『4 Penny Coffins』19世紀ロンドンの殺人捜査と裏切りを描く最大8人の対戦ゲーム
19世紀のロンドンを舞台に、プレイヤー同士で殺人犯を追う一方、その中の1人が犯人として暗躍する新作ソーシャル捜査ゲームが登場します。『4 Penny Coffins』では、指紋や血痕を調べる探偵たちと、正体を隠して仲間を襲う“切り裂き魔”が同じ場で行動します。最大8人のマルチプレイに加え、1人で事件を解くモードも用意され、捜査とホラー、そしてブラックユーモアを組み合わせた内容が特徴です。
7人の捜査官に1人の殺人鬼
マルチプレイ用の「Ripper」モードでは、最大8人のプレイヤーが同じ事件に挑みます。7人はそれぞれ異なる法医学能力を持つ捜査官となり、次の殺人が起きる前に、紛れ込んだ切り裂き魔を見つけなければなりません。犯人役は捜査官たちの中に潜んでいるため、協力して手がかりを集めるだけでなく、互いの行動や証言を疑う必要があります。
捜査官は指紋や血痕を分析したり、現場を撮影したり、目撃者から話を聞いたりしながら事件を追います。地面に残された足跡を写真で確認するなど、担当クラスごとの能力を使って情報をつなぎ合わせていく仕組みです。全員が協力すれば犯人の特定に近づけますが、協力を強制されるわけではありません。友人を混乱させる、いわゆる“トロール”を楽しみたいプレイヤーにも向いた設計だと、Other Ocean Interactiveのマーケティングマネージャー、Jared Petty氏は説明しています。
一方の切り裂き魔は、捜査を妨害しながら次の犠牲者を狙います。人間の姿を装った存在として街を歩き、状況に応じて全長約10フィートの巨大な悪魔へ変身可能です。悪魔化した犯人は人間を真っ二つに引き裂くほどの脅威となるため、捜査官側は証拠集めだけでなく、仲間が突然襲われる可能性にも警戒しなければなりません。
Petty氏は、同モードについて「7人が指紋や血痕を調べ、証人に話を聞き、足跡を追っている一方で、1人がそれを邪魔し、ときどき巨大な悪魔になって人々を引き裂く」と説明しています。協力型の捜査と、仲間の1人が仕掛ける妨害が同時に進む点が、本作の中心的な面白さになっています。
1人で挑む推理重視の「Magistrate」
ソロ向けの「Magistrate」モードは、マルチプレイとは異なり、より探偵小説的な推理を重視した内容です。プレイヤーは拘置所に収容された複数の容疑者を前に、その中の誰が切り裂き魔なのかを突き止めます。犯人が1人いることは分かっていますが、最初から対象を特定できるわけではありません。
このモードでは、マルチプレイで登場する各クラスの道具を1人で使い分け、拘置所の外へ出て捜査を進めます。集めた証拠や推理材料を制限時間内に整理し、最終的に容疑者を1人選ばなければなりません。判断を誤るとペナルティを受け、許される失敗は3回までとされています。時間内に十分な手がかりを集めて帰還し、推理を完成させたうえで処刑する人物を決める、緊張感のある流れです。
Petty氏は、このソロモードを「よりシャーロック・ホームズらしい」体験と表現しています。マルチプレイのように他のプレイヤーの発言や動きを疑うのではなく、限られた時間で証拠を検討し、自分の推理だけで結論を出すことが求められます。誤った人物を選べばペナルティにつながるため、見つけた手がかりを急いで結論に結びつけないことが重要になります。
白黒の街に赤い暴力が浮かぶ独自のビジュアル
舞台は、切り裂きジャック事件で知られる1888年のロンドン、ホワイトチャペルです。ただし、史実をそのまま再現するのではなく、当時の退廃的な空気を想像力で再構成した世界として描かれます。街の大部分は白黒で表現され、暴力的な出来事が起きたときに赤が強く現れる演出を採用しています。
ビジュアル面では、グラフィックノベルFrom Hellや、古い木版新聞を動かしたような表現が影響として挙げられています。粒子の粗い当時の写真が動き出したような画面を目指し、モノクロの街並みの中に血や暴力の赤を配置することで、現実感よりも不穏な印象を前面に出しています。原文記事では、こうしたスタイルについて、スタジオディレクターのChris Navarro氏が「とにかく格好よくなければならない」と語ったことも紹介されています。
ホラーが苦手でも遊べる作品を目指す
本作の方向性は、殺人や流血を扱いながらも、恐怖だけに寄せたものではありません。Petty氏は、ゲームにおけるユーモアとホラーは相性がよく、笑える要素があることでプレイヤーが恐怖に押しつぶされずに済むという考えを示しています。とくに複数人で遊ぶ場合、真剣に捜査する場面と、犯人役が状況を台無しにする場面が隣り合うことで、緊張と笑いが生まれる設計です。
また、Petty氏は本作を、友人と遊ぶ場合だけでなく、1人で楽しめる気軽な頭の体操やパズルのようなゲームでもあると説明しています。ホラー作品のファンでなくても、証拠を集めて推理するゲームが好きなら楽しめる作品を目指しているとのことです。物語、マルチプレイの駆け引き、法医学的な捜査、白黒を基調とした映像表現を組み合わせ、単なる殺人鬼との追いかけっこにとどまらない体験を打ち出しています。