2025年9月19日に発売の『毀滅協約(Moros Protocol)』のメディアレビューが公開されMetacriticのメタスコアが集計されました。このページではMetacriticへ寄稿された『毀滅協約(Moros Protocol)』に対する海外ゲームメディアのレビューを翻訳してまとめています。
メタスコアは60代後半と厳しめの結果になりました。刀と銃を切り替えるハイスピードな戦闘やレトロSFホラーの雰囲気には確かな魅力があるものの、コンテンツの薄さや永続アップグレードの渋さが足を引っ張り、長く遊ぶほど粗が目立つ作品です。購入の参考になれば幸いです。
刀と銃のスピード感は本物、でもそれだけじゃ持たなかった
この『毀滅協約(Moros Protocol)』は、放棄された宇宙戦艦を舞台にカタナと銃火器を切り替えながらモンスターの群れを掻き分けていくローグライトFPSです。瞬間的な戦闘の気持ちよさは文句なしで、カタナで敵を斬ると弾薬がドロップするという仕組みが攻守の切り替えに独特のリズムを生んでいます。レトロなピクセルアートで描かれたダークSFの世界観も雰囲気抜群ですね。
ただ、その長所を帳消しにしてしまうほどコンテンツの引き出しが少ないのが致命的です。マップの部屋パターンや敵の種類がすぐに底を見せてしまい、数時間で「もう見た」の連続になります。永続アップグレードの効果も渋すぎて周回のモチベーションを維持するのがかなりつらいかもしれません。瞬間的には楽しいのに、長く遊ぶほど粗が目立ってくる――そんな惜しい一本です。
すぐに底が見える部屋と敵のバリエーション
もっとも多くのレビュアーが問題視しているのが、環境と敵の使い回しです。マップはランダム生成されるものの、ベースとなる部屋のパターンが極端に少なく、数回プレイしただけで「またこの部屋か」という既視感に襲われます。金属の廊下と暗い照明ばかりが延々と続くので、最初は不気味だった雰囲気もすぐに慣れてしまうんですよね。
敵キャラクターも同様で、爆発する幼虫や巨大なハエなど基本的な種類は数えるほど。ゲームが進んでも「色違いでステータスが高いだけの敵」が出てくるだけなので、新しい脅威にドキッとする場面がほとんどありません。ローグライクとしてはかなり致命的な弱点です。
1回のランが長すぎて「もう1回」が言えない
ローグライクの醍醐味って「死んでもすぐにもう1回!」というテンポの良さだと思うんですが、本作はそこが噛み合っていません。マップの隅々まで探索して強化リソースを回収しようとすると、1回のランが最大90分近くまで伸びてしまいます。死んだら最初からやり直しというゲーム性に対して、この1プレイの重さはちょっとバランスが悪いですね。気軽にリトライを繰り返せないので、ローグライク特有の中毒性が薄れてしまっています。
永続アップグレードが渋すぎて成長を感じない
ラン終了後に得られる「バイオカレンシー」を使ってスキルツリーを解放していく永続アップグレードがあるんですが、1段階ごとの強化幅が1〜2%程度と本当に微々たるもの。何回も周回して貯めたポイントを投入しても「あれ、何か変わった?」という感想になりがちです。
成長を実感できるまでに膨大な時間がかかるため、前述のコンテンツの薄さと合わさって、中盤以降はただの作業ゲーに感じてしまうかもしれません。
武器バランスとQoLの詰めの甘さ
ハイスピードな戦闘が売りのはずなのに、一部の武器が足を引っ張っているのも気になるところ。発射レートが極端に低かったり、リロードが頻繁に必要だったりする武器は、せっかくのテンポを台無しにしてしまいます。
さらに、画面中央のクロスヘア(照準)が存在しなかったり、弾倉が空になっても自動リロードされなかったりと、現代のFPSとしては基本的な快適性が欠けています。乱戦中に空の銃を延々カチカチやってしまうストレスは、けっこう大きいです。
携帯機だと画面が見えない問題
