AIを活用したゲーム開発が急速に進む一方で、市場のトップは変わらず、業界内ではAIへの不信感も高まっている現状を解説する。『AIとVibe Codingが新たなゲームの洪水を引き起こしているが、必ずしも良質なゲームばかりではない』という状況について
2026年07月01日 | #ゲーム | Digital Trends Gaming
最近、アプリストアに新作ゲームが山ほど増えたと感じている人も多いのではないでしょうか。実はこれ、AIの進化が大きく影響しているとのことです。調査会社ATTN Economyの調べによると、2026年5月までの半年間で、モバイルゲームがiOSで11万8,000本、Androidで7万3,000本もリリースされており、これは前年同期と比べてiOSで118%、Androidで73%もの増加となっています。この急増の背景には、「vibe-coding」と呼ばれる新たなトレンドがあり、プログラミング知識がほとんどない人でもAIツールを使って実際にコードを書かずにゲームを開発・リリースできるようになっています。これによりゲーム開発への敷居はこれまでにないほど低くなりましたが、それによる恩恵を受けているのは以前と同じ、一部のプレイヤーであるのが現状です。
AIによる開発効率向上とその限界
AIの活用により、ゲーム開発にかかる時間は短縮されています。フランスのモバイルゲームスタジオVoodooの元幹部がFinancial Timesに語ったところによると、AIを使うことでゲーム開発期間はこれまでの約14日から10日程度に短縮されたとのことです。これは確かに便利な進歩ではありますが、多くの人が予測していたような業界全体を大きく変えるほどの変革とは言えないようです。また、開発期間が短縮されたとしても、市場のトップを占めるのは依然として大手パブリッシャーであることは変わりません。
AI活用における課題と業界内の不信感
ゲーム業界では、AIの導入による開発スピードの向上とは裏腹に、さまざまな課題も浮上しています。GDC Festival of Gamingのレポートによると、過去2年間でゲーム業界で働く従業員の4人に1人が解雇されているとのことです。業界内のAIに対する見方も大きく変化しており、2024年には生成AIを「有害である」と考えていたゲーム開発者はわずか18%でしたが、現在では52%にも増加しています。ゲームタイトルの増加は確かに現実ですが、その裏には業界内の大きな緊張が横たわっているようです。AIはより多くのゲームを生み出すことはできますが、ゲームを特別なものにする「人間の本能」までは再現できていないのが現状であり、結果として、選択肢は増えても必ずしも品質の高いゲームが増えているわけではない、というのが実情のようです。