Larian Studiosより2023年8月4日に発売!PlayStation®5、Xbox Series X|S、PCに対応のRPG『Baldur’s Gate 3(バルダーズ・ゲート3)』のメディアレビュー総まとめページです。
多言語を日本語へ翻訳してからの編集になっているためゲーム用語など一部異なる場合があります。
総合評価
SCORE
96
Metacriticで集計されているゲーム評価のスコアです。大手メディアに投稿されたレビューのスコアを平均された数値になります。メディアスコアは大きく変わることは少ないですが、集計サイトが増えるにつれて頻繁に変動します。
| 90 | 80 | 70 | 60 | 50 |
|---|---|---|---|---|
| 神ゲー | 良ゲー | 凡ゲー | 低評価 | 爆弾持ち |
本作は圧倒的な自由度と選択の幅広さが最大の魅力となっている。大砲でキャラクターを吹き飛ばしたり、靴を投げてトラップを解除したり、変装して死者と会話したりと、プレイヤーの創意工夫がほぼすべて受け入れられるシステムが高く評価されている。失敗してもコンテンツが遮断されるのではなく、別のアプローチを試すよう促される設計が、探索意欲を刺激し続ける構造になっている。
キャラクターと物語の作り込みも特筆すべき点だ。一見単純に見えるキャラクターでさえ、深い背景と複雑な心情を抱えており、アスタリオンとの恋愛ではトラウマに配慮した対話が求められるなど、現実の人間関係に近いリアリティが表現されている。シャドウハート、ミンスク、カーラックといったコンパニオンとの関係性は、プレイヤーの選択次第で大きく変化し、何度もプレイしたくなる要素となっている。戦闘システムはバフやデバフの駆け引きとパーティ連携が重要で、高所からの射撃と突撃の組み合わせや、敵を羊に変えて時間を稼ぐといった柔軟な戦略が可能だ。
一方で技術面には課題が残る。PS5版では60FPSの維持が難しく、特にアクト3の都市部ではフレームレートの急落が報告されている。ロード時間が40秒程度かかることや、テクスチャの未読込み、キャラクターが消えるバグなども散見される。操作性についても、コントローラーでの細かな選択操作やインベントリ管理が煩雑で、戦闘中のキャラクター移動にぎこちなさが指摘されている。
加えてゲーム序盤のチュートリアル不足により、ジャンル初心者やD&D未経験者が戸惑うケースが見られた。アクト3ではコンテンツの質や反応性がアクト1と比べて低下し、コンパニオンとの会話が減少するなど、後半の駆け足感も指摘されている。キャラクターの移動速度の遅さや、戦闘進行を早めるオプションがない点も、一部のプレイヤーにとってストレスとなっている。
評価ポイント
プレイヤーの選択や行動が、クエストの結果やNPCの反応に直接影響を与える点が評価されています。キャラクター作成時の種族やクラスといった設定も、会話の選択肢や物語の展開に作用します。戦闘や探索において、プレイヤーが試したい型破りな行動にも対応しており、自由な発想で攻略を進められます。ダイス判定に失敗しても物語がそこで終わることはなく、別の解決策を見つけることが可能です。
- 仲間キャラクターと展開される物語
- 仲間キャラクターは個性的で、旅を通して彼らの物語が変化していきます。特定の仲間は、例えばシャーとセルーネの対立やギスヤンキ文化といった世界観の重要な要素と個人的なつながりがあり、プレイヤーの決定にも影響を与えます。恋愛要素の描写は、困難や疑念が描かれるなど、現実の関係に近い形で扱われます。
- 高品質な演出
- 会話やカットシーンは、優れたライティング、モーションキャプチャ、声優の演技によって品質が高められています。会話やムービーの量は非常に多く、一度のプレイで全てを見ることは困難です。キャラクターモデルや背景も詳細に描かれています。サウンドトラックは場面に合わせて効果的に使用され、静かな場面では穏やかなメロディが、戦闘ではオーケストラ演奏が雰囲気を盛り上げます。
- 密度の高い探索と発見の多さ
- 世界の描写は細かく、プレイヤーは環境やNPCと自由に関わることができます。集落では、住民との会話や関係性を知るために多くの時間を費やせます。「動物との会話」や「死者との会話」といった特定の能力を使えば、動物や死者とも対話が可能です。盗みで捕まり投獄されるといった状況からでも、新たな対話やクエストが見つかります。