ホラー演出としての暗いライティングは雰囲気に貢献しているんですが、Steam DeckやROG Allyなどの携帯PCでプレイすると話が変わります。明るい部屋で遊ぶと画面全体が暗く潰れてしまい、迷路のような船内を歩くこと自体が困難になるとのこと。携帯機でのローグライクFPSなら相性がいいはずなのに、画面が見えないというのは致命的ですね。
でも、ちゃんと気持ちいい瞬間はある
カタナと銃の切り替えが生むリズム
批判が多い本作ですが、瞬間的な戦闘の爽快感は多くのレビュアーが認めています。カタナで敵を斬りつけると弾薬がドロップし、銃で距離を取りながら射撃すると敵がひるんで近接のチャンスが生まれる――この「接近→斬撃→離脱→射撃」のサイクルが気持ちいいんですね。
「まるでギターの弦を弾くような」リズミカルな手触りと評されていて、スライドしながらショットガンを撃ち込んだり、グラップリングフックで敵の群れに突っ込んでカタナを振り回す瞬間は、確かにテンションが上がります。ダッシュ、スライド、フックの移動アクションが組み合わさることで、平面的になりがちなFPSの戦闘にかなりの高低差と速度感が加わっています。
レトロSFホラーの「匂い」がする世界観
ピクセルアートで描かれた宇宙戦艦の内部は、PS1時代のホラーゲームを思わせるざらついた質感が魅力です。サビだらけの通路やちらつく蛍光灯、不気味な肉壁。シンセウェーブ風のBGMと相まって、低予算ながらも独特の「匂い」がある世界観を作り上げています。
同じような見た目のインディーゲームは多いのですが、カタナと銃の切り替え戦闘との組み合わせが新鮮で、「この雰囲気の中でハイスピードに暴れ回る」という体験自体はかなりユニークですね。
メディアレビュー紹介
高評価メディア
Shacknews — 80
カタナと銃火器の切り替えが生む独特のリズムが爽快で、グラップリングフックを駆使したダイナミックな戦闘が光る。レトロなピクセルアートの美学も魅力的で、短時間で手軽に楽しめるローグライトとして十分に価値がある。
→ レビューを読むGameSpace — 76
「カタナで斬ると弾薬が出る」という仕組みが戦闘を唯一無二のものにしている。レトロSFホラーの世界観は雰囲気抜群で、短い1プレイで楽しむ分にはかなり手応えのある作品だ。ただ長く遊ぶにはコンテンツが薄い。
→ レビューを読む
低評価メディア
Press Start Australia — 55
戦闘は瞬間的に楽しいが、数時間で同じ部屋と同じ敵の繰り返しに疲れてしまう。永続アップグレードの効果が薄すぎて周回のモチベーションが維持できず、ローグライクとしての根幹が弱い。
→ レビューを読むHobby Consolas — 60
刀と銃のコンビネーションには光るものがあるが、マップの使い回しと敵の種類の少なさが致命的。1回のプレイが長すぎて気軽にリトライする気になれず、ローグライクの本質的な面白さを損なっている。
→ レビューを読む
まとめると
- カタナと銃を切り替える戦闘は爽快で、「斬って弾薬を得る→撃つ」のサイクルが独特のリズムを生んでいる
- レトロSFホラーのピクセルアートは雰囲気抜群だが、部屋と敵のバリエーションが極端に少ない
- 1回のランが最大90分と長すぎて、ローグライク特有の「もう1回」感が薄い
- 永続アップグレードの強化幅が微々たるもので、成長の実感が得づらい
- 一部の武器バランスやQoL(自動リロードなし等)に改善の余地あり
- 携帯機では暗すぎてプレイに支障が出る
製品情報
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| タイトル | 毀滅協約(Moros Protocol) |
| ジャンル | ローグライトFPS |
| 開発 | Ravenage Games |
| 発売日 | 2025年9月19日 |
| 対応機種 | PS5 / Xbox Series X |








