【メタスコア】『バルダーズ・ゲート3(Baldur’s Gate 3)』評価レビュー

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2023年8月4日に発売の『バルダーズ・ゲート3』のメディアレビューが公開されMetacriticのメタスコアが集計されました。このページではMetacriticへ寄稿された『バルダーズ・ゲート3』に対する海外ゲームメディアのレビューを翻訳してまとめています。

各メディアから軒並み絶賛レビューが集まっており、「10年に1度のRPG」とまで評されるほどの圧倒的な高評価です。テーブルトップRPG『ダンジョンズ&ドラゴンズ』の自由度を極限まで再現したゲームデザインと、仲間たちとの重厚な物語が特に称えられています。もちろん気になる点もあるので、良いところも注意点もまとめて紹介します。購入の参考になれば幸いです。

20面体ダイスが導く、一生に一度のRPG体験

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Baldur's Gate 3metacritic.com

この『バルダーズ・ゲート3』は、テーブルトップRPG『ダンジョンズ&ドラゴンズ 第5版』のルールを驚くほど忠実にデジタル化したCRPGです。開発はベルギーのLarian Studiosで、前作『Divinity: Original Sin 2』で培った環境を活かした戦闘システムとD&Dの世界観が見事に融合しています。

プレイヤーはマインド・フレイヤーという恐ろしい怪物に脳へ幼生を植え付けられた主人公として、同じ運命を共有する仲間たちと旅に出ます。探索、会話、戦闘のあらゆる場面で「こんなこともできるの?」という驚きが待っていて、RPGの歴史に残る作品と言っても大げさではないかもしれません。終盤にかけてパフォーマンスの問題やバグが出てくるのが残念ですが、それを差し引いてもなお余りある体験が詰まっています。

「何でもできる」が本当に何でもできるクエスト設計

このゲームの最大の魅力は、一つの課題に対して想像もしなかった解決策が無数に用意されているところです。ゴブリンの野営地に乗り込むにしても、正面から切り込むだけじゃなくて、会話で騙して高所から突き落としたり、爆発物の入った樽をこっそり配置して一網打尽にしたり。レビュアーの一人はこれを「プレイヤーの狂気的な計画に対して常に『Yes, and(はい、そして…)』と答えてくれるGMのよう」と表現していますね。

探索中も、罠の発見やステルスのチェックが裏側で自動的にダイスロールされていて、まるで目に見えないダンジョンマスターがずっと見守ってくれているような感覚があります。「まるでトールキンのホビットのように1000年かけて探求できる」なんて比喩が出てくるくらい、とにかく世界の密度が尋常じゃありません。インベントリの木箱を積み上げて階段を作るなんていう力技すら許容してくれるのだから、本当に自由度の塊です。

一緒に旅する仲間が、ちゃんと「人間」をしている

ShadowheartやAstarionといった仲間キャラクターがとにかく魅力的です。彼らは最初から主人公に好意的なわけではなく、それぞれ複雑な過去と秘密を抱えていて、脳に植え付けられたマインド・フレイヤーの幼生という共通の恐怖があるからこそ渋々一緒にいるという関係性がリアルですね。

キャンプでの会話や専用クエストを通じて関係性が変化していくんですが、ロマンスの描写も「セックスをゴールとするような単純な関係」ではなく、星空の下でのデートや軽い口づけから始まるような、成熟した感情の結びつきが丁寧に描かれています。プレイヤーの決断によって仲間の信仰や信念が大きく揺れ動くところも、単なるパーティーメンバーではなく「一人の人間」として存在しているのを感じさせます。

地形を使い倒すターン制戦闘がとにかく楽しい

戦闘はD&D第5版のターン制をベースにしつつ、『Divinity: Original Sin 2』譲りの環境を利用した戦術が光ります。足元の油に火を放ったり、敵を崖から突き落としたり、天井の梁から爆発する樽を落として巻き込んだり。アクションとボーナスアクションを管理しながら、地形や属性効果を絡めた創意工夫がそのまま戦果に直結するのが気持ちいいですね。

特に「突き飛ばし(Shove)」の有用性は笑ってしまうほどで、「不可能なほど高い崖からボスを突き落として笑う」なんていうカオスなプレイングが普通にできてしまいます。D&Dは「ゲーム・オブ・スローンズというよりモンティ・パイソンに近い」というレビュアーの言葉が妙に腑に落ちるかもしれません。

