株式会社バンダイナムコエンターテインメントより2025年10月23日に発売された、PlayStation 5、Xbox Series X/S、Switch、PCに対応のアクション・カジュアル・アドベンチャー『ワンス・アポン・ア・塊魂』のメディアレビュー総まとめページです。
多言語を日本語へ翻訳してからの編集になっているためゲーム用語など一部異なる場合があります。
総合評価
SCORE
77
Metacriticで集計されているゲーム評価のスコアです。大手メディアに投稿されたレビューのスコアを平均された数値になります。メディアスコアは大きく変わることは少ないですが、集計サイトが増えるにつれて頻繁に変動します。
90 | 80 | 70 | 60 | 50 |
---|---|---|---|---|
神ゲー | 良ゲー | 凡ゲー | 低評価 | 爆弾持ち |
『ワンス・アポン・ア・塊魂』は、シリーズの確立された「物を巻き込んで塊を大きくする」という基本的な遊び方を忠実に継承した続編として評価されています。カメラの改善や操作性の調整といった品質向上も図られており、シリーズの復帰作として受け止められています。
評価の理由として、まず「時間を旅する」というテーマ設定が挙げられます。江戸時代の日本やジュラ紀など、歴史上の様々な時代や地域がステージとなり、視覚的な変化を生み出しています。また、単に塊を大きくするだけでなく、特定のアイテムのみを集める、重さの目標を達成するなど、ミッションの目的が多様である点も特徴です。加えて、アイテムを引き寄せるマグネットや時間を止めるストップウォッチといったパワーアップ要素(フリービー)が、ゲームプレイの戦略性を高めています。
一方で、いくつかの否定的な点も指摘されています。基本的な遊び方は過去作とほぼ同じであり、大きな革新性はないという意見があります。また、一部の特殊なルールが設定されたステージは、プレイヤーが苛立ちを感じやすいとされています。ストーリー進行に必要となる収集物「クラウン」を探す作業が煩わしいと感じられる場合があるほか、王様のカットシーンや会話が頻繁に挿入されることで、ゲームのテンポが損なわれたり、画面が見えにくくなったりする問題も挙がっています。マルチプレイヤーモードに関しては、混沌とした楽しさはあるものの、評価が分かれる傾向にあります。
総じて、本作はシリーズ特有のユーモア、ビジュアル、サウンドトラックを維持しつつ、遊びやすさを向上させる調整が加えられています。多くのステージ、収集要素、カスタマイズ機能が用意されており、従来の『塊魂』の基本的な遊び方を求めるプレイヤーに向けて、豊富な内容を提供しています。
評価ポイント
本作は、PS2時代の『塊魂』シリーズの核となる、風変わりで楽しい「転がしゲーム」の基本構造を忠実に引き継いでいます。その上で、従来の不満点を解消するための、プレイヤーにとって歓迎すべき品質の向上が多数導入されました。特に、以前はスティックを激しく操作する必要があったダッシュ操作(チャージロール)が、トリガーボタンの長押しだけで発動可能になり、操作が非常に簡単になりました。また、カメラ操作も大幅に改善されており、視界が遮られた際もスムーズなプレイが可能です。これにより、従来の魅力を損なうことなく、シリーズの中で最も洗練され、ストレスの少ないスムーズな『塊魂』体験が提供されています。
- 「転がす楽しさ」と巧妙なレベル設計
- 塊魂を転がすという基本的なゲームプレイは変わらず非常に楽しい。各レベルは巧妙に設計されており、探索を進めると新しいエリアが開ける大きなパズルのような感覚がある。
- 直感的な両スティック操作と適度な難易度
- 戦車のような両スティック操作は直感的で、すぐに楽しめるように適度な難易度が設定されている。初期のミッションは簡単に最高の評価を得られるようになっている。
- 時代や地域を巡るユニークなキャンペーン
- メインキャンペーンは歴史上の異なる時代や地域を巡る設定で、ユーモアと魅力、視覚的な多様性をもたらしている。江戸時代の日本、ジュラ紀、西部開拓時代など様々な環境でミッションに挑める。
- 約50レベルの多様な目的と環境
- 約50のレベルが提供され、特定のサイズ到達、特定のアイテム(恐竜や食べ物など)収集、重量物収集など、目的が豊富である。ステージ環境も水中世界や酒場など多岐にわたる。
- 既存の楽しさを損なわない新要素の追加
- シリーズの定評ある楽しさや基盤を損なうことなく、パワーアップ(フリービー)や目標マーカーの明確化など、現代のゲームに必要な改善点が慎重に追加されている。
- 戦略を生む便利なパワーアップ
- 磁石、ストップウォッチ、ロケットといった便利なパワーアップ(フリービー)が導入された。特に磁石は近くのアイテムを吸い寄せ、ストップウォッチは時間を一時停止させるなど、戦略的なプレイを促すためにレベル内に配置されている。
- 収集品とスコアアタックによる再探索の動機付け
- 各ステージにはハイスコア以外にも、隠されたいとこ、プレゼント、王冠(各レベルに3つ)といった収集品がある。これらは巧妙に隠されていることが多く、達成ランクも明確に追跡されるため、再探索の動機が生まれる。
- 伝統のユーモアと奇抜さ
- シリーズの代名詞であるユーモアと奇抜さは失われていない。大コスモスの王様の滑稽な言動や、ステージに仕込まれた視覚的なギャグにより、ゲーム全体を通して一貫して面白い。
- 現代技術で磨かれたローファイなビジュアル
- PS2時代から受け継がれたローポリゴン調の見た目と、シンプルで鮮やかな色彩を維持している。現代の技術により、高解像度かつ高フレームレートでシャープに描画され、マルチプレイ中でもフレームレートは安定している。
- 中毒性の高い多彩なサウンドトラック
