CULT Gamesより2025年9月26日に発売された、PlayStation 5、Xbox Series X|S、PC (Steam)に対応の2.5D アクションローグライト『HOTEL BARCELONA(ホテル・バルセロナ)』のメディアレビュー総まとめページです。
総合評価
SCORE
60
Metacriticで集計されているゲーム評価のスコアです。大手メディアに投稿されたレビューのスコアを平均された数値になります。メディアスコアは大きく変わることは少ないですが、集計サイトが増えるにつれて頻繁に変動します。
90 | 80 | 70 | 60 |
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神ゲー | 良ゲー | 凡ゲー | 問題あり |
『HOTEL BARCELONA ホテル・バルセロナ』は、クリエイターの強い個性が評価される一方で、実際のゲームプレイの作り込みに課題を抱える作品です。OpenCriticの平均スコアは60点、Steamのユーザーレビューでは「賛否両論」となっており、その評価はコンセプトと操作感のギャップに起因しています。
その魅力の源は、須田剛一氏とSWERY氏という二人のクリエイターが持つ、B級ホラー映画のような独特の雰囲気や、記憶に残りやすいキャラクターたちにあります。また、ゲームの核となるシステムとして、プレイヤーが倒されるたびに過去の自分の動きを再現する分身「スラッシャー・ファントム」が次の挑戦を手助けする仕組みは、失敗を次に繋げる独創的なアイデアとして評価されています。
しかし、その一方で、戦闘における操作性は多くのレビューで課題として指摘されています。攻撃の動きが遅く、ボタン入力から技が発動するまでに遅れがあったり、入力が無視されたりすることが、スムーズなプレイを妨げています。技術面でも、キャラクターモデルの作り込みの甘さや、頻繁なフレームレートの低下、情報が多すぎるUIデザインなどが欠点として挙げられています。さらに、スラッシャー・ファントムも、その恩恵を受けるには毎回同じ道を通る必要があり、探索の自由度を下げてしまうという欠点も報告されています。
結論として、『HOTEL BARCELONA』は、独創的なアイデアと強い世界観という魅力的な骨格を持ちながらも、アクションゲームの根幹である操作性と技術的な完成度において多くの課題が残る作品であるという事実が示されています。
評価ポイント
プレイヤーが死ぬたびに、過去の挑戦での動きをそのまま真似する「スラッシャーファントム」という分身が現れます。この分身は、次の挑戦で敵にダメージを与えたり、おとりになったりしてプレイヤーを助けてくれます。特に難しいボスと戦う時に、攻略がとても楽になります。失敗が目に見える形で次のプレイの助けになるこの仕組みは、ローグライクゲームの中でもユニークな進め方として評価されています。
- B級映画のような独特の世界観と雰囲気
- Suda51とSWERYという2人のクリエイターが協力したことで、奇妙で独特な雰囲気が生まれています。B級映画や昔のアニメのようなノリがあり、少し荒削りな部分も許せるほどの強い個性が魅力です。セル画のようなグラフィックと、パンク風ホラーの雰囲気がうまく合わさっています。
- 個性的な登場人物とユーモアのある会話
- 登場するキャラクターは個性的で記憶に残りやすいです。特に、主人公のジャスティンと、彼女に取り憑いた殺人鬼ドクター・カーニバルの会話が魅力的で、ダークなユーモアがあります。正義と悪という正反対の2人のやり取りが、物語を面白くしています。
- 遊びやすい難易度設定と救済措置
- 難易度は4段階から選べ、一番簡単なモードで遊んでもペナルティはありません。ボス戦で負けても、専用アイテムを使えばすぐに再挑戦できます。また、スキルを解放していくことで、キャラクターを強くしたり、新しいアクションを覚えたりして、だんだん操作がしやすくなります。
- ホラー映画をテーマにしたボスとステージ
- 7つあるエリアはそれぞれ異なるホラー映画のジャンルがテーマになっていて、個性的なボスが登場します。ステージには、元ネタになったホラー映画へのオマージュや小ネタがたくさん隠されています。
- 攻撃を続けると有利になる「スプラッターメーター」
- 敵を倒して血を集めると「スプラッターメーター」が溜まります。メーターが溜まるとキャラクターが強くなっていき、最大まで溜めると「カーニバル覚醒」という強力な必殺技が使えます。メーターは攻撃をやめたりダメージを受けたりすると減ってしまうため、自然と攻撃的なプレイスタイルになります。
- 短いステージ構成で繰り返し遊びやすい
- 1周あたり15分から20分ほどで終わる短いステージ構成になっています。ステージの構造は同じですが、敵の配置や手に入るアイテムなどが毎回変わるため、繰り返し遊べます。挑戦が終わった後には、手に入れたものを使ってキャラクターを永続的に強化できるので、失敗しても次のプレイに繋がります。
