『The Expanse: Osiris Reborn』は原作世界を重視した約30時間の新作RPG
2026年08月31日 | #ゲーム #発売 | Polygon
『The Expanse: Osiris Reborn』は、原作の政治劇と低重力環境を取り入れた、シリーズ初の本格的なアクションRPGとして注目を集めています。Gamescom 2026で約90分の中盤ステージを体験した原文筆者は、カバーシューターとしての完成度だけでなく、戦闘を避けて問題を解決する場面の多さにも魅力を感じたと伝えています。発売時期は2027年春で、対応機種はPS5、Windows PC、Xbox Series Xです。
原作の出来事を別視点から描く新たな物語
本作の舞台は、ドラマ版のシーズン1〜3、書籍ではLeviathan’s WakeとCaliban’s Warにあたる時期です。主人公はJames HoldenやRocinanteの乗組員ではなく、プレイヤーが作成するオリジナルキャラクターです。主人公のパーティーには、Jという名前の一卵性双生児と、BioWare作品を思わせる個性的な仲間たちが加わります。
物語の中心にいるのは、時代を決定づける主要人物ではありません。プレイヤーは大きな歴史の流れを別の立場から目撃することになり、Holdenら既存キャラクターも何らかの形で登場するとのことです。今回の体験範囲では、彼らの姿は確認されていません。
体験したミッションは「Beetle in the Anthill」。エロス・ステーションの破壊後と見られる時期に、主人公たちは準軍事組織Pinkwaterから依頼を受け、ガニメデ・ステーションでProtogenの不利な情報を集めます。Protogenは作中で数々の事件に関わる別の準軍事組織であり、原文筆者は同組織の兵士を撃つことにためらいを感じずに済む状況だと説明しています。本作全体のプレイ時間は、遊び方によって変わるものの、およそ30時間になる見込みです。
Mass Effect風の戦闘と探索を両立
戦闘システムは、初期3作のMass Effectと比較されてきた要素です。三人称視点のカバーシューターとして銃撃戦を行い、2人の仲間にはそれぞれ戦術的な行動を指示できます。原文筆者も実際にプレイしたうえで、その比較は妥当だとし、操作への反応が速く、攻撃の手応えも強い戦闘だったと評価しています。
敵との戦いでは、単に遮蔽物の裏から撃つだけでは足りません。状況に応じて仲間の能力を使い、敵の動きを見ながら位置を変える必要があります。事前の戦術と、その場での直感的な判断の両方が求められる設計で、三人称シューターが持つ緊張感を再現しているとのことです。原文筆者は、シリーズを知らないプレイヤーにも戦闘そのものは訴求できる完成度だと見ています。
一方で、体験版では30分以上にわたって戦闘が発生しない時間が続きました。ガニメデのドックヤードを探索しながら周囲の状況を把握し、会話や調査を進める場面が用意されています。戦闘を主軸としながらも、ひたすら敵を倒し続ける構成ではなく、アクションRPGとして探索に時間をかけられる作りになっているようです。
暴力に頼らない解決がゲームプレイに影響
ミッション序盤では、銃を抜いて強行突破する以外の選択肢が重視されます。原作シリーズは、人々がなぜ対立し、政治や立場の違いから戦うことになるのかを描いてきました。本作もその性格を受け継ぎ、争いを避けようとする登場人物たちの姿勢を、ゲームシステムに落とし込んでいます。
具体的な場面では、貨物コンテナの中身を確認するために、まずProtogenの警備員を通過しなければなりません。しかし警備員は、出荷担当者の許可がなければ通さないと告げます。出荷担当者から許可を得るには請求書が必要ですが、主人公は請求書の実物も様式も知りません。そこでコンピューターをハッキングして書式を入手し、さらにコンテナのシリアル番号を確認するため、スキャンできる場所を探すことになります。
この一連の手順は、敵を撃つだけの攻略よりも複雑です。その代わり、警備の穴を探し、必要な情報を集め、正面衝突せずに目的を達成する過程が本作ならではの満足感につながっています。原文筆者は、こうした場面をHitmanのような没入型シミュレーションに近いものとして紹介しています。
原作ファンに向けた環境再現と課題
ガニメデのドックヤードは、原作の舞台を細部まで再現したエリアとして描かれています。露骨に元ネタを説明する会話を挟むのではなく、背景や建造物そのものにシリーズへの参照を忍ばせている点が特徴です。ドラマ版で第2シーズンの大きな災害に関わった農業ドームも登場し、巨大な球形温室として作り込まれています。
原文筆者によれば、その農業ドームは原作を知る人にとって、これから起きる死と飢餓を予感させる存在です。しかし、シリーズを知らないプレイヤーにとっては、印象的な建物として自然に受け止められるよう演出されています。作品知識のあるファンだけに向けた説明的な演出を避け、舞台設定の一部として機能させている点が評価されています。
体験の終盤では、遺伝子を変質させるプロト分子の影響で、青い装甲のような身体と銃弾への耐性を得た人間、Hybridが登場します。主人公たちは爆発が続くトンネル網を逃げながら農業ドームへ向かい、仲間の1人に民間の科学者を安全な場所へ誘導させ、別の1人に脱出用コンピューターのハッキングを担当させる選択を迫られました。原文筆者は結果を確認できなかったものの、Mass Effectのように、この判断が後の展開へ影響すると受け止めています。
その直後、Hybridと円形の部屋で対峙するボス戦が始まるところで体験は終了しました。原文筆者はドラマ版の知識から次に起きる展開を予想できた一方、原作を知らないプレイヤーには先の読めない場面になるだろうとしています。
本作が抱える最大の課題は、完成度の高いゲームプレイを備えていても、最終的にはライセンス作品であることです。ドラマ版の終了から発売までには5年の時間が空く見込みで、ドラマは未映像化の原作小説を残したまま、解消されない cliffhangerに近い形で終わっています。過去のTelltaleによるスピンオフも、ドラマの人気に匹敵するほど大きな影響を残したとは言い難いと、原文筆者は厳しく指摘しています。
それでも、舞台美術や物語、主人公の装備に至るまで原作との結びつきが強いからこそ、単なる別作品として作るのは難しい一方、ファンにとっては待ち望んだ世界を歩ける作品になる可能性があります。原文筆者は、長年のファンに原作世界を楽しませながら、新規プレイヤーにもシリーズが支持されてきた理由を伝えるという、The WitcherやMetroのような両立に期待を寄せています。