- 物語とクエストの構成
- 物語は三幕構成で、各アクトで異なる雰囲気を持ちます。敵対者もプレイヤーのパーティーと同様に、個性的で複雑な背景を持って描かれています。サイドクエストは質が高く、常に主要な物語の出来事と関連しています。プレイヤーの決定によって、物語の展開が大きく分岐します。
- 戦術の自由度
- 戦闘は柔軟で、バフやデバフの連携が重要です。敵を崖から突き落としたり、可燃性のオイル樽を爆発させたりするなど、環境を利用した戦術が可能です。巻物や特殊な矢を含め、インベントリ内のアイテムは戦術的な道具として利用できます。キャラクター間の連携が重要で、特定の敵を羊に変えるといった戦術も有効です。
- 学びやすさと上達の幅
- 基本的なルールはシンプルで理解しやすいですが、多くの戦略的な要素が存在します。ゲーム序盤は、戦闘システムに慣れるための時間的な猶予があります。レベルアップすると新しいスキルや特技が解放され、能力がはっきりと向上したと実感できます。高度なビルドの構築やパーティー構成によって、戦略の幅は非常に広く設定されています。
- D&D第5版ルールの再現
- D&D第5版のテーブルトークRPGのルールセットが再現されており、複雑な数値は分かりやすく表示されるよう調整されています。会話中に行う手動のダイスロールによるスキルチェックは、テーブルトークRPGが持つ「選択と運」の感覚をうまく取り入れており、成功や失敗の結果を重く感じさせます。
- ビルドの多様性と装備収集
- キャラクター作成では12の基本クラスと46のサブクラスが用意されており、これらを組み合わせるマルチクラスも可能なため、多様なビルドが楽しめます。探索ではレアな装備品が見つかることがあり、それがビルドを変更するきっかけになるなど、探索する価値が常にあります。種族の選択が特定の能力値ボーナスに固定されないため、ビルドに合わせて自由にポイントを割り振れます。
- 充実した協力プレイ機能
- ゲーム全体を最大4人の協力プレイで遊ぶことができます。オンライン協力プレイとローカルでの分割画面マルチプレイヤーの両方に対応しています。プレイヤー同士でリアルタイムに戦術を議論し、戦略を共有しながら進められます。途中参加や離脱がしやすいドロップイン/ドロップアウト機能も便利です。
- 技術的な安定性と操作性の調整
- PS5版は、PC版の1440p設定に近いグラフィックスで動作します。PS5では60FPSで動作するパフォーマンスモードと、ネイティブ1440pで30FPS動作のクオリティモードが提供されます。PCゲームが元でありながら、コントローラー操作に合わせた調整がされており、ラジアルメニューの採用やボタンの多機能化などで快適に遊べます。この規模のゲームとして、発売時点での技術的な安定性も評価されています。
不評ポイント
ゲーム終盤の第3章(Act 3)では、特に都市部でフレームレートが大きく低下する問題が指摘されています。第1章と比べると、物語の反応やコンテンツの量が減ったと感じられる傾向があり、仲間とのイベントや一部のクエストが未完結のように終わることもあります。また、ゲーム後半になるにつれてバグの発生が増える点も挙げられています。
- 覚えることが多く、初心者向けの案内が不足している
- システムやルールが非常に細かいため、特にD&DやLarian Studiosの過去作品に慣れていないプレイヤーは、序盤の情報量が多すぎると感じることがあります。ゲームの基本を自力で学ぶ必要があり、初心者向けの案内が足りないため、ゲームの立ち上がりが難しいという意見があります。
- 操作やUIの使いにくさ
- コンソール版のコントローラー操作では、物やキャラクターが密集した場所で特定の対象を選ぶのが難しい場合があります。また、各キャラクターの所持品が独立しており、重量制限もあるため、アイテムの管理や店での売買が面倒な作業になっています。キャラクターの歩く速度が遅めで、マップ内の移動が煩わしく感じられることもあります。
- 戦闘のテンポが遅い
