【メタスコア】『ホテル・バルセロナ』評価レビュー

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2025年9月26日に発売の『ホテル・バルセロナ』のメディアレビューが公開されMetacriticのメタスコアが集計されました。このページではMetacriticへ寄稿された『ホテル・バルセロナ』に対する海外ゲームメディアのレビューを翻訳してまとめています。

総合スコアは50点台後半と厳しい結果になっています。独創的なアイデアやぶっ飛んだ世界観には光るものがあるのですが、肝心のアクション部分の出来がそれを大きく損なってしまっているようです。購入の参考になれば幸いです。

個性は爆発しているけど、ゲームとしてはかなり厳しい

この『ホテル・バルセロナ』は、『ノーモア★ヒーローズ』の須田剛一氏と『デッドリープレモニション』のSWERY氏という、ゲーム業界屈指の異才二人がタッグを組んだ2.5Dスラッシャーアクションです。連邦保安官のジャスティーンにシリアルキラー「Dr.カーニバル」が憑依するという設定からして、もう普通じゃありません。

ただ、世界観やアイデアの強烈さに対して、アクションゲームとしての土台がまるで追いついていないというのが大多数の評価です。操作感の悪さ、深刻なパフォーマンス問題、噛み合わないシステム設計と、基礎的な部分に問題が集中しています。両クリエイターの作家性を愛するファンでも、今回はかなり厳しいかもしれません。

「斧の振りかぶりに5営業日かかる」操作感の重さ

本作で最も多くの批判を浴びているのが、全体的にもっさりとした操作感と薄い攻撃フィードバックです。『Hades』や『Dead Cells』のようなキレのあるアクションを期待すると、その重さに驚くと思います。主人公の動きは「極めて鈍重で浮遊感がある」と表現されていて、攻撃を当てても手応えが薄く、ダメージを与えられているのかどうかすら分かりにくいそうです。

レビュアーの比喩がなかなか強烈で、丸鋸による攻撃は「朝食ビュッフェのバターナイフで敵を優しくタップしているかのよう」、斧は「振りかぶるのに約5営業日かかる」と皮肉られています。コンボ入力のタイミングも不自然にシビアで、ボタンを押しても反応しない入力漏れも頻発するとのこと。アクションゲームの根幹にあたる部分でこの評価は、かなり痛いですね。

フレームレートの崩壊と理不尽な被弾

パフォーマンスの問題もかなり深刻です。画面内にスラッシャーファントムや敵が増えると処理落ちが頻発し、PS5でもフレームレートが著しく低下するとのこと。木箱を壊しただけでカクつくこともあるようで、これが原因で回避不可能なダメージを受けてしまうケースが多発しています。

ステージのロードが終わる前に戦闘が始まってしまう不具合や、数秒間の画面フリーズ、突然のゲームクラッシュなど、技術的な問題が山積みです。せっかくの独創的なシステムが、こうした不安定さで台無しになってしまっているのは本当にもったいないですね。

素材を集めても集めても足りない周回の苦痛

ローグライトとしてのリトライ体験にも問題があります。アップグレードに必要な通貨や素材が「ドル・骨・歯・耳」と4種類もあるうえ、死亡時にすべて失われる仕様です。スキルツリーの解放やガチャ要素の強い衣装の入手にも大量のリソースが要求されるため、周回がどうしても単調な作業になりがちだと指摘されています。

さらに、マルチプレイに参加するためにも貴重なリソースを消費しなければならず、他プレイヤーからの侵入を防ぐアイテムの購入にもコストがかかるという仕様。システム同士がまるで噛み合っていないと酷評されています。

防御も回避もうまくいかない戦闘バランス

ブロックやパリィといった防御アクションの使い勝手が悪いのも大きな不満点です。乱戦になると防御を合わせるのが非常に難しく、結局ダッシュ回避に頼らざるを得ないため戦術の幅がかなり狭まっています。「炎上」や「骨折」といった状態異常の持続時間が不必要に長く、一度ハメられるとそのまま即死につながるケースも多いとのこと。プレイヤーの技術ではなく「理不尽な仕様」によって難しくなっているという声が多数を占めています。

ただ、光る部分もある

二人の奇才が生み出したB級ホラーの世界

批判の多い本作ですが、世界観やキャラクター造形の個性は間違いなく唯一無二です。拠点のホテルには耳のコレクションについて嬉々として語るバーテンダーや、クローゼットに住むモンスター「ティム」がいて、キューブリックの『シャイニング』を思わせる俯瞰ショットやタランティーノ的な暴力表現が至る所に散りばめられています。

ボスキャラクターもジェイソンやペニーワイズといった古典的スラッシャー映画のアイコンからインスピレーションを受けており、それぞれ全く異なる戦い方でプレイヤーに挑んできます。あるレビュアーは「他の開発者がゲームを作っているなら、この二人はアートを作っている」と、その妥協のない作家性を絶賛していました。

返り血を浴びて強くなる「スカルゲージ」の緊張感

戦闘の核となるスカルゲージのコンセプト自体は高く評価されています。敵を切り刻んで返り血を浴びるほどゲージが溜まり、最大になるとDr.カーニバルの必殺技「カーニバル覚醒」で画面全体を一掃できるという爽快なシステムです。10秒間敵を倒さなかったり、水たまりに入ったりするとゲージが急減するため、常に前に出て戦い続けなければならないという独特の緊張感があります。操作感さえ良ければ、もっと輝いたシステムだったかもしれません。

