『エスケープ フロム ダッコフ』メタスコア評価・メディアレビュー

bilibiliより2025年10月16日に発売された、PCに対応のアクション・アドベンチャーRPGであり、ルーターシューター(エクストラクションシューター)ジャンルの『エスケープ フロム ダッコフ』のメディアレビュー総まとめページです。

総合評価

『エスケープ フロム ダッコフ』
スコアについて

Metacriticで集計されているゲーム評価のスコアです。大手メディアに投稿されたレビューのスコアを平均された数値になります。メディアスコアは大きく変わることは少ないですが、集計サイトが増えるにつれて頻繁に変動します。

9080706050
神ゲー良ゲー凡ゲー低評価爆弾持ち

『エスケープ フロム ダッコフ』は、可愛らしいアヒルというビジュアル設定や効果的なサウンドデザインが評価されています。一方で、参考元となったゲームのクエスト設計やゲームの進行方法を忠実に模倣した結果、テンポの悪さや不合理な作業感を指摘されています。

評価される点として、アヒルの丸みを保ちつつ多様なデザインが用意されたアートディレクションが挙げられます。また、足音で敵を識別したり、戦闘前に鳴き声で警告したりするサウンドデザインも機能的です。武器のカスタマイズは選択肢が過剰にならないよう調整されており、銃撃戦もプレイヤーが優位に立ちやすいよう設計されています。

問題点としては、「特定の銃で敵の左足を撃つ」といった理不尽に感じられるクエストの存在が指摘されています。また、進行に必要なアイテムの入手が運に左右されるため、メインストーリーのクリアに60~80時間、完全クリアには約200時間と、非常に長いプレイ時間が必要とされています。

マップは広々としていますが、興味のある地点間の移動が単調で、背景による物語性が欠けているという意見もあります。さらに、死亡しても再度現場に戻れば装備を回収できるシステムが採用されており、参考元のゲームが持つ緊張感やスリルが欠けている点が、リスクと報酬のバランスを崩しているとされています。

総じて、本作はその可愛らしい見た目と分かりやすい戦闘により、シングルプレイヤーで抽出シューターというジャンルを体験する導入として機能すると評価されています。しかし、中心となるゲーム進行やクエストの仕組みが、参考元となったゲームの持つ問題点を引き継いでおり、プレイヤーに要求される時間に対して、得られるスリルや達成感が見合っていないという評価が下されています。

監督:荒木憲司, Writer:大和 光, 出演:音井のの, 出演:小川一郎, 出演:★ヒジヤン★, 出演:波多野 翔, 出演:ミユ, 出演:納谷七朗, 出演:児島美ゆき
¥330 (2025/10/19 09:05時点 | Amazon調べ)

評価ポイント

多くのメディアで評価されているポイント

最大のセールスポイントは、そのアートディレクションにある。プレイヤーの関心が「銃を持った愛らしいアヒルたちが互いに殺し合う」という点にあることを開発(Team Soda)は理解しており、その点を完璧に仕上げている。デザインが異なるアヒルたちには多様な個性が与えられつつも、丸みを帯びたアヒル本来の愛らしさも忠実に保たれている。