- ターン制の戦闘において、戦闘速度を調整する機能がありません。そのため、多くの敵と同時に戦う場合、敵のターンを待つ時間が長くなり、戦闘の進行が遅く感じられることがあります。
- 戦闘時の動作のぎこちなさ
- 戦闘中、近接攻撃のためにわずかに移動しただけで、狙っていた対象が攻撃範囲の外に出てしまうことがあります。また、呪文を撃つ際などに、敵のつま先のような非常に小さな位置にしか照準が合わず、狙いを定めるのに手間取ることがあるなど、操作にぎこちなさが生じています。
- 命中率の表示と実際の体感のズレ
- 命中率が90%以上と高く表示されていても、攻撃が外れることが比較的よく起こるため、不満を感じるプレイヤーがいます。これは、他のターン制ストラテジーゲームでも見られる現象です。
- 散発的な技術的問題
- アニメーションの切り替わりが不自然だったり、地形の当たり判定がおかしくなったりすることがあります。また、会話や戦闘が正常に終了せず進行不能になる(ソフトロック)状態に陥ることもあります。会話シーンで音声が再生されない現象も散発的に起こります。さらに、死亡時やファストトラベル時のロード時間が最大40秒ほどかかることがあり、頻繁にリロードする際の妨げになっています。
- セーブデータ消失などの重大な不具合
- Xbox版では、本体のクイックレジューム機能を使用した際などに、セーブファイルが消えてしまう重大な問題が報告されています。これにより数十時間分の進行データが失われた例もあります。PC版でも、クラウドセーブシステムの不具合でセーブデータが削除されることがあると報告されています。
- 次の目的地やイベント条件が分かりにくい
- 重要なクエストの目標地点がゲーム内の説明と合っておらず、意図しない場所を探し回って時間を無駄にしてしまうことがあります。また、ガーディアンNPCとの夢の場面など、物語上の重要なキャンプイベントが、ロングレスト(大休憩)時という特定のタイミングでしか発生しないため、プレイヤーにとって発生条件が分かりにくくなっています。
- 選択と結果の結びつきが薄い
- 仲間の個人的な物語の結末はプレイヤーの決定によって方向付けられるため、仲間自身の意思が感じられないという意見があります。また、会話の成功や失敗がダイスロールの運に左右されるため、プレイヤーの積極的な選択が結果に反映されにくい側面もあります。
- 1080p解像度での見た目とキャラクター作成の制約
- 1080pの解像度でプレイした場合に、画質の粗さが目立ち、見た目が悪いと感じるユーザーがいます。キャラクター作成では、人間タイプの種族において顔のカスタマイズの自由度が限られており、例えば男性のハーフエルフでアジア系の顔立ちを選ぶことができないといった制約があります。
メディアレビュー
- Attack of the Fanboy[100]
- GamingTrend[100]
- GGRecon[100]
- Gfinity[100]
- Games.cz[100]
- Siliconera[70]
- Push Square[100]
- Press Start Australia[100]
- GamingBolt[100]
- PlayStation Universe[100]
- Attack of the Fanboy[100]
- KeenGamer[100]
- Pure Xbox[100]
- Xbox Tavern[100]
- TheXboxHub[100]
- BaziCenter[100]
製品情報
| 項目 | 概要 |
|---|---|
| タイトル (日本語) | Baldur’s Gate 3(バルダーズ・ゲート3) |
| タイトル (英語) | Baldur’s Gate 3 |
| ジャンル | RPG, タクティカル, アドベンチャー |
| 開発元 (Developer) | Larian Studios |
| 販売元 (Publisher) | Larian Studios |
| 発売日 | 2023年8月4日 |
| プラットフォーム | PlayStation 5, Xbox Series X/S, PC |
| プレイ人数 | 1~4人 |
| 日本語(インターフェース) | 対応 |
| 日本語(字幕) | 対応 |
