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ゲーム開発者が愛憎を抱く「はしご」の奥深き世界――かつての厄介者からゲーム体験を豊かにする要素への進化を紐解く

2026年07月12日 | #ゲーム #ニュース | Eurogamer

ゲーム開発者が愛憎を抱く「はしご」の奥深き世界――かつての厄介者からゲーム体験を豊かにする要素への進化を紐解く

ゲーム開発において、一見すると地味な要素である「はしご」が、実は奥深いデザイン哲学と進化の歴史を秘めていることが明らかになりました。かつてはゲーム開発者たちが忌み嫌い、「はしごなんてクソくらえ」とまで言い放つスタジオがあったほど、その実装には多大な苦労が伴っていたようです。しかし、長年の試行錯誤を経て、今ではプレイヤーが当たり前のように使える、洗練された「はしご」が多くのゲームに登場しています。

「はしご」が抱えるデザイン上の困難

ゲーム開発者たちは、「はしご」一つを実装するためにも、数十ものデザイン上の問いに向き合う必要がありました。たとえば、プレイヤーの手足がはしごにかかるアニメーションは自然か、はしごを登りながら武器を取り出せるか、はしごから滑り降りたり飛び降りたりできるか、といった操作性に関わる問題です。さらに、銃弾や爆発を受けた場合どうなるのか、間違った方向から登ろうとした場合はどう処理するのか、AIキャラクターも同じように「はしご」を使えるのか、といった多岐にわたる課題が挙げられます。かつてのゲーム、例えば初代PlayStationの『Tom Clancy's Rainbow Six』では、「はしご」がテロリストよりも危険な存在で、プレイヤーが降りると人質がレミングのように飛び降りて自滅してしまう、なんておかしなバグもあったとのことです。

はしごがプレイヤーに与える影響

「はしご」は、通常のゲームプレイの流れを中断し、プレイヤーの自由を奪い、垂直方向の移動に限定してしまう要素でもあります。このため、多くのゲームデザイナーは、プレイヤーができるだけ早く「はしご」を登り切ることを望んでいます。しかし、中にはこの定石を逆手に取ったユニークな使い方をするゲームもあります。例えば、『Arc Raiders』では、途中で終わる「はしご」があり、最後まで降りようとすると落下死してしまうという、開発者によるちょっとした意地悪が仕掛けられています。これは、ゲームの世界ではどこにも安全な場所はない、というテーマをプレイヤーに強く印象づける効果を生んでいます。

『メタルギアソリッド3』の伝説的なはしご

「はしご」をゲームデザインの核として活用した代表的な例として、小島秀夫監督の『メタルギアソリッド3 スネークイーター』が挙げられます。作中に登場する3分間にも及ぶ「はしご」の昇降シーンは、ゲームの中間地点で、バイオームが切り替わる節目に現れます。すべてがスローになり、音が響き渡る中、「はしご」を登り続けるプレイヤーは、この中断がいつ終わるのかとさえ感じます。そして、頂上に達した瞬間に流れる壮大なアカペラ曲は、激しいボス戦後の静寂と相まって、プレイヤーに忘れられない感動を与えます。

『DEATH STRANDING』ではしごが進化

小島監督は『メタルギアソリッド3』以降も「はしご」へのこだわりを見せています。『DEATH STRANDING』では、「はしご」は単なる移動手段を超え、テーマ性のあるツールとして再構築されました。未接続の場所をつなぐ物理的な手段であると同時に、プレイヤー同士をつなぐ役割も果たします。プレイヤーが設置した「はしご」が他のプレイヤーの世界に現れることで、協力とつながりの物語が紡がれます。持ち運び可能で、様々な角度で設置できる「はしご」は、川を渡る橋としても利用でき、ゲームの中で最も汎用性の高い道具の一つとなっています。

項目 内容
登場タイトル例 『Dishonored』、『Tom Clancy's Rainbow Six』、『Metal Gear Solid 3: Snake Eater』、『Death Stranding』、『Arc Raiders』