11 bit studiosより2024年9月20日に発売された、PlayStation®5、Xbox Series X/S、PCに対応のストラテジー・サバイバルシミュレーション『Frostpunk 2 (フロストパンク 2)』のメディアレビュー総まとめページです。
総合評価
SCORE
85
Metacriticで集計されているゲーム評価のスコアです。大手メディアに投稿されたレビューのスコアを平均された数値になります。メディアスコアは大きく変わることは少ないですが、集計サイトが増えるにつれて頻繁に変動します。
90 | 80 | 70 | 60 |
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神ゲー | 良ゲー | 凡ゲー | 問題あり |
『Frostpunk 2』は、前作の都市建設とサバイバルの基本を引き継ぎながら、ゲームの焦点を個人の生存から大規模な社会の運営へと移した作品です。これにより、プレイヤーが取り組む問題の性質が大きく変化しました。
ゲームの規模は前作から大幅に拡大し、管理する市民は数千人から数万人へと増加しました。この変化に伴い、建物を一つずつ配置する方式から、住宅や食料、産業といった目的別の「地区」をまとめて建設するシステムに変わっています。プレイヤーは都市の指導者として、評議会で法律を可決させることが主な仕事となりますが、そのためには複数の考え方が違う派閥と交渉し、建物の建設などを約束して支持を集める必要があります。
このような政治的な駆け引きは、ゲームの中心的な要素として評価されています。一方で、約束は簡単に達成でき、派閥間のやり取りも単純なため、政治システムが操作しやすく手応えがないという意見もあります。また、ゲームの規模が大きくなった結果、前作で描かれた市民一人ひとりの苦しみや物語といった個人的な要素が薄れ、市民が単なる統計上の数字に感じられるという指摘もされています。その他、操作しづらいUIや、高いPCスペックを要求する動作の重さ、社会の変化が数値で示されず分かりにくい点も挙げられています。
結論として、『Frostpunk 2』は、前作の要素に複雑な政治と社会運営の仕組みを加えることで、新たな挑戦をプレイヤーに提供しています。しかし、その大規模で社会全体を見る視点は、前作の魅力であった一人ひとりの市民の物語を重視する体験とは異なるものになっています。
評価ポイント
このゲームで評価されているのは、前作から大きく要素が追加された政治と派閥の管理です。プレイヤーは指導者として、考え方の違う派閥が集まる評議会で法律を通すことを目指します。法律の可決には過半数の票が必要で、そのためには各派閥の代表と交渉し、建物の建設や技術の研究などを約束して支持を得なければなりません。しかし、全員を満足させることはできず、一つの派閥の要求を受け入れると、別の派閥が不満を抱きます。この対立をうまく管理できないと、ストライキや暴動、最悪の場合は内戦につながることもあります。この仕組みが、都市建設に常に緊張感のある戦略的なかけひきを加えています。
- ゲームの規模拡大と仕組みの進化
- 前作よりも扱う規模が大きくなり、管理する人口は数千人から数万人に増えました。建物を一つずつ置くのではなく、地区ごとにまとめて建設するシステムに変わっています。法律や資源管理といった仕組みも、より複雑になりました。
- 高品質なグラフィックと雰囲気作り
- Unreal Engine 5によるグラフィックはシャープで、天候の表現も印象的です。雪景色やスチームパンクの建物は細かく描かれています。また、不満や犯罪が増えると地区の色が変わるなど、プレイヤーの判断が都市の見た目に反映されます。
- やりがいのある都市建設システム
- 地区を配置する都市建設は、それ自体が面白く、やりがいのあるパズルになっています。限られた土地の中で、暖房などを供給しながら、地区の配置や拡張を計画的に進める必要があります。
- 重い決断を迫られる道徳的な選択
- プレイヤーは常に、道徳的に正しいとは言えない難しい選択を迫られます。食料のために倫理に反することをするか、安全のために不健康な労働を強いるかなど、その選択は重く、時には恐ろしい結果を招きます。
- 優れた演出とサウンド
- UIや操作は分かりやすく、全体的な品質は高いです。拡声器からのアナウンスや建物の稼働音など、音の作り込みも巧みです。音楽は美しく物悲しい雰囲気で、世界観をよく表しています。
- 新しいプレイヤーへの配慮
- 初めてプレイする人でも分かりやすいように、チュートリアルで新しい仕組みが少しずつ紹介されます。簡単な難易度では、ゲームが丁寧に操作を教えてくれます。単語検索ができるヘルプ機能も付いています。
- 都市運営を実感できるゲームプレイ
- 各地区から届く苦情の報告を読むことで、都市の問題に直接関わっている感覚を味わえます。戦略的な計画と賢い判断がうまくいった時には、大きな達成感が得られます。
