任天堂の故・岩田聡社長が2013年に語った「解雇を恐れる従業員は人を感動させるソフトは作れない」という言葉が、現代のゲーム業界に響く理由とは?
2026年07月15日 | #ゲーム #ニュース | GamesRadar+
任天堂の故・岩田聡社長が、2013年に「短期的には良好な財務結果をもたらすかもしれない」としながらも、「解雇を恐れる従業員は、世界中の人々を感動させるようなソフトウェアタイトルを開発できない」と述べたことが、ゲーム業界で話題になっています。大規模な人員削減が常態化している昨今の状況において、岩田社長のこの発言は改めて多くの開発者やプレイヤーの心に響いているようです。
岩田社長が示した「人」を重視する経営哲学
岩田社長は、ニンテンドー3DSの発売後の業績不振を受け、2011年に自身の給与を50%削減したことで知られています。当時の任天堂は3年連続で営業赤字を計上するなど厳しい状況にありましたが、岩田社長は大規模な人員削減を断行しませんでした。2013年には投資家からリストラをしない理由を問われ、「従業員の士気が低下し、解雇を恐れる従業員が世界中の人々を感動させるようなソフトウェアタイトルを開発できるとは到底思えない」と語っています。これは、短絡的な財務改善よりも、長期的な視点での人材育成と企業文化の維持を重視する姿勢を示していました。
日本の労働法と任天堂の「人」への投資
岩田社長は、2013年の発言の中で「一部の雇用主は、多数の従業員を解雇することで財務実績を改善するためのリストラ計画を公表していますが、任天堂では、従業員がそれぞれの分野で貴重な貢献をしているため、従業員グループを解雇しても任天堂の事業を長期的に強化することにはなりません」と述べています。当時の任天堂は「不必要な経費を継続的に削減し、事業効率を高めることで良好な結果を達成する」という方針を取っていました。これは岩田社長の逝去後も基本的に変わっていないと考えられます。日本の労働法が欧米諸国のそれと比較して解雇を難しくしている側面もあるものの、任天堂が従業員を安易に切り捨てず、長期的な視点で人材に投資する姿勢は、現在のゲーム業界において特に注目に値すると言えるでしょう。