Paradox Interactiveより2025年11月5日に発売!PC対応のグランドストラテジー『Europa Universalis V』のメディアレビュー総まとめページです。
多言語を日本語へ翻訳してからの編集になっているためゲーム用語など一部異なる場合があります。
総合評価
SCORE
85
Metacriticで集計されているゲーム評価のスコアです。大手メディアに投稿されたレビューのスコアを平均された数値になります。メディアスコアは大きく変わることは少ないですが、集計サイトが増えるにつれて頻繁に変動します。
| 90 | 80 | 70 | 60 | 50 |
|---|---|---|---|---|
| 神ゲー | 良ゲー | 凡ゲー | 低評価 | 爆弾持ち |
本作は歴史の重みを感じられる体験を提供しています。征服した土地を単に支配するだけでなく、統治の質を高めることに大きな意味があり、人口動態の変化が国力に直結する設計になっています。黒死病で人口が半減すれば食料生産も原材料も落ち込み、一人ひとりの死が国家全体を揺るがします。外交では戦略的な結婚によってイベリアを統一できる一方で、文化的な多様性を受け入れる政治的な決断が求められ、時には農民と結婚した君主から新王朝が生まれるといった予想外の展開も起こります。
戦争では地形と天候、兵站が勝敗を分ける要素として機能しており、浸水した川を渡る攻撃や山道の奪取では慎重な配置と忍耐が求められます。地震を利用したコンスタンティノープル攻略や、同盟国が予想外の活躍を見せる展開など、戦略的な判断が報われる瞬間が用意されています。植民地主義に専念して戦争を避けるプレイスタイルも可能で、熟練者向けには貿易システムの自動化も評価されています。地図を拡大すれば建物の一つひとつが見え、窓の音や羊皮紙の動きといった細部まで作り込まれています。
ただし初心者には厳しい部分もあり、チュートリアルに従わないと赤字経営から抜け出せず、兵站を軽視すれば大軍が壊滅します。貿易の手動操作では輸入量を調整しても国民のニーズが満たされない理由が不明瞭で、挫折する場面がありました。技術面ではクラッシュが頻発し、特に長時間プレイでは15回以上の落ちや画面のスタッタリングが報告されています。UIには建設フィルターが機能しない、テキストが重なる、通知が消えないといった問題があり、操作性に支障が出ています。
AIは国家運営と軍事行動をこなしますが、長期的な野心を持った帝国建設の姿勢が弱く、地図が静的になりがちです。歴史的な国家が形成されず、蛇のような形や飛び地だらけの不自然な国境が何世紀も固定されることもあります。北米原住民の表現が不足しておりリリース時点での選択肢は限られています。イベントも最初のプレイが終わる前に反復的になり、単調に感じられる場面があります。
評価ポイント
最も評価されているのは、歴史の仕組みを詳細に再現した点です。抽象的なシステムが廃止され、人口、貿易、経済、内部政治といった要素が相互に関係しあう仕組みが導入されました。これにより、プレイヤーは国家そのものを運営している感覚を得られ、あらゆる決定が国内の細部から世界地図全体にまで影響を及ぼします。
- 高度な自動化設定と介入の柔軟性
- 建設、徴税、募集といった反復作業をAIに任せられる、詳細な自動化設定が用意されています。設定はプレイ中にいつでも変更でき、必要な瞬間に即座に手動介入も可能です。これにより、熟練者は効率化を図れ、初心者は戦争など特定の要素に集中しながら段階的に学べます。
- 地形や兵站が重視される戦略的な戦争
- 戦闘は、地形、天候、兵站(食料や物資の供給)といった現実的な要素に強く左右されます。単に大軍をぶつける消耗戦ではなく、川を渡っての攻撃や山岳での防衛といった状況判断が重要です。訓練された常備軍の質と、計画的な部隊配置が求められる戦略的な戦闘が評価されています。
- 仕組みの「なぜ」を理解させる学習設計
- ミッションツリーやガイダンスが、単に操作(どのボタンを押すか)を教えるのではなく、行動の理由(なぜそれをするのか)を理解させるように設計されています。詳細なヒント機能(ネストされたツールチップ)もあり、プレイヤーが実際にプレイしながら仕組みを学べるよう工夫されています。
- 展開が分岐する高いリプレイ性
- 1337年から1836年までの約500年間を、安定して遊べるサンドボックス構造が採用されています。同じ国家で開始しても展開が変わり、歴史とは異なる結果も生じやすいため、長期キャンペーンのリプレイ性が非常に高くなっています。
- 抽象的なリソース(マナ)の廃止
- 旧作にあった抽象的なポイント(通称マナ)が廃止されました。州の開発や安定度の向上には能力に基づいた大臣の割り当てが必要となり、技術研究は国民の識字率が影響するなど、より具体的で納得しやすい要因に基づいて国家を運営できます。
- 地域や宗派の特色を反映する新要素
- 「状況」や「国際機関」といった新要素が、各地域や宗派の特徴を表現しています。例えばカトリック国家は、教皇庁という国際機関と関わり、専用の通貨を用いて勅書への投票や十字軍の要請など、固有の行動を取ることが可能です。
- 思想を反映できる国家の方向性の決定
- 国家のあり方を、中央集権化か分権化か、貴族制か金権政治かといった複数の軸でプレイヤー自身が決定できます。固定ルートの達成ではなく、自分の政治思想や目指す国家像に沿った長期的な国家形成(ビルド)が可能です。
