集団の中を掻い潜るスリルは、他のレースゲームではなかなか味わえません。
ただ、その本格的な走りを包むキャリアモードやオンライン環境にはかなりの粗さが残っていて、「レースそのものは最高なのに、それ以外の部分が足を引っ張っている」という評価に落ち着いています。NASCARファンにとっては間違いなく待望の一本ですが、初心者や他ジャンルから流れてきたプレイヤーにとっては、かなりハードルが高いかもしれません。
「心臓がパンクしたタイヤのように脈打つ」操作感
本作最大の魅力は、やはり走りそのものの手応えです。車体は単なる「鉛の塊」ではなく、確かな重みとコーナーでの回転がコントローラー越しにしっかり伝わってきます。スーパースピードウェイでのバンプドラフトやパックレーシング、ショートトラックでのブレーキングと軌道計算など、コースの特性に応じてドライビングの組み立てがガラッと変わるのが面白いところですね。
わずかな入力ミスが5位から35位への転落を招くほどシビアで、レビュアーが「パンクしたタイヤのような勢いで心臓が脈打つ」と表現するのも納得の緊張感。過去のNASCARゲームで課題だったコントローラーの操作性も劇的に改善されていて、「道路に接着されているような不自然さ」がなくなり、タイヤがグリップを失ってよじれる感覚がスティック越しにちゃんと伝わります。DualSenseのアダプティブトリガーとの相性も抜群だそうです。
NASCARの文化ごと味わえるプレゼンテーション
キャリアモードの幕開けを飾るDale Earnhardt Jr.の導入映像や、ゲーム内で展開されるPodcast番組「Dale JR Download」が、NASCARの文化と情熱をダイレクトに伝えてくれます。最高峰のCup Seriesだけでなく、Xfinity、Craftsman Truck、さらに登竜門のARCA Menards Seriesまで収録していて、150名以上の実名ドライバーが参戦。草の根カテゴリーからステップアップしていく泥臭いモータースポーツの世界を体験できるのは嬉しいポイントです。
サウンドトラックも「近年で最高のビデオゲームサウンドトラックの一つ」と称賛されていて、System of a DownやJelly Roll、かつての名作『NASCAR 98』のテーマだったMolly Hatchetの「Flirting with Disaster」などが収録されています。メニュー画面でただ音楽を聴いていたくなるほどの魅力があるとのこと。V8エンジンの重低音やスポッターの的確な無線指示も、レース中の臨場感を引き上げてくれます。
自分好みに調整できる懐の深さ
プレイヤーのスキルや好みに合わせて、アーケード寄りから本格シミュレーターまで細かくチューニングできる調整幅の広さも好評です。AIの難易度、レースの長さ(最短7%のショートレースからフルシーズンまで)、ダメージ表現などをスライダーで自由にカスタマイズできるため、幅広い層がそれぞれのペースで楽しめる設計になっています。
また、iRacingのベーススキームを踏襲したペイントブース(Livery Editor)が搭載されていて、自分だけのオリジナルマシンをデザインできるのも楽しい要素ですね。
ちょっと注意点があります
氷河期のように遅いキャリアモードの進行
一方で、キャリアモードには不満の声が集中しています。次のシリーズへ進むための「評判(Reputation)ポイント」の獲得量が渋く、進行が「氷河期のように遅い」と感じるレビュアーが多いんですよね。スポンサーの要求する順位を満たさないと先に進めない直線的な仕様や、PRイベントで「自身の評判」と「車の修理ポイント(Work Points)」のどちらかを選ばされる単調なシステムが、作業感を強めています。
ドライバー自身のカスタマイズも名前と性別の入力、そしてシルエットを選ぶだけという最低限の仕様。キャラクターモデルすら用意されていないため、自分やチームに対する愛着が湧きにくいのは残念なポイントです。車のペイント機能が充実しているのとは対照的ですね。
「絶対的な大惨事」と化すオンライン
40人が参加可能なオンラインロビーは技術的にはスムーズですが、マナーの悪いプレイヤーによってカオスな状況に陥ることが頻発します。レビュアーが「絶対的な大惨事(absolute carnage)」と呼ぶほどで、第2コーナー付近で「真っ直ぐ走ることにアレルギーがあるのかと思った」と表現されるほどの押し出しや妨害行為が横行しています。悪質なプレイをペナルティで抑制する仕組みが機能しておらず、純粋にレースを楽しみたいプレイヤーにとっては大きなフラストレーションになっているようです。
初心者を突き放すチュートリアルの不在
スポーツゲームで一般的なチュートリアルが一切存在しません。ドラフティングの仕組みやピットのタイミングといったNASCAR特有の戦略が説明されないまま、いきなりコースに放り出されます。修理に必要な「Work Points」の獲得条件や、レース中のピットインの具体的な操作方法についての説明もないため、モータースポーツ初心者が置いてけぼりにされやすい構造です。
効果音のチープさとダメージ表現の物足りなさ
サウンドトラックが絶賛される一方で、レース中の効果音にはチープさが目立ちます。車同士が接触する音が「乾いた布でフロントガラスを拭く音」、強くぶつかった際は「工具箱の引き出しを閉める音」と表現されるほどの違和感。さらに「フルダメージ」設定をオンにしても車体はわずかにへこむ程度で、視覚的な破壊表現が極めて乏しいのも批判されています。勝利セレモニーやドライバーの登場シーンも存在しません。
意見が割れるところもあります
パーツの「劣化と修理」システム
