『Fallout: New Vegas』のJosh Sawyer氏、セーブのやり直しを防ぐ設計に注力すると語る
2026年10月02日 | #その他 | GamesRadar+
『Fallout: New Vegas』やPillars of Eternityを手がけたゲームディレクターのJosh Sawyer氏は、望む結果が出るまでセーブデータを読み込み直す行為を促さないよう、ゲーム設計で「できる限りのことをしている」と語りました。プレイヤーが確率や資源管理にどう反応するかを、設計段階から見越す必要があるといいます。
確率への誤解をどう伝えるか
たとえばXCOMでは、命中率が95%と表示された攻撃が外れることがあります。残り5%の可能性が起きた結果ですが、プレイヤーのなかにはゲームが不正をしていると考える人もいました。
Sawyer氏はBlueskyへの投稿で、「多くの人は確率をよく理解しておらず、説明されても受け入れようとしません。そのため、プレイヤーの直感的な、ひどく間違った確率の捉え方に合わせた仕組みを作るデザイナーもいますが、かえって混乱を招きます」と述べています。
Baldur's Gate 3は、卓上版ダンジョンズ&ドラゴンズのように、サイコロの出目を見せることで確率を伝えています。仮想のサイコロで「1」が出て失敗したと分かるほうが、命中率95%の攻撃を外すより納得しやすいことがあります。どちらも理論上は5%の確率で起こる結果です。
Wolfenstein: Enemy Territoryでも、プレイヤーはある銃が強すぎると感じていました。開発側は銃の威力や命中精度ではなく、発射音を弱めたところ、不満はすぐに収まったといいます。実際の性能とは別に、プレイヤーがどう感じるかが反応を左右する例です。
セーブのやり直しを招かない仕組み
RPGでは、資源を消費したり、物語の展開を変えたりする選択が長期的な影響を持つため、プレイヤーができるだけ損失の少ない道を選ぶことがあります。その結果、セーブを何度も読み込み直して時間を浪費することもあります。
Sawyer氏が挙げた『Fallout: New Vegas』の例では、銃で撃って鍵を壊すことはできません。ほかのRPGでは、鍵のかかった箱を撃って開けられる代わりに、中身を壊す可能性がある仕組みもありました。しかし、プレイヤーが開錠スキルにポイントを振るより、セーブを読み直して戦利品を得ようとするなら、その選択肢は意図した遊びにつながりにくくなります。
Sawyer氏によると、プレイヤーは理由を意識していなくても、開錠スキルに投資するよりショットガンで鍵を撃つ行動に傾きがちです。プレイヤー心理を少し冷静に見ることが、強い不満を生まない設計につながると説明しています。
Pillars of Eternityでは、休息すると体力や使用回数に制限のある能力が回復します。野営地で休むにはキャンプ用品を消費し、町の宿屋では少額のゴールドが必要です。Sawyer氏は、プレイヤーの多くは敗北することを嫌うあまり、ダンジョンから町まで10分かけて戻って回復用品を買うことには抵抗が少ないと指摘しました。毎回の戦闘で休息制限付きの能力を使い切っては休み、町へ戻らなければならない設計への不満につながる場合があるといいます。
物語の選択にも考える余地を
Sawyer氏は、クエストで複数の選択肢を用意する際、プレイヤーがあえて選ぶ理由のない選択肢になっていないか考えると述べています。選択肢がないと不自然だから置く場合もありますが、多くの場合はプレイヤーに自分の価値観と向き合ってほしいといいます。決断を苦痛にする必要はないものの、少し考える余地は必要だという考えです。
今年初めには、Sawyer氏がObsidianで新作Falloutを率いているというBloombergの報道がありました。数週間前にはBethesdaが、Obsidianによる新作Falloutの開発を発表しています。Sawyer氏が開発を率いるかは公表されていませんが、記事筆者は、同氏のセーブのやり直しを避ける設計思想が新作に何らかの形で表れる可能性を挙げています。