- 領土を持たない勢力も含む、幅広い選択肢
- 欧州列強やオスマン帝国、小国はもちろん、世界中の多様な勢力を選択できます。今作ではペルッツィ銀行やハンザ同盟といった、領土を持たない勢力としてプレイすることも可能になり、遊び方の初期条件が非常に幅広いです。
- 征服だけに頼らない多様なプレイスタイル
- 国家の力の源泉を、軍事力、外交網、あるいは影響力の蓄積など、プレイヤーが自由に決定できます。征服による拡大だけでなく、道徳的な模範を示したり、平和的な交流で影響力を伸ばしたりといった、非侵略的なプレイスタイルも長期的に成り立つようになっています。
- 雰囲気作りを支える高品質な演出
- ロード画面のアート、テーマ性のあるUI装飾、細かな効果音といった視覚・聴覚面の演出が向上しています。特にサウンドトラックは高品質なオーケストラ楽曲で、長時間のプレイでも負担になりにくく、集中を維持しやすい雰囲気を支えています。
不評ポイント
ゲームの動作が不安定であるという技術的な問題が報告されています。長時間のプレイ中に頻繁にクラッシュ(強制終了)が発生するほか、ゲーム速度を上げて実行すると、特に月が変わるタイミングで画面の動きがカクついたり、数秒間完全に停止したりする問題が見られます。
- UIの操作性と情報過多の問題
- メニューの奥にさらにメニューが隠れている構造で、最初は戸惑いやすいです。資源採集施設の建設画面など一部のメニューでは、フィルターがうまく機能しなかったり、文字が重なって表示されたりします。技術ツリーの画面は極端に縮小されており、横に動かさないと見えないため読みづらいです。ゲームが進むと管理すべき情報が増えますが、画面の整理が追いついておらず、情報過多になりがちです。
- 他国AIの消極的な行動と勢力図の停滞
- 他国を操作するAIの行動が単調です。プレイヤーを追い詰めたり、同盟を裏切ったりといった脅威的な動きが少なく、戦争を避けて友好関係を維持しすぎる傾向があります。その結果、世界地図の勢力図があまり動かず、ヘビのような細長い国境や飛び地が何世紀もそのまま残ってしまうことがあります。
- 重要システムの理解の難しさとフィードバック不足
- 戦争時の兵站や食料供給といった重要な仕組みの説明が十分ではありません。貿易システムにおいても、なぜ手動で輸入しても住民の需要を満たせないのか、といった理由が分かりにくくなっています。プレイヤーの行動がなぜ望む結果につながらないのかが把握しにくく、仕組みを理解するまで失敗を繰り返しやすいです。
- ゲーム終盤のテンポの悪化
- キャンペーンのプレイ時間が非常に長く、最後まで遊ぶには70時間以上かかることもあります。終盤になると、領土や人口が増えて手動で管理する作業が膨大になりますが、それに見合う成果が得られにくくなり、ゲームのテンポが悪くなって作業感が増すとの指摘があります。
- 国家間の独自要素の格差とコンテンツの再利用
- ヨーロッパの主要国に比べ、アジアやアフリカ、アメリカ大陸の小規模な国家は、その国ならではのイベントなどが少ないです。特に北米先住民は遊べる内容が限られています。また、前作(EU4)から引き継がれたイベントや実績が多く、新鮮さに欠けるという意見や、一般的なイベントが繰り返し発生しやすいという意見があります。
- ミッションシステムの使いにくさ
- ミッションシステムは、国家の長期的な目標を示すというより、特定の機能の「使い方案内」のように感じられます。また、すでに高い数値に達している指標をさらに上げるよう要求されるなど、達成が難しくテンポを妨げる場合があります。別のミッションに切り替えると、それまでの進行状況がリセットされてしまう仕様も不便です。
- 自動化AIの行動方針を設定できない問題
- 作業をAIに任せられる自動化機能はありますが、AIが「どの程度」「どのような方針」で動くかを細かく設定する機能が不足しています。そのため、AIが望まない動きをした場合に、それを細かく制御したり修正したりする手段が限られています。
メディアレビュー
- GAMINGbible[90]
- TechRadar Gaming[90]
- Gamereactor UK[90]
- TheGamer[90]
- TheSixthAxis[90]
- PC Gamer[87]
- GameWatcher[85]
- PC Games[80]
- But Why Tho?[80]
製品情報
| 項目 | 概要 |
|---|---|
| タイトル (日本語) | Europa Universalis V |
| タイトル (英語) | Europa Universalis V |
| ジャンル | グランドストラテジー,シミュレーション,ストラテジー |
| 開発元 (Developer) | Paradox Tinto |
| 販売元 (Publisher) | Paradox Interactive |
| 発売日 | 2025年11月4日 |
| プラットフォーム | PC |
| プレイ人数 | 1人 (シングルプレイヤー), マルチプレイヤー (オンラインCo-op/PvP) |
| 日本語(インターフェース) | 対応 |
| 日本語(字幕) | 対応 |