- サウンドトラックは素晴らしく、J-Pop、オルタナティブ、テクノなど多様なジャンルが収録されている。各ステージのテーマに合わせた曲も含まれ、非常にキャッチーで中毒性が高い。
- 最大4人で対戦可能な「KatamariBall」モード
- 最大4人でローカルまたはオンラインで対戦可能な「KatamariBall」モードが導入された。塊魂を成長させて指定されたゴールに預けることを競い、相手を巻き込むことも可能で、混沌とした競争の楽しみを提供する。
- 新規プレイヤーに優しい片スティック操作対応
- 新規プレイヤーにとって優れた入門点であり、従来のツインスティック操作が難しいプレイヤーのために、簡易化された片スティック操作がオプションとして用意されている。
- 展開が毎回異なる高いリプレイ性
- 塊魂のゲームの性質上、同じステージをプレイしても展開が毎回異なり、飽きることがほとんどない。豊富な収集要素やハイスコア挑戦が再プレイを促進する。
- 個性を表現できるアバターカスタマイズ
- プリンスやいとこのアバターを細かくカスタマイズできる機能が追加された。顔の表情、色、アクセサリー(マスクやアンテナの装飾など)を変更でき、プレイヤーの個性を表現できる。
不評ポイント
一部のステージでは、特定のアイテム収集や特殊なルールが設けられており、プレイヤーが慣れるまで非常に苛立ちを感じることがある。また、各レベルに隠された収集物(クラウン)を集めないとストーリーが進行しない仕組みになっており、これが探索を強いる「進行の壁」となっている。さらに、ゲーム中、王様の長い会話やカットシーンが頻繁に挿入され、ゲームのテンポを悪化させたり、画面表示が操作を邪魔したりする問題が指摘されている。
- 新作としての差別化不足
- 基本的なゲームプレイは過去の作品とほとんど同じであり、土台を揺るがすような新しいモードや要素がないため、シリーズのマンネリ化を感じさせる。オリジナルが持っていたコンセプトの斬新さが、繰り返されることで薄れてしまっている。
- 序盤の難易度の急上昇
- 特にゲームの序盤において、レベルクリアに必要な要件をわずかに満たせない状態が続き、難易度の急激な上昇を感じさせる。一部のステージは非常にイライラさせられる可能性がある。
- 多目的ミッションの満足感が低い
- 特定のアイテムのみを収集したり、収集数に制限があったりする多目的ミッションは、カタマリをひたすら大きくしていくというシリーズ本来の主要な目標と比較して、達成感が劣る。プレイヤーは本来の巨大化ミッションをより多くプレイしたいと感じやすい。
- 新マルチプレイヤーモード「カタマリボール」の独自性不足
- 新しいマルチプレイヤーモード「カタマリボール」は、機能的には問題なく遊べるものの、特筆すべき独自性や魅力に欠け、特に印象に残らない追加要素であると評価されている。競技性よりも混沌としたお祭り騒ぎに焦点を当てている。
- マルチプレイヤーのランダムなスコア加算による不公平感
- マルチプレイヤーモード「カタマリボール」の試合終了後、成績とは無関係に付与されるボーナス加点システムが、最終的な順位を大きく変動させる。これにより、真面目にプレイしていても結果が覆ることに不公平感や理不尽さを感じる。
- シンプル(片スティック)操作の精度不足
- 導入されたシンプル(片スティック)操作は、カタマリの制御に対する精度が低く、快適性や操作の満足感が損なわれる。この操作方法を選ぶと、ゲームの面白さが大幅に低下するという意見もある。
- ステージ途中でのロード発生
- ステージをプレイ中に、新しいエリアが解放される際などにロード時間が挟まれることがある。ゲームプレイが続行している最中にロード画面が挿入されることは、視覚的に体験を妨げ、集中を途切れさせる。
- 巻き込み判定の一貫性の欠如
- カタマリが物体を巻き込む際の判定ロジックに一貫性がないと感じられる場合があり、巻き込めそうに見えても止められてしまうことがある。特に狭い場所での衝突判定は、プレイヤーにフラストレーションを与える。
- 雰囲気と厳格なルールの不一致
- ゲーム全体のユーモラスで自由奔放な雰囲気にもかかわらず、一部のレベルで課せられる厳しすぎる制限やルールが、ゲームの持つ「のんきな態度」と矛盾している。これにより、プレイヤーが感じるゲーム体験のトーンに一貫性が失われている。
- 新要素がゲームの価値向上にあまり寄与していない
- 新しいパワーアップアイテムやダッシュ機能などが追加されているものの、これらの新要素はゲームの基本構造を大きく変えるほどではなく、作品全体を過去作から際立たせるには十分ではない。
メディアレビュー
- But Why Tho?[95]
- GameWatcher[90]
- DualShockers[90]
- Shacknews[90]
- CGMagazine[90]
- GameGrin[70]
- TheSixthAxis[90]
- Loot Level Chill[85]
- Push Square[80]
- Metro GameCentral[80]
- GAMINGbible[80]
製品情報
項目 | 概要 |
---|---|
タイトル (日本語) | ワンス・アポン・ア・塊魂 |
タイトル (英語) | Once Upon A KATAMARI |
ジャンル | アクション,カジュアル,アドベンチャー |
開発元 (Developer) | RENGAME |
販売元 (Publisher) | Bandai Namco Entertainment Inc. |
発売日 | 2025年10月23日 |
プラットフォーム | PlayStation 5,Xbox Series X/S,Switch,PC |
プレイ人数 | 本編1人、オンライン時最大4人 |
日本語(インターフェース) | 対応 |
日本語(字幕) | 対応 |