肯定派は、パーツが100%の状態からスタートしレースごとに劣化していくシステムを、ストックカーレースの本質を突いた「型破りなアプローチ」として高く評価しています。次のレースのコース特性を考慮したリソース管理に戦略的な楽しさを見出していて、たとえば接触の多いブリストルではあえてボディを修理しないといった判断が面白いとのこと。
一方で否定派は、修理にリソースを奪われ続けることで車をアップグレードしていく成長の実感が薄いと不満を述べています。「高価なパーツが単純に強いだけ」という底の浅さや、レース間のガレージでの管理業務が単調で深みがないと感じているようです。
コントローラーとハンコンで感触が違う
コントローラーでの操作感は過去作から飛躍的に向上したと絶賛する声が多いです。ハンコンでもコーナーに差し掛かった瞬間の重厚なフォースフィードバックは好評です。ただし、一部のレビュアーはハンコンでの直線走行時にFFBが極端に乏しくなり、「ステアリングが死んでいる」と批判しています。また、ロードコースではすべての車が極端なアンダーステア傾向にあるという声もあり、このあたりは使うデバイスによって印象が変わりそうです。
イエローフラッグやピットストップの制限
スピンしても完全に停止しないとイエローフラッグが出ない仕様や、ピットイン時にフィールドがロックされる仕様について、肯定派は「レースの流れをスムーズに保つための意図的な割り切り」として好意的に受け止めています。否定派は、これらが現実のNASCARのダイナミックな展開と乖離していると指摘。任意のタイミングでのピットインが直感的に行えず、UIの奥底から指示を出す必要がある点なども、自由度が低いと批判されています。
メディアレビュー紹介
高評価メディア
But Why Tho? — 80
iRacingが手掛ける本作は、2000年代初頭以来最高のNASCAR体験だ!デイトナでのオーバーテイクの緊張感はF1やGTに匹敵し、コントローラーでも驚くほど快適に操作できる。デイル・アーンハート・Jr.が案内するキャリアモードへの雰囲気は圧倒的で、極上のサントラが熱狂を加速させる傑作である。
→ レビューを読むTheSixthAxis — 80
コース上での心臓が飛び出るようなレースアクションがたまらない!操作は非常にシビアで、一瞬のミスが5位から35位への転落を招くほどの緊張感を生み出す。デイル・アーンハート・Jr.のポッドキャストで彩られたキャリアモードは本物さながらの雰囲気で、40人対戦のオンラインロビーも熱い。レース体験は極上だ。
→ レビューを読むCOGconnected — 77
iRacingのノウハウが注ぎ込まれた圧倒的なリアリティに驚愕する!レーザースキャンで忠実に再現された車と30のコースは圧巻の一言。PS5のDualSenseを活用したハプティックフィードバックが、バンク角の重力や路面の感触をリアルに伝える。リワードポイントを稼いで頂点を目指すキャリアモードも最高だ。
→ レビューを読む
低評価メディア
CGMagazine — 65
キャリアモードの薄っぺらさには失望を禁じ得ない。150人以上の実名ドライバーが登場するのにライバル関係などの交流は一切なく、ただ作業を繰り返すだけだ。さらにシムを謳いながらステアリングのフォースフィードバックは無に等しく、酱いアンダーステアに悩まされる。美麗なグラフィックの裏にある底の浅さが目立つ。
→ レビューを読むImpulsegamer — 70
確かにオーバルコースでの時速200マイルの集団バトルは爽快だが、万人受けする作りではない。特に視覚面には明白な手抜きが見られ、ヘッドライトが立体モデルではなくただの平らなテクスチャで処理されている点には呆れてしまう。レース自体の出来は悪くないが、シミュレーターとしての細部の作り込みが決定的に不足している。
→ レビューを読むMovies Games and Tech — 70
初心者を完全に突き放す不親切な設計が致命的だ。基礎や戦略を学ぶためのチュートリアルが一切存在せず、新規プレイヤーはコースに放り出されて途方に暮れることになる。メインとなるキャリアモードも評判ポイント稼ぎの作業感が強く、進行が恐ろしく遅い。熱心なファン以外には到底お勧めできない、閉鎖的なタイトルである。
→ レビューを読む
まとめると
- iRacing譲りの物理演算による操作感は、過去20年で最高と評されるほどの完成度
- コントローラーでの操作性が過去作から劇的に改善され、DualSenseとの相性も良好
- 下位シリーズから最高峰まで網羅した豊富な収録コンテンツと150名以上の実名ドライバー
- Dale Earnhardt Jr.の導入やPodcast、SNSフィードによるNASCAR文化の演出が充実
- サウンドトラックは「近年最高」と称賛される完成度
- キャリアモードの進行が「氷河期のように遅い」と感じる作業感の強さ
- ドライバーのカスタマイズが名前と性別だけの最低限仕様
- オンラインが悪質プレイヤーのために「絶対的な大惨事」と化しやすい
- チュートリアルがなく初心者が完全に置いてけぼりにされる
- 接触音やダメージの視覚表現など、演出面に物足りなさがある
- パーツの劣化・修理システムやハンコンのフィードバックなど、評価が分かれる要素も複数存在
製品情報
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| タイトル | NASCAR 25 |
| ジャンル | レーシングシミュレーション |
| 発売日 | 2025年10月14日 |
| 開発 | iRacing Studios |
| 収録シリーズ | NASCAR Cup Series、Xfinity Series、Craftsman Truck Series、ARCA Menards Series |
| 収録ドライバー | 150名以上(実名) |
| オンライン | 最大40人(クロスプレイ非対応) |










