【メタスコア】『ダイイングライト:ザ・ビースト』メディア評価レビュー

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2025年9月19日に発売の『ダイイングライト:ザ・ビースト』のメディアレビューが公開されMetacriticのメタスコアが集計されました。このページではMetacriticへ寄稿された『ダイイングライト:ザ・ビースト』に対するゲームメディアのレビューを翻訳してまとめています。

スコアは70代後半で、シリーズの原点回帰として評価される部分と、マンネリ感や設計面の粗さが指摘される部分がきれいに半々に分かれた作品です。良い点・気になる点の両面をフラットに紹介していきますので、購入の参考になれば幸いです。

原点回帰は嬉しい、けど「あれ、前もこれやったな」感が拭えない

79
Dying Light: The Beastmetacritic.com

この『ダイイングライト:ザ・ビースト』は、初代の主人公カイル・クレインが13年ぶりに帰ってきて、重たい鈍器でゾンビをぶん殴り、夜はヴォラタイルから必死に逃げ回るという、あの「初代で好きだった感覚」を取り戻しにきた作品です。近接戦闘の手触りやゾンビの部位がリアルに欠損していくゴアシステムは文句なしに進化していて、殴るたびに「うわっ」となる説得力があります。サイドクエストの脚本も予想以上に丁寧で、胸を打つエピソードがいくつもありますね。

ただ、ミッション構造は「あそこへ行け、スイッチを押せ」の繰り返しで中盤以降はかなり単調ですし、ボス戦もHPが多いだけの敵を延々殴る作業になりがちです。ファストトラベルがないせいで同じ道を何度も往復させられるのも地味にキツい。「シリーズとして進化したか?」と聞かれると、正直うなずきにくいかもしれません。

ゾンビを殴る手触りが過去最高に気持ちいい

本作最大の強みは、間違いなく近接戦闘の手触りです。両手武器で群れをなぎ倒す重厚感と、片手武器でヒット&アウェイを狙うスピード感がきっちり差別化されていて、状況に応じた使い分けが戦闘を飽きさせません。

特に評判がいいのが新しいゴアシステム。「重い武器で顎を粉砕すると、ゾンビが顎をぶら下げたまま前進してくる」「バットで頭蓋骨を砕くと眼球が飛び出す」「胴体を木こりのように真っ二つにする」…と、書いてるだけで胃もたれしそうですが、この過激な描写がすべての一撃に説得力をもたらしています。あるレビュアーはこの打撃感を「丸太を割っているよう」と表現していて、まさにその通りだと思います。

銃器の実用性も大幅に向上していて、アサルトライフルやショットガンに加え、新武器のソーブレードランチャーや火炎放射器が追加されました。ゾンビだけでなく人間の傭兵部隊との銃撃戦もあり、戦闘のバリエーション自体は豊かですね。

夜が怖い、ちゃんと怖い

シリーズを代表する強敵「ヴォラタイル」が、本作ではさらに獰猛になって夜の街を徘徊しています。見つかったら、戦うなんて選択肢はありません。ひたすら全力ダッシュで安全地帯まで逃げるだけ。この「戦えない恐怖」は初代の頃の絶望感そのもので、無事にセーフハウスへ滑り込んだときのアドレナリンと安堵感はシリーズ最高峰と言ってもいいかもしれません。

サウンドデザインもこの恐怖を底上げしています。Olivier Deriviereが手掛けるサウンドトラックは映画『28日後…』を彷彿とさせる不吉さで、夜の森に響くゾンビの咆哮や、走るクレインの荒い息遣いが「自分は常に獲物だ」という緊張感を植え付けてきます。

サイドクエストがメインより心に残る

メインクエスト以上に評価が高いのがサイドクエストの脚本です。生き残ったアイルランド人兄弟の愛の物語や、狂気に陥った父親のエピソードなど、終末世界を生きる人々の悲痛なドラマが丁寧に描かれていて、単なるお使いにとどまらない感情的な重みがあります。

