Hexecutableより2025年9月24日に発売された、PC(Steam)に対応のライフシミュレーションRPG『Consume Me』のメディアレビュー総まとめページです。
総合評価
SCORE
72
Metacriticで集計されているゲーム評価のスコアです。大手メディアに投稿されたレビューのスコアを平均された数値になります。メディアスコアは大きく変わることは少ないですが、集計サイトが増えるにつれて頻繁に変動します。
90 | 80 | 70 | 60 |
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神ゲー | 良ゲー | 凡ゲー | 問題あり |
『Consume Me』は、ゲームの仕組みを通じて主人公の内面的な葛藤をプレイヤーに体験させる独創的な手法が評価される一方で、ゲームプレイの単調な反復と、物語の核心的なテーマを掘り下げない結末が課題として指摘される作品です。
この評価は、ライフシミュレーションの仕組みと物語が巧みに融合している点に基づきます。プレイヤーは、食事をパズルに見立てたミニゲームなどを通じて、主人公ジェニーのステータスを管理します。このプロセスは、摂食障害や完璧主義からくる内面的なプレッシャーや自己破壊的な思考をプレイヤー自身に追体験させる効果があり、個人的な物語を深く描く手法として評価されています。
具体的な課題として、食事の準備や運動といった日常のタスクに付随するミニゲームが、長時間プレイする中で単調で退屈に感じられるという点が挙げられています。また物語の終盤では、摂食障害という中心的なテーマから焦点がずれ、回復の過程が十分に描かれないまま唐突に終了します。この未解決でカタルシスに欠ける結末や、予期せず導入される宗教的なテーマは、物語の完成度を損なう要因として指摘されています。
総じて本作は、ゲームプレイを通じて感情的な体験を生み出すという独創性を持つ一方で、その体験を支えるゲームプレイの反復性と、物語の結末におけるテーマの掘り下げ不足という相反する側面を持つ作品であるという事実が示されています。
評価ポイント
ライフシミュレーションの仕組みと物語を組み合わせることで、主人公ジェニーの不安定な精神状態や自己破壊的な行動をプレイヤーに体験させる手法が評価されています。プレイヤーは、ジェニーの心の状態に影響を受け、不健康だと分かりながらも目標達成のために行動せざるを得ない、慢性的なストレス下に置かれます。この仕組みは、高校生活のプレッシャーや摂食障害、完璧主義がもたらす内面の苦悩を効果的に描き、深い共感を生み出しています。
- 独創的で共感を呼ぶ物語
- 開発者自身の経験を基にした半自伝的な物語であり、個人的で正直な語り口が特徴です。高校時代のプレッシャー、摂食障害、家族の問題といった繊細なテーマを扱い、完璧を追い求める中で自己破壊的な行動に陥る若者の不安を描き、多くのプレイヤーの共感を呼んでいます。
- ゲームの仕組みが感情を呼び起こす設計
- 目標達成のために、体に悪いと分かっている行動(空腹を我慢する、エナジードリンクを飲むなど)を実行し、それに達成感を得るように仕向けられます。この仕組みを通じて、プレイヤーはジェニーの自己破壊的な精神状態を追体験することになります。
- 物語とゲームプレイの巧みな融合
- ゲームの目標達成の仕組みが、主人公の不健康な選択や自己破壊的な目標と直接結びついています。ゲームシステムそのものが、彼女が受けている「害」を静かに示しており、物語をより深く体験させることに成功しています。
- テンポが良く楽しいミニゲーム
- 日常の行動は、楽しくて手早く遊べるミニゲームで表現されています。食事のパズルや読書の集中力維持など、これらのミニゲームを毎日繰り返すことで、主人公が人生で奮闘する様子に自然と共感できるようになっています。
- 暗いテーマと対比されるユーモアと温かさ
- 摂食障害といった重いテーマを扱いながらも、物語には一貫してユーモアのセンスがあります。漫画的なキャラクターや面白いアニメーションがダークコメディとして機能し、物語の痛切さを増す一方で、希望や前進する道筋も示しています。
- 親しみやすいアートとサウンド
