『Farthest Frontier』メタスコア評価・メディアレビュー

Crate Entertainmentよりアーリーアクセスを経て2025年10月23日に発売された、PCに対応の中世サバイバル都市建設シミュレーション『Farthest Frontier(ファーゼストフロンティア)』のメディアレビュー総まとめページです。

総合評価

『Farthest Frontier』
スコアについて

Metacriticで集計されているゲーム評価のスコアです。大手メディアに投稿されたレビューのスコアを平均された数値になります。メディアスコアは大きく変わることは少ないですが、集計サイトが増えるにつれて頻繁に変動します。

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神ゲー良ゲー凡ゲー低評価爆弾持ち

『Farthest Frontier』は、多岐にわたる生産チェーンと詳細な農業管理に重点を置いた中世のサバイバル都市建設シミュレーションであり、多くの要素が成功していると評価されています。

このゲームの核心は、経済の複雑さと緻密な管理要素にあります。プレイヤーは16種類の原材料を収穫し、19種類の食料を調達し、32種類の加工品を生産する多層的な経済を構築します。特に農業システムは詳細で、12種類の作物を扱い、土壌の肥沃度を維持し病害を防ぐための作物ローテーション(輪作)を戦略的に設定することが求められます。

資源や生産物は、市民が荷車で街中を輸送する様子をリアルタイムで確認できるため、物流の効率化が重要となります。生産目標の達成には、例えばジャム製造のために果物だけでなく、砂からガラス容器を作ったり、重工具を確保したりするなど、長期的な連鎖的供給網(サプライチェーン)の確立が必要です。都市の成長に伴い、飢餓、疫病、野生動物、略奪者の襲撃といった生存を脅かす多くの危険にも対処せねばならず、防御壁や兵士の装備も必要です(戦闘要素は平和主義モードで排除可能です)。建設面では約190種類の建物が用意されており、配置はグリッド式ですが、多様な建物モデルにより視覚的に美しい街並みを作ることができます。

一方で、いくつかの改善点も指摘されています。ユーザーインターフェース(UI)は、失業者数のような重要な情報が一目で把握しにくいという問題があります。また、輸送や物流を改善する仕組みが少なく、その説明も不十分なため、プレイヤーが試行錯誤を求められる場合があります。マップ生成時のロード時間が長いことも報告されています。これらの操作性や技術的な課題はありますが、膨大なコンテンツ量と複雑な経済システムを備えており、ジャンルの愛好家が時間を投じる価値のある都市建設シミュレーションとして成立しています。

評価ポイント

多くのメディアで評価されているポイント

資源の収穫から32種類の加工品生産に至る、多層的な経済システムの管理が評価されています。190種類以上の建物を建設し、町の成長に合わせて多くの職業を生み出すことができます。特に農業システムは詳細に作られており、12種類の作物から戦略的に選び、土壌の肥沃度や天候を考えた輪作を設定する必要があります。また、資源や製品は住民が荷車で運ぶ様子がリアルタイムで描かれ、効率的な物流計画が重要になります。

  • 細かな作業は省力化され、都市計画と資源戦略の本質に集中できる
    • 多くのミクロ管理(細かな操作)が省力化されているため、プレイヤーは都市建設の本質的な戦略に集中できます。初期段階では、冬に備えた家屋の建設や食料の備蓄といった、長期的な生存のための優先事項を管理することが求められます。
  • 地形・資源のランダム生成により、毎回異なるプレイ体験が生まれる
    • 地形生成と資源の分布が完全にランダム化されているため、同じゲームプレイは二度とありません。ユニークな生態系(バイオーム)とマップテーマが、繰り返しプレイする価値を高めています。プレイヤーは水や山、資源の量を指定してマップをカスタマイズすることも可能で、結果として各都市に独自の物語と歴史が感じられます。
  • 難易度設定のカスタマイズ性が高く、平和的な街づくりから高難度まで対応
    • 難易度オプションがカスタマイズ可能で、侵略者や疫病といった要素をオフにして平和な体験を選んだり、難易度を最大にして都市建設の能力を試したりできます。戦闘を望まないプレイヤーのために、人間や野生動物の敵を排除する平和主義モードも提供されています。
  • 建物の配置換えが容易で、中盤以降の都市再開発に対応できる
    • 交易所を含め、建物は移動が可能です。特に劇場のような大型の建物でも、移設機能を使えば、自由な労働者の数時間分の労働コストだけで移動させることができます。
  • 資源・在庫・住人を追跡するツールで、経済状況を把握しやすい
    • 資源、商品、住人を追跡するためのツールが提供されており、経済状況を評価して改善策を発見することが容易になっています。