新たな舞台「カストル・ウッズ」の環境ストーリーテリングも充実しています。音声テープ、新聞の切り抜き、魔女裁判の歴史を語るポッドキャスト番組など、世界観を掘り下げる収集物がマップのあちこちに散りばめられていて、探索のモチベーションになっていますね。

ただ、かなり気になる点もあります

お使いクエストの繰り返しがキツい

ミッションの構造は「あの場所へ行け」「スイッチを入れろ」「アイテムを拾え」の繰り返しで、中盤以降はなかなか単調です。しかもファストトラベルが存在しないため、マップを何度も往復することになります。車は使えますが、それだとパルクールの出番がなくなるので本末転倒ですよね。

あるレビュアーはこのゲームを「チーズサンドイッチのようだ。普通に美味しいけど、朝起きて『食べたい』と思い出すようなものではない」と評していて、このマンネリ感をうまく言い当てていると思います。パルクール、戦闘、ルート漁り、クラフトという基本ループが過去作と「ほぼ同じ」で、シリーズとしての革新が感じられないという声は少なくありません。

ボス戦がとにかく退屈

新種の変異体「キメラ」とのボス戦は、体力が多いだけの巨大な敵か、すばしっこく飛び回る敵の2パターンに偏っています。どちらも周囲にゾンビを呼び出して突進してくるだけ。レビュアーからは「ただのうなるHPの塊」「『ゾンビゲームの作り方』マニュアルをそのまま読んだような単調さ」と酷評されていて、閉鎖アリーナを延々走り回る作業感はかなりストレスが溜まりそうです。

通常のゾンビとの戦闘でも、視界外からの回避困難な掴み攻撃が頻繁に飛んできて、理不尽さを感じる場面が多いようです。当たり判定の不正確さも技術的な粗さとして指摘されています。

味方NPCが自殺志願すぎる

街中でゾンビに襲われている生存者を助けるイベントがあるんですが、NPCのAIが致命的に貧弱です。苦労して救出した直後に、そのNPCが歩いてまた別のゾンビの群れに突っ込んで死んでしまう。助けた意味はいったい…。頻発するランダムエンカウント自体も探索のテンポを削いでいて、ちょっとした徒労感があります。

人によって評価が真っ二つに割れるポイント

ビーストモード ── 爽快な切り札か、思考停止ボタンか

本作の目玉である「ビーストモード」は、ゲージが溜まると素手でゾンビを引き裂く超人に変身できるシステムです。肯定派はその爽快感を「ステロイドを最大限に投与した『パンチアウト』のようだ」と表現するほど絶賛。敵の胴体に腕を突き刺し、頭を風船のように潰す残虐アニメーションは純粋にカオスで楽しいという声が多数派です。

一方で否定派は、乱戦時に思考停止で押すだけの「戦闘に勝利するボタン」に過ぎないと批判しています。強力なボスにはダメージが通りにくくゲージ消費も早いので実用性に欠けるという声や、プレイヤーが強くなりすぎてサバイバルホラーとしての恐怖感を損なっているという指摘もありますね。

夜の恐怖 ── 最高峰のスリルか、慣れたら作業か

肯定派は、初代の「戦うより逃げるしかない」という純粋なサバイバルホラー体験が復活したとして高く評価しています。否定派は、パターンを学習してしまうと恐怖が薄れること、水平方向を重視したマップデザインが屋上チェイスほどスムーズでないこと、数メートルおきにセーフハウスがあるので緊張感が削がれることを問題視しています。

メインストーリー ── B級映画の痛快さか、お約束の連続か

カイル・クレインの復讐劇を、テンポ良いB級アクション映画として楽しめるという支持がある一方、展開があまりに予測可能で驚きがないという批判も。特に悪役のバロンは、人類がほぼ死滅した世界で「権力を求める」という薄っぺらい動機で、物語全体の深みを損なっているという意見が目立ちます。