- 探索と植民地管理のバランス
- 都市の外へ探索隊を送り、資源や生存者を見つけることができます。資源が豊富な場所には植民地を作れます。植民地は石油の採掘など特定の役割に集中し、食料などは都市から供給されるため、細かい管理は必要ありません。
不評ポイント
このゲームは前作に比べて都市の規模が大幅に大きくなり、管理する人が数千人から数万人に増えました。その結果、ゲームの焦点が一人ひとりの生存者の苦しみや個人的な話から、都市全体の政治的な問題や社会全体の問題に移っています。これにより、前作で感じられた市民一人ひとりの苦しい状況に対する強い感情的なつながりや、追い詰められた感覚が失われ、人々が単なる資源や統計上の数字として扱われるようになったという指摘があります。
- UIの操作性・視認性の低さ
- 画面下部のメニューは小さなアイコンが密集しすぎており、直感的ではありません。新しい項目が増えると横にスクロールする必要があり、操作しにくいです。また、UI全体が白っぽいため、雪景色と区別がつきにくく、建物を建てるために整地した場所が見づらいです。
- 高い動作負荷とフレームレート低下
- 高いグラフィック設定でプレイすると、動作はかなり重いです。フレームレートは45を超えることができず、時には30まで落ち込むこともあり、安定して60を保つのは難しいです。キャンペーンの終盤で、特定のイベントが多発する場面では、深刻な処理落ちも発生しました。
- 複雑すぎるシステム設計
- 前作よりも大きく複雑になり、都市建設や資源管理に加えて、派閥間の対立や政治の仕組みが複雑に絡み合っています。そのため、プレイヤーには深い思考、忍耐、そして戦略的な計画が求められます。
- 政治システムの浅さと簡単な操作
- 派閥システムは、実際には簡単に操作できてしまいます。派閥への約束は、建物を建てなくても研究するだけで達成できることがあります。また、派閥同士が協力したりしないため、社会を思い通りに運営するのが簡単になりすぎています。
- 社会状況のフィードバックが曖昧
- 社会的な状況について、「緊張が大幅に減った」のような、数字を使わない曖昧な言葉で説明されます。そのため、現在の状況や、法律や新しい建物がどのくらい影響を与えたのかを正確に把握するのが難しいです。
- キャンペーンの物語への感情移入のしにくさ
- キャンペーンでは、決められたイベントによって特定のプレイが強制されるため、人工的に感じられることがあります。物語自体もあまり魅力的ではなく、前作にあったような盛り上がりや感情を揺さぶる展開に欠けています。
- 探索要素の物足りなさ
- 都市の外にある凍った土地の探索は、新しい資源や入植地を見つけるという目的はありますが、ゲームプレイとしてはあまり面白くなく、少し単純に感じられます。
- サンドボックスモードの自由度の低さ
- 「Utopia Builder」モードは、自由に遊べるモードというより、物語や目的があるいくつかのシナリオに分かれています。キャンペーンの後に色々と試すためのモードですが、もう少し小さな目標があっても良いと感じられます。
- 細かいバグとオートセーブによる一時停止
- いくつかの小さなバグがあります。また、オートセーブが発生する際に、ゲームが数秒間停止することがあります。
メディアレビュー
- Try Hard Guides[100]
- GINX TV[95]
- GameSpace[95]
- GamersRD[93]
- But Why Tho?[90]
- COGconnected[90]
- Gamereactor UK[90]
- God is a Geek[90]
- Hardcore Gamer[90]
- PCGamesN[85]
- New Game Network[72]
- GameOver.gr[70]
- IGN Benelux[65]
- Softpedia[60]
製品情報
項目 | 概要 |
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タイトル (日本語) | Frostpunk 2 (フロストパンク 2) |
タイトル (英語) | Frostpunk 2 |
ジャンル | ストラテジー,シティビルダー,サバイバル,シミュレーション |
開発元 (Developer) | 11 bit studios |
販売元 (Publisher) | 11 bit studios |
発売日 | 2024年9月20日 |
プラットフォーム | PlayStation 5,Xbox Series X/S,PC |
プレイ人数 | 1人 (シングルプレイヤー) |
対応言語 (テキスト) | 英語,フランス語,イタリア語,ドイツ語,スペイン語,日本語,韓国語,ポーランド語,ポルトガル語 (ブラジル),ロシア語,簡体字中国語,トルコ語,繁体字中国語,ウクライナ語 |