不評ポイント

多くのメディアで不評なポイント

ユーザーインターフェース(UI)の欠陥と説明不足が、ゲームの最大の問題点とされています。UIには見づらい部分があり、ヘッドアップディスプレイ(HUD)は、失業中の市民の数のような重要な情報を一目で伝えません。また、様々な要素を理解するために試行錯誤が必要となっており、この点は、より充実したツールチップがあれば簡単に説明できたはずだと指摘されています。

  • 物流最適化の自由度が低く、改善手段も不明瞭
    • 効率を重視するプレイヤーにとって、都市内の輸送や物流を改善するために実行できる手段が非常に少ないです。もし改善策があったとしても、その詳細がプレイヤーに十分説明されていません。
  • グリッド固定と90度回転のみで、都市設計の表現力が乏しい
    • 建物の配置が粗いグリッドベースに固定され、90度の回転のみが許可されています。道路はカーブできますが、この建物の配置制限により、インフラと住宅が自然に一体化するような都市景観を作ることは困難です。
  • 大規模マップでの初期ロード時間が極端に長い
    • 大規模マップを選ぶと、ゲームの初期ロード時間が非常に長くなります。あるレビュー筆者は、ロードを待つ間にレビューの約半分を執筆できたと述べており、最適化の余地があると考えられます。
  • 研究や政策が数値的な強化中心で、新機能解放の喜びに乏しい
    • 研究ツリーは、作業速度や部隊のステータス向上といった数値的な改善が中心です。新しい能力や機能の解放といった具体的な成果が少なく、研究や知識ポイントがゲームを少し早く簡単にするためのボーナス通貨のように感じられ、進歩するワクワク感がありません。政策システムも同様に、何らかの不利な効果と引き換えにした数値的な強化が主となっています。
  • 序盤と成熟期のゲーム進行が間延びしており、早送り前提のテンポになっている
    • ゲーム開始から数年間は拡張速度が遅く、少数の住民が作業を終えるのを待つ時間が長いため、プレイヤーは早送りボタンに頼りがちです。また、人口が約500人に達して経済が安定した後もペースが緩やかになり、ゼロから構築する初期段階ほどの関心が持続しません。
  • 襲撃者のAIが直線的でランダム性が高く、防衛の戦略性が薄い
    • 略奪者による周期的な攻撃は、価値のある建物へまっすぐ機械的に向かう傾向があり、ややランダムに基づいているように感じられます。防衛面の戦略的な深さは薄いですが、射撃手を使って財宝庫などを解体中の略奪者をおびき出すといった対応は可能です。
  • コア体験の独自性が弱く、他作品との差別化に欠ける
    • 他のリソース管理型都市建設シミュレーションゲームと比較して、コア体験で特に異なる点は見受けられず、既存のジャンルの構造に忠実です。そのため、集落が成長しているという感覚自体に頼らざるを得ないほど、個性に乏しい瞬間があります。
  • 表示や挙動に関する軽微な不具合がゲームプレイの妨げになる
    • ゲームの進行には影響しないものの、いくつかの軽微な表示や挙動の不具合があります。具体的には、空き家が金収入を生んでいると誤って表示される、道路が隣接しても自動で接続しない、市場の建設メニューで税金徴収に関する情報が誤って表示される、といった問題が存在します。

メディアレビュー

製品情報

項目概要
タイトル (日本語)Farthest Frontier(ファーゼストフロンティア)
タイトル (英語)Farthest Frontier
ジャンルシティビルダー,サバイバル,ストラテジー,シミュレーション
開発元 (Developer)Crate Entertainment
販売元 (Publisher)Crate Entertainment
発売日2025年10月23日
プラットフォームPC
プレイ人数1人
日本語(インターフェース)対応
日本語(字幕)対応