『Fallout』のVault Boyは能力アイコンの課題から生まれ、SPECIAL誕生にもつながった
2026年09月24日 | #ゲーム紹介 | GamesRadar+
シリーズを象徴するVault Boyは、キャラクターを作ることが目的だったのではなく、能力を示すアイコンを見分けやすくする工夫から生まれました。1997年の初代『Fallout』でリードデザイナーを務めたTim Cain氏によると、このキャラクターをめぐる対立がGURPSの採用断念につながり、独自のSPECIALシステムが生まれる一因になったとのことです。
能力を示す大量のアイコンが課題に
本作は当初、Steve Jackson GamesのテーブルトークRPGシステム「GURPS」を採用する予定でした。スキルや長所、短所、癖など多くの特性を画面上で伝えるため、それぞれにアイコンを用意し、説明文を置けない場面でも能力を判別できるようにする計画だったとCain氏は説明しています。
アイコン制作を担当したのはアーティストのArlene Summers氏で、種類は合計100を超え、200近くに達した可能性もあるといいます。当時、Cain氏は色の識別が難しくなり始めていたため、アイコンの違いを色に頼らず表現するよう求めましたが、数が増えるにつれて見分けやすさを保つことが困難になりました。
人物のイラストを使う案からVault Boyが誕生
解決策を提案したのはアートディレクターのLeonard Boyarsky氏です。能力名や説明文の横にアイコンを置く代わりに、行動をしている人物や特性を表す人物のイラストを添える案を出し、Monopolyの富豪キャラクター、Rich Uncle Pennybagsを参考にVault BoyをスケッチしたとCain氏は振り返っています。
その後、George Almond氏がデザインをさらに整え、最終的なアイコンの多くはTramell Ray Isaac氏が描きました。Vault Boyはスキル一覧やマニュアル、オープニング映像にも登場するようになったとのことです。
GURPSからの離脱がSPECIALにつながる
Steve Jackson氏は、オープニング映像の暴力描写や小さく描かれたキャラクターなどとともに、Vault Boyも問題視していたとされています。Cain氏によると、開発側はMonopolyを参考にした意図を説明したものの、Steve Jackson Gamesは作風に合わないとしてVault Boyの削除を求めました。
開発チームはこうした要求を受け入れず、GURPSを外して独自の能力システムを採用しました。その結果として生まれたのがSPECIALであり、Vault Boyをめぐる対立はシリーズを代表する2つの要素につながったとCain氏は説明しています。