- 風変わりで可愛いアートスタイル、漫画的なキャラクター、人形のような動きが特徴です。この明るい表現と軽やかな音楽が、重いテーマをプレイヤーにとって受け入れやすいものにしています。
- 心に残り続ける体験
- ゲームにおける個人的な物語の表現として独創的だと評価されています。正直な物語と感情を揺さぶる仕組みによってプレイヤーに強い印象を残し、クリア後も自分自身の生活について考えさせるような体験を提供します。
不評ポイント
ミニゲームの反復性が高く、ゲームプレイが退屈に感じられる点が主な批判点です。食事の準備や運動といった日常の作業にはミニゲームが伴いますが、ほとんど多様性がないため、プレイヤーは一日中同じミニゲームを何度も繰り返すことになります。この単調さは、主人公のストレスを表現していると理解はできるものの、ゲームとしての楽しさを大きく損なう要因となっています。
- 終盤の展開が散漫で性急
- 物語の終盤は、主人公が大学へ進学するにつれて要求が高くなり、目標が突然変更されるため、話が散らばってしまいます。また、最終章は急ぎ足でまとまりがなく、物語が盛り上がりに欠ける形で終わるため、感動の余韻が弱まっています。
- 物語の結末がテーマ性を損なう
- 物語は問題が未解決のまま終わり、摂食障害という深刻な苦しみが、時間が経てば解決する一時的な期間として扱われている点が不快感を与えます。極端なダイエットが、簡単にやめられる習慣であるかのような印象も与えかねません。
- 最終章の設計が物語のメッセージと矛盾する
- 終盤は目標達成が難しくなり、失敗するとその日や章全体をやり直す必要があります。しかし、物語を進めるには成功が必須なため、失敗に永続的な影響がなく、主人公が経験した苦しみの重みが伝わりにくくなっています。
- カットシーンをスキップできない
- 一部のカットシーンやイベントでは、スキップしたり早送りしたりする機能がありません。そのため、特に2回目以降のプレイではテンポが悪く感じられます。
- 宗教的テーマの扱いが唐突で配慮に欠ける
- 物語の終盤、それまでほとんど触れられなかった宗教的なテーマが突然出てきます。この展開は唐突で、繊細なテーマを十分に配慮して扱っているとは言えません。また、事前にそうした内容が含まれるという注意喚起も不足しています。
- 中心テーマの掘り下げが不十分
- 不健康なダイエットがゲームプレイの中心ですが、物語では摂食障害そのものの原因や結果について深く掘り下げられていません。「主人公がある日突然、食べることをやめた」と語られるだけで、その過程が描かれないため、体験の目的が曖昧なまま終わります。
- 難易度が低く感じられることがある
- 一部のプレイヤーにとっては難易度が低すぎると感じられ、効率よく進めると最初の挑戦で各章をクリアできてしまいます。そのため、主人公が直面しているはずの苦闘やストレスの重みが薄れてしまう可能性があります。
メディアレビュー
- Endless Mode[84]
- Checkpoint Gaming[80]
- Digital Spy[80]
- Noisy Pixel[80]
- Siliconera[70]
- Inverse[70]
- Final Weapon[30]
製品情報
項目 | 概要 |
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タイトル (日本語) | Consume Me |
タイトル (英語) | Consume Me |
ジャンル | ライフシム,RPG,ストラテジー |
開発元 (Developer) | Jenny Jiao Hsia, AP Thomson, Jie En Lee, Violet W-P, Ken “coda” Snyder |
販売元 (Publisher) | Hexecutable |
発売日 | 2025年9月24日 |
プラットフォーム | PC (Steam, Windows, macOS) |
プレイ人数 | シングルプレイヤー |
対応言語 (テキスト) | 英語、フランス語、ドイツ語、スペイン語(スペイン)、ポルトガル語(ブラジル)、簡体字中国語、繁体字中国語 |
対応言語 (音声) | 英語 |