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ゲーム開発者たちの個人制作は創造性が消えないことを示す

2026年08月25日 | #その他 | Eurogamer

ゲーム開発者たちの個人制作は創造性が消えないことを示す

ゲーム業界で創作の自由が制限される状況が続く一方、開発者たちは本業の外でゲームやアート、ハードウェアの制作を続けています。なかでも、画面を使わずPS5のDualSenseだけで遊ぶ作品は、身近な道具そのものを主役にする試みとして注目されます。さまざまな個人制作を通じて、創造性は抑え込まれても消えないというメッセージが示されています。

DualSenseを「生き物」として扱う実験

大手スタジオに所属する匿名の開発者は、DualSenseとそのセンサーだけを使う作品を制作しています。画面や映像は使わず、コントローラーに内蔵されたライトと振動、アダプティブトリガーなどを頼りに、プレイヤーが装置の望む状態を探っていく内容です。

開始時にコントローラーの「望ましい状態」が設定され、正解に近づくほど振動による“心拍”が速くなります。誤ったボタンを押すと強い振動が発生して心拍が一時的に止まり、トリガーを強く押しすぎると反発も起こる仕組みです。開発者のルームメイトはこの体験を「謝りたくなる、PS5コントローラーとの官能的な体験」と表現したとのことです。

開発者は、普段は意識されにくいコントローラーを、プレイヤーの手の中で存在感を持つものとして扱いたかったと説明しています。将来的には無料公開し、ゲーム開発者向けのイベントで試遊展示する計画です。

ゲーム開発者が手がける多彩な個人制作

歴史学者でゲーム開発者でもあるHolly Nielsen氏は、心臓の不調から回復する期間に短編インタラクティブフィクションを制作しました。将来は心電図モニター上で動く展示作品に発展させたいと考えており、現在も学術分野にインタラクティブ性を取り入れる短編作品を作っています。

Wolfeye StudiosのKorina Abbott氏は、昼休みにAsepriteでピクセルアートを描き、テクニカルアーティストのFreya Holmér氏は非ユークリッドな四元数空間における移動を表現する実験を公開しました。2Kで次のBioShockに携わるJohn Livingston氏は、Mosa Lina、Scribblenauts、LittleBigPlanetから影響を受けた没入型シミュレーションゲームを個人制作しています。

このほかにも、詩を分岐型の小さなゲームにする試み、光で構成された無限の美術館GalériaLux、Quakeのマップ制作、Godotで風のタクト風の光と影を再現するサンプルなどが紹介されています。完成を目指すゲームだけでなく、技術検証や短時間の習作も含まれている点が特徴です。

ゲームの外へ広がる創作

Media Moleculeの共同創設者Alex Evans氏は、ゲーム開発者がモジュラーシンセサイザーなどの音響ハードウェア制作へ移行する例が多いと指摘しています。ゲーム開発者が立ち上げたシンセサイザー関連ショップThonkや、Evans氏がMedia Molecule在籍時に制作したPlinkyなどを例に挙げ、ゲーム関係者が趣味をきっかけに音響機器へ向かう流れは一つのパターンになっているとしています。

ほかにも、元ゲーム開発者が親との別れを題材にした作品を制作したり、約3年にわたってUFOゲームを毎日作り続けたりする例が登場します。軌道力学を学びながらケスラー症候群をシミュレーションする作品や、古い映像の修復、個人アートをもとにしたダンジョンカードゲームなど、制作対象はゲームの枠に収まりません。

創造性を手放さないための個人制作

元Studio ZA/UMのPetteri Sulonen氏とSally Hale氏は、物語主導型ゲームを大規模に制作するスタジオ向けツールTarinoiを開発しています。ナラティブデザインの現場で生じる問題を解決するため、物語、制作進行、プログラミングなど複数の職種が扱える基盤を目指しているとのことです。

原文筆者は、ゲーム業界が創造性を管理・制限しようとしても、人は作りたいという衝動から逃れられず、開発者たちは本業の外でなお作品を生み出し続けると述べています。個人制作は単なる気晴らしではなく、創作への意欲を守り、再び挑戦するための場にもなっているようです。