好みが真っ二つに割れるポイント

「スラッシャーファントム」は革新か、足かせか

本作の看板システムであるスラッシャーファントムは、評価が完全に二分されています。死亡した際の自分のプレイが幻影となって次の周回で共闘してくれるという仕組みで、最大3体の幻影を引き連れてボスに挑める「数の暴力」は確かに痛快です。失敗がそのまま味方になるというアイデアは、ローグライクジャンルでもかなり斬新だと思います。

ただし、このファントムを維持するには毎回まったく同じドアを選んで同じルートを進む必要があるんです。少しでも違う道を選ぶとファントムは消滅してしまうため、新しいルートやバフを探索するインセンティブが完全に失われてしまいます。ローグライトの醍醐味であるランダム性やビルド構築の楽しみが「同じ壁に何度もぶつかる単調な作業」に変わってしまうという批判は、かなり的を射ているかもしれません。

「Jank(味のある粗さ)」は許せるのか

須田氏とSWERY氏の作品に付きものの洗練されていない粗さを、B級映画的な「味」として楽しめるかどうかも大きな分岐点です。ファンからは「企業製の無菌状態のゲームより、混沌と魅力にあふれた彼らの作品を味わいたい」「雰囲気だけで最後までプレイさせる力がある」と支持されています。

一方で多くのレビュアーは「雰囲気だけではゲームの根幹は支えきれない」と厳しく、過去作と比較しても「両監督の欠点だけが掛け合わさっている」という辛辣な評価も。劇中のジョークについても「キャンセルカルチャーを揶揄する冗談がスベっていて後味が悪い」「時代遅れで耳障り」と不快感を示す声がありました。

メディアレビュー紹介

高評価

Loot Level Chill — 80
SWERYとSUDA51の狂気が融合した、他に類を見ない血みどろの最高傑作だ!耳を集めるバーテンダーなど奇抜なキャラに魅了される。最初はもっさり感じる戦闘も、アップグレードで劇的に進化。過去の自分の幻影「スラッシャーファントム」と共闘し、血を浴びてドクター・カーニバルを解き放つ快感は病みつきになる!
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GameCritics — 80
これは単なるゲームではなく、最高にメタルな芸術だ!ジャスティンが返り血を浴びてパワーアップし、ドクター・カーニバルの超必殺技で画面を一掃する爽快感はたまらない。寛大なブロック機能や、過去の自分と共闘するファントムのおかげで信じられないほど遊びやすい。狂気と優しさが同居する、唯一無二の体験だ!
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Tech-Gaming — 72
B級映画の悪夢を具現化した最高にクレイジーなテーマパークだ!『シャイニング』のような不気味なホテルを舞台に、シリアルキラーと死闘を繰り広げる。戦闘の挙動には粗削りな部分もあるが、死すらも住人たちの皮肉なメタ発言で物語に組み込むセンスは脱帽だ。無難なゲームに飽きたなら、この混沌たる魅力に飛び込め!
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低評価

GamingTrend — 40
魅力的な設定を劣悪なシステムが完全に殺している。致命的なのは戦闘だ。斧の強攻撃は遅すぎて当たらず、通常攻撃は硬直が長すぎて回避も防御もできない。さらに「ファントム」の存在が同じルートの反復作業を強制し、ローグライクの楽しさを完全に奪っている。プレイヤーの操作を拒絶する、ただただ苦痛な体験である。
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GamesRadar+ — 40
優れたローグライクが成功する要素の全てを逆行した悲惨な失敗作だ。斧の攻撃動作は「5営業日」もかかり、丸鋸はバターナイフほどの威力しかない。ボタン入力が反応しない劣悪な操作性に加え、陳腐なB級ホラーの敵と時代遅れで退屈なダイアログが追い討ちをかける。唯一光るファントムシステムすらも台無しである。
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TheSixthAxis — 60
スウェリーとSUDA51特有の奇抜なグラインドハウス的美学は素晴らしい。しかし、肝心のゲームプレイが全く楽しくないのだ。ジャスティンの操作は絶望的なまでに鈍重で、被弾を避ける術がない。歯や耳を集める複雑な通貨システムも不快な作業感を増長させている。いっそゲームではなくアニメにするべきだった。
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まとめると

  • SWERYと須田剛一のタッグによるB級ホラーの世界観とキャラクター造形は唯一無二の個性を放っている
  • 過去の自分と共闘する「スラッシャーファントム」や返り血でパワーアップする「スカルゲージ」など、アイデアは光っている
  • 操作感が全体的にもっさりしており、攻撃のフィードバックが薄く手触りが悪い
  • フレームレート低下や画面フリーズなどパフォーマンス問題が深刻で、理不尽な被弾の原因にもなっている
  • スラッシャーファントムを活用するには毎回同じルートを辿る必要があり、ローグライトの探索の楽しみが損なわれている
  • 通貨や素材の種類が多すぎて死亡時に失われるため、周回が苦痛な作業になりがち
  • 防御アクションの使い勝手が悪く、状態異常からのハメ殺しが多発する
  • マルチプレイやランダムバフなど、噛み合っていないシステムが散見される
  • 両クリエイター特有の「粗さ」をB級映画的な味と捉えられるかどうかで評価が大きく分かれる

製品情報

項目内容
タイトルホテル・バルセロナ
ジャンル2.5Dスラッシャーアクション / ホラーアクション
発売日2025年9月26日
開発須田剛一 × SWERY
プレイ人数1人(協力プレイ最大3人 / PvP乱入4人目)

メタスコアについて

Metacriticで集計されているゲーム評価のスコアです。大手メディアに投稿されたレビューのスコアを平均された数値になります。メタスコアは大きく変わる機会は少ないですが、集計サイトが増えるにつれて頻繁に変動します。

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神ゲー良ゲー凡ゲー低評価爆弾持ち