キャラクター作りだけで何時間でも溶ける

キャラクタークリエイトの規模がすさまじくて、12のクラス、46のサブクラス、11の種族、28の亜種族が用意されています。さらに145の肌の色、32の目の色、87の髪型、125の髪色と、見た目のオプションだけでも膨大。「アリゾナの夏がちょっと暑いと言うのと同じくらい充実している」というレビュアーの皮肉が的を射ています。

種族やクラスの選択が見た目だけでなく、専用の会話選択肢やNPCとのやり取りに直接影響するのもポイントです。さらに「ダークアージ」というカスタム主人公を選ぶと、記憶喪失で殺戮衝動を抱えた状態で物語が始まり、その衝動に抗うか従うかで通常のプレイとはまったく異なる凄惨なストーリーを体験できます。

友達と遊ぶとカオスが加速する

最大4人のマルチプレイも本作の大きな魅力です。各プレイヤーが独立して行動できるので、一人が真面目にNPCと交渉している裏で、もう一人が動物に変身して村人を驚かせたり、ネズミを追いかけて無関係な扉を吹き飛ばしたりと、TRPGのセッションそのもののような予測不能な展開が生まれます。Twitch拡張機能もあって、配信者と視聴者がダイスロールや会話の選択肢に一緒に参加できるのもユニークですね。

ただ、気になる点もあります

終盤のパフォーマンスが明らかに落ちる

序盤から中盤にかけての完成度が高いだけに残念なのが、第3幕(Act 3)に入ってからのパフォーマンス低下です。巨大な都市「バルダーズ・ゲート」に到達するとフレームレートが著しく落ち、テクスチャが読み込まれない、カットシーンでキャラクターの姿が消えて武器だけが空中に浮くといった不具合が頻発します。

早期アクセスで3年間磨き上げられた第1幕が完璧に近い仕上がりなのに対して、終盤は明らかに粗削り。進行不能バグに遭遇したり、「セーブデータが忽然と消滅した」という致命的な報告もあります。クエストの進行フラグが乱れる場面も増えるので、こまめなセーブは必須かもしれません。

インベントリ管理がちょっとしんどい

膨大なアイテムが手に入る一方で、インベントリの整理や仲間同士でのアイテム受け渡しが洗練されていません。全キャラクターが個別のインベントリと所持重量制限を持っているため、整理がかなりの手間になります。UIに関しても「20年前の作品からそのまま持ってきたように洗練されていない」と指摘する声がありますね。

特にコントローラーで遊ぶ場合は、アイテムのラベル表示のために右スティックを絶えず押し込まないといけなくて、操作感にストレスを感じるかもしれません。PC版のホットバーがゲームパッドだとラジアルメニューに切り替わるのも、慣れるまでは大変です。

D&D初心者には正直ハードルが高い

D&Dのルールを忠実に再現しているぶん、専門用語やシステムの複雑さが際立っています。呪文スロットやボーナスアクション、機会攻撃といった重要なシステムに関する丁寧なチュートリアルが少なく、TRPGやLarian Studiosの過去作に馴染みがないと最初は戸惑うと思います。手探りで覚えていくか、全滅を繰り返しながら学ぶことになるので、そこは覚悟が必要ですね。

サイコロに運命を委ねるか、それとも

ダイスロールの是非は好みが分かれるところ

本作では会話の説得から戦闘の命中判定まで、行動の成否が20面体ダイスの出目で決まります。これに対する評価は真っ二つに分かれていますね。

肯定派は、ダイスロールの失敗は単なる「ゲームオーバー」ではなく、別の解決策や予期せぬ物語の分岐を生むスパイスだと捉えています。能力値によるボーナスや「有利(Advantage)」のシステムでリスクをコントロールするプロセスこそD&Dの醍醐味であり、不運な出目で最悪の事態に対処する泥臭さが最高のロールプレイ体験を生むという意見です。

一方で否定派は、「2023年のゲームにおいて、数千年前のテクノロジーであるサイコロに進行を依存するのは時代遅れ」とストレスを感じています。命中率90%超えでも外すいわゆる「X-COMの呪い」に苛立ち、大事な場面でのセーブ&ロードの繰り返しに陥りやすいのは確かにマイナスポイントかもしれません。

物語の終着点に満足できるかどうか

もう一つ分かれているのが、序盤の圧倒的な選択肢の広さに対して、終盤の結末がやや収束してしまうという点です。否定派は、最終的な展開が「英雄になるか、暴君になるか」の二択に集約されてしまい、細かい選択がエンディングに大きく影響しないと不満を感じています。