メディアレビュー紹介

高評価

Player 2 — 91
初代の恐怖と2作目の力強いファンタジーが完璧に融合したシリーズ最高傑作だ。夜のボラタイルから逃げ惑う純粋な恐怖は健在だが、素手でゾンビを引き裂く「ビーストモード」の爽快感も極まっている。アイルランド人兄弟を描いたサブクエストは涙を誘うほど美しく、心に深く刻まれる素晴らしい出来栄えである。
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CGMagazine — 90
初代の絶望的なサバイバルに回帰した見事な進化だ。恐ろしい新種「パウンサー」との死闘や、敵の顎を粉砕する生々しいゴア表現にアドレナリンが噴出する。カイル・クレインの復帰を軸に、映画『28日後…』を彷彿とさせる音楽が孤独な恐怖を完璧に引き立てており、間違いなくシリーズの真の継承者である。
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Eurogamer Poland — 90
初代ファン待望の「原点回帰」を果たす傑作だ。『アサシン クリード ユニティ』以来とも言える滑らかなパルクールと、敵の四肢を切断する肉厚な近接戦闘は最高の快感をもたらす。アルプスを思わせるカスター・ウッズの美しい風景の中で、凶暴な夜の感染者と繰り広げるチェイスのスリルは、間違いなく病みつきになる。
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低評価

GameSpace — 70
革新性を欠いた退屈な作業の連続だ。目玉となる「ビーストレイジ」は単なる無敵ボタンに成り下がり、キメラとのボス戦も単調で欠伸が出る。舞台のカスター・ウッズは視覚的な驚きが皆無で探索意欲を著しく削ぐ。かつての夜の恐怖も今やただのルーチンへと劣化しており、初代の魅力を完全に失った魂の無い続編である。
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Movies Games and Tech — 70
まるで「ゾンビゲーム入門書」をなぞるような型落ちの作品だ。物語は陳腐なノイズに過ぎず、使い回しのボス戦や単調なお使いクエストが退屈さを助長している。車の導入を理由にしたファストトラベルの廃止や、短い間隔で安全地帯が配置された夜の探索など、サバイバル本来の緊張感を自ら台無しにしてしまっている。
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Shacknews — 70
操作性の悪さと陳腐な展開が足を引っ張る。パルクールは壁登りで勢いが殺され、頻繁に落下させられる不格好な仕様でストレスが溜まる。至近距離から回避不能な掴み攻撃を連発してくるゾンビの挙動もただ苦痛だ。新たに追加された銃撃戦や車の操作性もごく平凡な出来に留まり、全体的に粗削りで洗練を欠いている。
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まとめると

  • 近接戦闘の手触りとゴア表現はシリーズ過去最高で、殴るたびに手応えが伝わる
  • 夜のヴォラタイルから逃げる恐怖は初代譲りの絶望感で、セーフハウスに駆け込む安堵感は格別
  • サイドクエストの脚本が丁寧で、メインストーリーより心に残るエピソードが多い
  • 新マップ「カストル・ウッズ」は環境ストーリーテリングが充実していて探索が楽しい
  • ミッション構造はお使いの連続で、ファストトラベルなしの往復移動が苦痛になる
  • ボス戦はHPが多いだけの敵を延々殴る単調な作業になりがち
  • ビーストモードは爽快だが、ホラーの緊張感を犠牲にしている面もある
  • メインストーリーは予測可能で、悪役バロンの薄さが物語の足を引っ張っている
  • シリーズファンなら原点回帰として楽しめるが、革新を求めるとやや物足りない

製品情報

項目詳細
タイトルダイイングライト:ザ・ビースト(Dying Light: The Beast)
ジャンルゾンビサバイバルアクション
発売日2025年9月19日
開発Techland
販売株式会社スパイク・チュンソフト
対応機種PlayStation 5 / Xbox Series X
プレイ人数1人(オンラインCo-op対応)

メタスコアについて

Metacriticで集計されているゲーム評価のスコアです。大手メディアに投稿されたレビューのスコアを平均された数値になります。メタスコアは大きく変わる機会は少ないですが、集計サイトが増えるにつれて頻繁に変動します。

9080706050
神ゲー良ゲー凡ゲー低評価爆弾持ち