サウジアラビア政府系ファンドによるエレクトロニック・アーツ(EA)買収、EUの承認を得て大きく前進!ゲーム業界への影響と懸念が浮上する大規模ディールに注目
2026年07月24日 | #ゲーム #発売 | Polygon
サウジアラビアの政府系ファンドであるPublic Investment Fund(PIF)が、エレクトロニック・アーツ(EA)を550億ドルで買収する計画が、欧州連合(EU)の承認を得て大きく前進しました。この買収は、モバイル、PC、コンソール向けのビデオゲーム制作・配信、そしてeスポーツイベントの開催・商業化を主な対象としています。欧州委員会は、この取引が市場競争に限定的な影響しかないと判断し、EU合併規則の下で承認したとのことです。
PIFによるEA買収の背景と影響
今回のPIFによるEA買収は、成立すれば史上最大の民間レバレッジド・バイアウト(借入金を主体とした買収)となり、ゲーム業界ではMicrosoftによるActivision Blizzard買収に次ぐ規模になるとされています。PIFはすでにSavvy Games Groupを所有しており、Activision Blizzard、Capcom、Embracer Group、Nintendo、Take-Twoといった大手ゲーム会社の株式も取得しています。また、『Fatal Fury: City of the Wolves』をリリースしたSNKの株式も97%保有しており、ゲーム業界への影響力を急速に拡大しています。
サウジアラビアのゲーム業界への進出と懸念
サウジアラビア政府は、石油依存経済からの脱却と経済多角化を目的としてゲーム業界への投資を進めていると公式に表明しています。しかし、この動きは「スポーツウォッシング」と同様の試みと見られています。これは、サウジアラビアの人権問題や国際的な評判を改善するため、スポーツリーグへの巨額投資を通じてイメージアップを図る戦略と似たものだとのことです。ゲーム業界においても、ゲーマーにサウジアラビアをエンターテインメントと結びつけることで、人権問題や反LGBTQ法といった負のイメージを払拭しようとしている、という見方があります。
プレイヤーコミュニティの反応
実際、一部のプレイヤーはこうした動きに警戒感を示しています。例えば、スピードランのチャリティイベントを開催するGames Done Quick(GDQ)は、SNKとの共同イベントを途中で中止しました。これは、SNKがPIF傘下の企業であることについて、SNS上で批判の声が上がったためです。
開発への影響の可能性
EAの経営陣は、買収後もクリエイティブなコントロールを維持すると述べていますが、その主張には疑問の声も上がっています。PIFが所有するSNKがリリースした『Fatal Fury: City of the Wolves』では、サッカー選手のクリスティアーノ・ロナウドやDJのサルバトーレ・ガナッチといったゲストキャラクターが登場しています。これらのキャラクターはサウジアラビアとの関連性が強く(ロナウドはPIFが出資するリーグでプレーし、ガナッチはサウジアラビアでショーを開催しています)、開発にサウジアラビア政府の影響があったと見る向きもあります。もしPIFによるEA買収が成立した場合、EAの独立性がどれだけ保たれるか、注目が集まります。