ただし多数派の肯定意見としては、17,000通りと言われる微細なバリエーションによって「自分だけの物語」が紡がれる点が高く評価されています。メインストーリーを進めると意図せずサブクエストが消滅することすら「世界が生きている証拠」と捉える声もあり、善人プレイ、悪人プレイ、ダークアージでのプレイなど、繰り返し遊べる懐の深さは間違いないですね。

メディアレビュー紹介

高評価メディア

Attack of the Fanboy — 100
D&Dの魅力を完璧にビデオゲーム化し、TRPGの夜を置き換えるほどの傑作だ。性器まで選べる圧倒的なキャラ作成から始まり、ウィルとカーラックの対立をどう導き彼を悪魔に変えるかなど、選択が物語を劇的に変化させる。第3章の動作不良など些細な欠点すら霞む、一生に一度のRPG体験である。
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GamesRadar+ — 100
TRPGの歴史上最も本格的なD&Dのビデオゲーム化であり、見えないダンジョンマスターの息遣いすら感じる。シャドウハートやカーラックら仲間の物語が深く交錯し、あまりの広大さに一つの選択で物語の道が完全に閉ざされるほどの圧倒的な密度を誇る。RPGの新たな黄金基準となる歴史的偉業だ。
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GamingTrend — 100
ダイスロールの緊張感とTRPGの自由度を完璧に再現した奇跡の作品だ。46のサブクラスや「ダークアージ」を抱える主人公の選択肢、ドルイドの森を救うか滅ぼすかなど、プレイヤーの想像力を超える解決策が用意されている。技術的なバグはあるが、Skyrimすら凌ぐ10年に1度の圧倒的体験である。
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低評価メディア

Siliconera — 70
序盤の自由度は素晴らしいが、第3章ではゴータシュとの同盟が無意味に終わるなど「選択の錯覚」に陥り深く失望させられる。さらに、テクスチャの消失やセーブデータの蒸発など、進行不能レベルの致命的なバグが多発。魅力的な仲間との交流は光るものの、最終幕の粗末さと劣悪なパフォーマンスは看過できない。
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GRYOnline.pl — 100 満点に値する壮大な物語だが、欠点は見過ごせない。膨大すぎるシステムは説明不足で初心者を突き放し、第3章には削除されたコンテンツの痕跡が露骨に残るなど尻すぼみ感が否めない。終盤の最適化不足や目立つバグ、不便な操作性など、粗削りな技術面が傑作の雰囲気を削いでいる点は厳しく批判されるべきだ。 → レビューを読む

Destructoid — 100
比類なきRPG体験を提供する一方で、技術的なほころびは深刻だ。広大な都市を舞台とする第3章では、著しいパフォーマンスの低下やカメラのズレ、プレイヤーの選択を誤認する致命的な会話バグが頻発する。理不尽なダイス運によりセーブ&ロードの繰り返しを強いられる場面もあり、手放しで絶賛できる状態ではない。
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まとめると

  • TRPGの自由度を極限まで再現したクエスト設計は、RPGの歴史に残るレベル
  • 仲間キャラクターの人間味あふれる描写とロマンスの丁寧さが秀逸
  • 地形や環境を使い倒すターン制戦闘が戦略性とユーモアを両立している
  • キャラクタークリエイトの選択肢が膨大で、「ダークアージ」による別次元の体験も魅力
  • 最大4人のマルチプレイがTRPGセッションの再現として非常に楽しい
  • 第3幕以降のパフォーマンス低下とバグの頻発は明確な弱点
  • インベントリ管理とUIの使い勝手に改善の余地あり
  • D&D初心者へのチュートリアル不足で序盤のハードルが高め
  • ダイスロールへの依存度の好みは人それぞれ

製品情報

項目内容
タイトルバルダーズ・ゲート3(Baldur’s Gate 3)
ジャンルCRPG(コンピューターRPG)
発売日2023年8月4日
開発元Larian Studios
ベースルールダンジョンズ&ドラゴンズ 第5版(D&D 5e)
プレイ人数1人(オンライン協力プレイ:最大4人)

メタスコアについて

Metacriticで集計されているゲーム評価のスコアです。大手メディアに投稿されたレビューのスコアを平均された数値になります。メタスコアは大きく変わる機会は少ないですが、集計サイトが増えるにつれて頻繁に変動します。

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神ゲー良ゲー凡ゲー低評価爆弾持ち