『Fallout: New York』が公開停止、制作者がベセスダ親会社からの差し止め通知を公表
AIで制作されたゲーム『Fallout: New York』を公開していたCHRIS FIRSTは、ベセスダの親会社から差し止め通知を受けたとして、ゲームを公開停止しました。通知は商標権や著作権に関する問題を指摘しているとされ、AIで既存作品を再現することの是非が改めて注目されています。
通知を受けてゲームを公開停止
Xで「CHRIS FIRST」名義を使う人物は今週初め、Claude Opus 5.5で制作した『Fallout: New York』の映像を公開しました。ブラウザーで遊べるゲームで、クエストや仲間、会話の選択肢に加え、シリーズでおなじみのV.A.T.S.戦闘や動作するPip-Boyも登場します。映像はXで350万回再生されました。
CHRIS FIRSTが公開した文書は、ベセスダの親会社ZeniMax Mediaからの正式な差し止め通知とみられます。通知は、「fallout.nyc」というドメイン名の使用に関する商標権侵害と、著作物の使用を問題にしているとされています。IGNはMicrosoftにコメントを求めています。
CHRIS FIRSTは以前、このゲームは無料で収益も得ていないと説明し、「Falloutが好きで、楽しい技術デモとして作った」と投稿していました。公開停止を伝えた際には、ベセスダに向けて「私が作らずに済むよう、そちらでFalloutのゲームを作ったらどうですか」と皮肉を交え、楽しんでいた人たちに謝罪しました。
AIで既存作品を再現する動きに議論
公開当初から、映像を見た人の間では賛否が分かれました。ゲームプレイに感心する人がいた一方、「Falloutらしくない」「既存の知的財産を使っている」「新しい仕組みや工夫がない」と批判する声もありました。公開停止を予想していた人も多く、AIを使って既存作品を再現することの権利上の問題が議論になっています。
今週は、Minecraftと有名ゲームを組み合わせたAI生成映像も相次いで話題になりました。MinecraftをElden Ring風にした映像はXで2200万回再生され、Splatoon風のクローンや、MarioとElden Ringを組み合わせた映像も公開されています。こうした作品をめぐっては、権利者が対応するのか、AIモデル側で生成を防ぐ仕組みを設けるのかが論点になっています。
記事は、AIによって、従来は手間のかかったリバースエンジニアリングや再コンパイルが大幅に速くなっていると指摘しています。既存作を組み合わせたり模倣したりするだけで、新しい発想がないとの批判もあり、商業ゲーム開発への影響を懸念する声も出ています。
ベセスダは公式のFallout作品も開発中
ベセスダはFallout 5のほか、Fallout 3とNew Vegasのリマスター、New Vegasを開発したObsidian Entertainmentによるスピンオフ作品を進めています。いずれも発売時期は発表されていません。新たなXbox責任者のAsha Sharmaは、Falloutを含む同社の主要シリーズに力を入れたいと話しています。