  • キャラクターの差別化
    • キャラクター作成では奇抜なものを含む多くの選択肢が提供される。登場するアヒルの種類は限られているが、衣装や武器が多様なため、出会うアヒルには十分な個性が加えられている。
  • 限定的だが厳選された武器カスタマイズ
    • 武器のカスタマイズは、参考元の「銃マニア」要素を取り入れつつも、過剰にならないようバランスが取られている。アタッチメントやアップグレードは限定的だが厳選されており、自分だけの個性あるビルドを作ることができる。
  • タクティカル装備による着せ替え要素
    • 様々なタクティカルギアでアヒルを着飾ることができ、ミニチュアの着せ替え人形のような要素を補完している。
  • 音による敵の識別
    • 音の特徴やアヒルの鳴き声がはっきりしている。例えば、一般的な敵は足音が軽いが、傭兵のような敵は重い足音を立てる。鳴き声もクラスごとに異なり、数回遭遇すれば音だけで敵を簡単に見分けられるようになる。
  • 戦闘前の兆候と対応時間
    • アヒルは戦闘直前にだけ鳴くため、相手を特定して戦うか逃げるか判断する時間が数秒ある。敵に見つかってから攻撃されるまでにも時間があり、数で負けていなければプレイヤーは優位に立てる。近接攻撃の敵は攻撃前に点滅し、避ける機会が与えられる。
  • 銃撃戦の満足感とAIの挙動
    • 戦闘は優れており、ヘッドショット時には頭が満足のいく形で弾ける。AIは弾を浴びるために開けた場所に立っていることはなく、射撃を巧みに避ける。敵の野営地を一掃する感覚は、苦労に見合った良い感触がある。
  • 脱出ポイントまでの緊張感
    • 戦利品を脱出ポイントまで運ぶ際は強い恐怖を感じることがある。重い足音やレーザーサイトに怯えながら進むことになる。脱出地点はゾーンの最奥にあることが多く、敵の領域を突破する必要がある。静寂が鳴き声や銃声で破られることや、角から敵が現れるかもしれない状況が緊張感を高める。
  • 心地よいジャズのBGM
    • ゲームの進行が遅くなっても、心地よいジャズのBGMのおかげでイライラしにくい。これらの曲は隠れ家で再生されたり、避難壕のラジオでスムースジャズなどを聴いたりできる。
  • 隠れ家のカスタマイズと進行
    • 隠れ家は必要に応じてカスタマイズでき、NPCを配置して武器、装備、訓練の場を設けられる。ステーションを建設するとアイテム購入やアップグレードが可能になる。この仕組みにより、自転車の模型のような一見ランダムな収集物にも目的が生まれる。アップグレードの数値は小さいが、購入するたびに確かな改善が感じられる。
  • アイテム収集と拠点強化のサイクル
    • 地図を探索して貴重品を探し、持ち帰って売却、その収益で拠点をアップグレードする。スクラップも作業台で加工すれば宝物に変わることがある。このように「資源収集」「隠れ家建設」「装備アップグレード」という中心的なサイクルが構築されている。
  • 安定した動作
    • パフォーマンスは常にスムーズで、標準の60 FPSからフレームレートが低下することは確認されなかった。
  • 探索によるショートカットの開通
    • 小さな進歩でも価値があると感じられる。爆発物を使えるようになると、壁を壊してショートカットを開通できる。一方通行の扉を開ければ、将来の遠回りを避けられる。これらの要素は安堵感をもたらす。
  • Modによる拡張性
    • メインメニューにModが表示されており、Steam Workshopを利用して多くの新しい遊び方を追加できる。武器の追加、カスタムマップ、新しいクエストなどによって、ゲームの新鮮さや活力が維持される。
  • シングルプレイヤーで完結するゲーム性
    • 本作はトップダウン視点のシングルプレイヤー(オフライン)抽出シューターである。PvP(対人戦)を避けていた人からも、このゲームで抽出シューターの魅力が理解できたと述べられており、このジャンルへの入門として機能する。
  • 価格に対する満足度
    • 価格設定は手頃で、支払った金額に見合う価値が得られる。シングルプレイで50時間以上、やり込むプレイヤーなら約200時間のコンテンツが見込まれる。

不評ポイント

多くのメディアで不評なポイント

『エスケープ フロム ダッコフ』の主な問題点は、ベースとなったゲームのクエスト設計やゲームサイクルを忠実に模倣しすぎた点にある。その結果、クエストは「想像力に欠けるお使い」や、「特定の銃で敵の左足を撃つ」といった意味の分からない作業になり、体験全体を安っぽいものにしている。さらに、ストーリーの進行や基地のアップグレードが、ランダムに入手できるジャンク品や医療品などに依存しているため、進捗が運任せで極端に遅くなっている。メインストーリーのクリアに60~80時間、完全クリアに約200時間もかかるこの遅さが、抽出シューターに求められる緊張感を欠いたまま続くため、プレイヤーには単なる「苦行」のように感じられてしまう。

  • インベントリ管理の問題とクエスト要件の悪循環
    • 過剰なインベントリ管理に悩まされる。ストレージを拡張するまでは、役に立たないように見えるジャンクを捨ててスペースを確保する必要がある。しかしその後、捨てたばかりのアイテムを要求するクエストが発生し、再び集め直す悪循環が始まる。
  • 抽出時の緊張感の欠如
    • 死亡しても、2回目の死亡前までに元の場所に戻れば、ペナルティなしでアイテムを回収できる。これは「すべてを失う」方式よりは気楽だが、リスクと報酬のバランスを歪ませている。このジャンルのゲームプレイを支えるアドレナリンが欠けている。
  • 単調なマップ構造
    • 移動ルートが実質的に通路などに限定されている。興味のある場所(POI)は良くできているが、そこに至るまでの空間は空虚に感じる。原作の強みであった、環境(背景)でストーリーを語る手法が著しく欠けている。
  • 原作の悪い点の継承
    • 『Tarkov』が持つ抑圧的な雰囲気なしに、そのゲームの基本的なループ(欠点を含む)を維持したため、抽出シューターというジャンルの悪い側面が目立ってしまっている。
  • 単調な戦闘と反応の鈍いAI
    • 射撃は楽しいものの、しばらくすると反復的に感じられる。敵がプレイヤーを見つけてから攻撃してくるまでに時間があり、常にプレイヤーが優位に立てるため、ゲームプレイが予測可能になっている。
  • ボス報酬の魅力のなさ
    • ボスからのドロップ品にはがっかりさせられる。他の敵から得られるものよりわずかに良い程度でしかなく、多くの時間を要求される割に、十分なスリルが提供されていない。

メディアレビュー

製品情報

項目概要
タイトル (日本語)エスケープ フロム ダッコフ
タイトル (英語)Escape From Duckov
ジャンルアクション,アドベンチャー,RPG,ルーターシューター,エクストラクションシューター
開発元 (Developer)Team Soda
販売元 (Publisher)bilibili
発売日2025年10月16日
プラットフォームPC
プレイ人数1人
日本語(インターフェース)対応
日本語(字幕)対応