不評ポイント
主人公の攻撃は、動きが遅くフワフワした感触です。特に大攻撃はボタンを押してから技が出るまでの時間が長く、入力が認識されないこともあります。素早い反応が求められるゲームジャンルなので、この操作性の悪さが大きなストレスになっています。また、攻撃が敵に当たった時の手応えが薄く、ダメージを与えているか分かりにくい点も問題です。コンボのタイミングが厳しく、攻撃中に回避や防御で動きを中断できないため、常に無防備になりやすいです。
- グラフィックの作り込み不足
- キャラクターモデルの多くが、既製品のアセットのように見え、あまり見分けがつきません。主要なキャラクターやボスでさえ、見た目を引き立てるような光の表現などが不足しています。2Dのキャラクターイラストは綺麗ですが、ゲーム全体のグラフィックは期待外れです。
- ゲーム動作の不安定さ
- フレームレートが頻繁に低下したり、不具合が起きたりします。画面にスラッシャーファントムがいると特に動作が重くなり、ゲーム開始時に数秒間画面が固まることもあります。
- 画面が見づらく、説明も足りない
- 体力、スタミナ、マップ、複数の通貨、メーターなど、画面に表示される情報が多すぎてごちゃごちゃしています。また、ゲームが始まっても説明がほとんどなく、遊び方を理解するには自分でチュートリアルを読む必要があります。
- スラッシャーファントムが探索の邪魔になる
- スラッシャーファントムを活かすには、過去の挑戦と全く同じルートを通る必要があります。このため、新しい道を探すよりも同じ道を通ることが強制され、探索の楽しさが失われています。
- バランスが悪い難易度
- ノーマル難易度では、敵から受けるダメージが大きすぎることがあります。連続で攻撃されて動けなくなったり、状態異常が長く続いたりします。特に序盤はキャラクターが育っていないため、非常に厳しい戦いになります。
- 水に濡れるデメリットが大きい
- 水しぶきを浴びるだけで、スプラッターメーターが完全になくなってしまいます。ほとんどのステージに水たまりなどの仕掛けがあり、これが非常にわずらわしいです。
- 効果が分かりにくいシステム
- 時間帯や天候、キャラクターの体の大きさの変化といった要素がありますが、武器の性能にわずかな影響しか与えず、効果を実感しにくいです。
- 記憶に残りにくい物語
- 物語は展開の遅い会話で伝えられますが、ジョークが時代遅れで面白みに欠けることがあります。
- 全体的なボリューム不足
- メインストーリーは6〜7時間ほどでクリアできます。マルチプレイモードもありますが、遊ぶためにゲーム内のお金が必要になるなど、あとから付け足したような作りになっています。
メディアレビュー
- Finger Guns[70]
- KeenGamer[70]
- Hobby Consolas[67]
- PlayStation Universe[65]
- Impulsegamer[60]
- COGconnected[50]
- Softpedia[85]
- Loot Level Chill[80]
- Gameliner[80]
- Tech-Gaming[72]
- TheGamer[70]
- DualShockers[65]
- Noisy Pixel[65]
- Stevivor[65]
- IGN Deutschland[60]
- Checkpoint Gaming[50]
- Game Rant[50]
- GamesRadar+[40]
- GamingTrend[40]
- Multiplayer.it[40]
製品情報
項目 | 概要 |
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タイトル (日本語) | HOTEL BARCELONA ホテル・バルセロナ |
タイトル (英語) | HOTEL BARCELONA |
ジャンル | アクション,ローグライト |
開発元 (Developer) | White Owls Inc. (Grasshopper Manufactureとの共同開発の記述あり) |
販売元 (Publisher) | CULT Games |
発売日 | 2025年9月26日 |
プラットフォーム | PlayStation 5, Xbox Series X\ |
希望小売価格 | ¥3,990 (税込) |
プレイ人数 | 1人 (シングルプレイ) / 2~4人 (オンラインマルチプレイ:Co-op/PvP) |
対応言語 (テキスト) | 英語、日本語、スペイン語(スペイン)、簡体字中国語、繁体字中国語、カタロニア語 |
対応言語 (音声) | 英語、日本語 |